現在、中小企業経営者、零細企業経営者の中には社内SNSを導入してみようかどうか悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
そんな社内SNSは特徴があり、サービスとして注目を浴びているサービスはいくつかありますが、導入に失敗している企業も多くあります。
そのため、今回は『【必読】社内SNSは失敗する!?社内SNSの導入の失敗理由と失敗事例。失敗しない方法を解説』という記事のタイトルで、
- 社内SNSの導入の失敗理由
- 社内SNSの導入の失敗事例
- 社内SNSの導入に失敗しない方法
を解説、紹介します。
社内SNSとは?
SNSの最大の特徴は複数の人間が同時かつ気軽に情報交換をできる点です。そのため、部署を越えた交流が可能になり、企業全体での意思統一や情報共有が容易になると言われています。
社内SNSとは、社内や組織内に限定したコミュニケーションツールを指す言葉です。
社内SNSは電話、メールと並ぶ第3の主要コミュニケーションツールとして注目されています。
SNSの最大の特徴は複数の人間が同時かつ気軽に情報交換をできる点です。
そのため、部署を越えた交流が可能になり、企業全体での意思統一や情報共有が容易になると言われています。
多くの経営者が抱えている社内SNSに関する2つの誤解
①ベンダー、導入担当者に任せればなんとかなる
まず、初めに多くの経営者が抱えている社内SNSに関する2つの誤解を説明します。
ベンダーや導入担当者は社内SNSの導入に協力しいてくれますが、ベンダー、導入担当者の立場で利害は異なることもあり、またそれぞれ同じ立場でも様々なタイプが存在するので、注意が必要です。
社内SNSはグループウェアやプロジェクト管理ツールと違い、利用用途が様々です。
また、ボトムアップや役割を越えた双方向のコラボレーションを期待するため、それぞれの立場やタイプを理解しておくことが重要と言えます。
例えば、ベンダーでも当社のようなクラウド型の社内SNSのサービスを提供する企業もあれば、パッケージを持っていてカスタマイズして納品、構築するベンダーで企業があります。
それぞれ一長一短があり、同じタイプであっても運用支援のサポートの有無などそれぞれで特徴が異なります。
そして、導入担当者によって立場も違い、業務ツールだからといって導入担当者や会社都合だけで、ユーザーの視点が欠けていると社内SNSが活用されないこともありるので、注意が必要です。
②参加人数が多ければ、導入に成功する
一般的なSNSの場合、一定程度の母数が集まらないと盛り上がりに欠けてコミュニティとしての魅力や毎日アクセスするような動機がなかなか生まれません。
一方、社内SNSに関しては、一般的なイメージを引きずって参加人数の母数が少ないと上手くいかないのではないかと考えている企業が多いのが実情です。
そのため、そもそも中小企業は選択肢として社内SNSを導入するほどの人数でもないからと検討しなかったり、逆に大企業は部署の壁を越えて社内に眠っている情報や人などの資産を全社で共有しようと、利用者からすると曖昧な目的で導入に踏み切ってしまいます。
つまり、まずは小規模のチームを作り、小さな目標から着実に成果をだしていく必要があると言えるでしょう。
例えば、「部署Aが作業効率を○%アップするために部署Bの情報を共有する」という具合に明確な方向性を提示して、その上で、数字を見ながら実際の成果を測ってみるのも一つの手です。
このように、目標としての数字があれば人はやる気になりますし、そういう小さな成果の積み重ねがあってこそ、SNSは社内に根付くため、参加人数が多くすることから始めるのではなく、小規模に始めることをおすすめします。
社内SNSの導入に失敗する8つのパターン
社内SNSの導入に失敗する会社は多くあります。
今回は8つのパターンを紹介します。
①私的な使用を社員が行ってしまう
一番ある失敗が私的な使用を社員が行ってしまうパターンです。
社内SNSは気軽なコミュニケーションが取れるからといって、なんでも話せる場というわけではありません。
多くの会社では、日々業務をおこなう中での情報共有やコミュニケーションの場として導入したにもかかわらず、ルールを決めずに導入したことで雑談ばかりおこなわれ、重要な発言が埋もれてしまいがちです。
その結果、情報共有も進まず、費用をかけて雑談の場を提供しただけになってしまうことがよくあるます。
②不十分な説明が原因で社内に浸透されない
すべての社員が同じITリテラシーを持っているわけではありません。
数回触れただけで使い方を理解する社員もいれば、何回も説明を受けないと十分に活用できない社員もいるでしょう。
とある会社ではリテラシーの高い情報システム部門が中心となって社内SNSの導入を進めました。
本格的に導入された際に自分たちが使えているという理由で十分な説明をせずに運用が開始されましたが、リテラシーの低い社員は満足に活用することができず、組織内での情報共有をしようとしても伝わりきらないということがありました。
このように、不十分な説明が原因で社内に浸透されないされないといったケースも十分想定されます。
③目的が明確に設定されていない事が原因で使用継続されなくなる
メールやグループウェアの活用に問題がなく、ITリテラシーが高い社員が多かったため、社内ソーシャル専用ツールの導入への抵抗感は少なく、導入も順調に進みました。運用も順調で、経営陣も積極的に投稿したりするなど、活発に運用されていました。
しかし半年弱で情報共有が激減してしまいました。
社内部活動の報告をツール上で行うことを義務付けたり、定期的に情報を投稿するための仕組みを構築したのにもかかわらずです。
目的が明確に設定されていない事が原因で使用継続されなくなることもあるので、導入担当者は必ず、目的に沿って社内SNSを導入しましょう。
④上司の叱責が原因で社内SNSが使用されなくなる
また、他の会社では、役職を超えたオープンなコミュニケーションの場を設ける目的で社内SNSを導入しました。
しかし、ある日部下の発言を上司が社内SNS上で叱責した事により、その部下は社内SNSの利用頻度が下がってしまったそうです。
気軽なコミュニケーションを取れる場として導入したにもかかわらず、それを咎められたことにより、その後は他の社員も社内SNSから遠ざかり、結果的に誰も使わなくなってしまいます。
こういったケースは特に大企業において多いです。
⑤SNS自体の使い勝手が悪い
導入したSNS自体の使い勝手が悪く、定着しないというケースがあります。
コストメリットばかりが先に立ち、評価をほとんど経ずに、導入された場合に陥りがちな失敗です。導入ありきで評価が形骸化している場合も同様です。
いくらコストメリットが謳われようと、利用されないシステムには1円も価値もありません。
クラウドシステムやパッケージの中にはカスタマイズを前提としたものもあります。一部のシステムは、カスタマイズによって劇的に使い勝手が改善することがあり、それにより利用が促進される場合もあります。
ですが、度重なるインターフェースの変更は社員の不評を招き、利用促進を阻む要因となるため、計画的に進める必要があるでしょう。
⑥SNSが業務内容にマッチしない
業務内容によっては、SNSがそもそもマッチしないことがあります。
例として挙げられるのが、工場などにおける導入です。
工場においては、何か改善が必要な事態が起きた場合、SNSで議論するまでもなく現場で責任者が即断すべきでしょう。
そもそも工場勤務では、作業者によるSNSへのアクセシビリティを確保出来ません。
営業所の規模によってもマッチしないケースがあります。
ワンフロアーで見通しのよい社内にSNS経由でのコミュニケーションをわざわざ持ち込んだところで、普及しないことは明白です。無理に導入したところで、形骸化が避けられないケースもあるのです。
⑥導入の目的がはっきりしない
見栄えの良さや先進性に惹かれて、自社への適用イメージを持たぬまま、導入したときなどに陥りやすい失敗です。
このようなケースでは、仮運用して改善案を募るのが常ですが、そもそもSNSが本格的に利用されていない状況下で出された改善案など、妥当性を欠いたものばかりになりがちです。
利用シーンを想定した入念なロールプレイを行い、カスタマイズを繰り返してからリリースするべきでしょう。
非効率なシステム導入は、社員全員の生産性を落とすことになりかねません。
⑦監視によって出し惜しみが引き起こる
社内SNSにおいては、IT担当者や総務部員、取締役など一部の限られたメンバーが特権ユーザーとなる場合があります。
彼らには、全ての情報が閲覧可能となることも少なくありません。
実際、特権ユーザーの権利を利用していなくても、そのようなイメージを持たれやすいため、SNS上でのコミュニケーションは、誰に覗かれてもかまわないような空疎なものになる可能性があります。
招待メンバー以外にはアクセス出来ないようなインターフェースへ変更する、監視権限を持つ者も積極的に議論に参加することで、監視を受けている印象を払拭できます。
⑧他のコミュニケーション手段と競合していまい、結果、生産性が低下する
メールや録画機能付きテレビ会議システムなど、コミュニケーションツールが既に十分整備されている組織への社内SNS導入は、業務効率化に逆行する恐れが生じます。
そのような組織においては、SNSが既存のコミュニケーションツールと競合し、生産性が低下する可能性もあるでしょう。
情報が集積されずに分散してしまい、従来は不要であった、コミュニケーション手段を選ぶという判断や参照の手間が増えるためです。
そのような組織では、ツールの棲み分けを明文化し、社員による判断が不要となるようにします。
予算化された案件については、既存ツール利用、新規案件のみ社内SNSを利用するなどのルールを設けます。
社内SNSの導入に失敗しないためのつ6の方法
そして最後に、6つの方法について解説します。
①ミッションやビジョン、バリューの浸透を事前に行う
ミッション・ビジョン・バリューを浸透させることがまず、何より重要です。
一般的に、経営陣と従業員は距離があり、直接交流する機会はあまりないかと思います。
しかし、社内SNSであれば、経営陣からの情報発信やメッセージを気軽に受け取ることができます。
経営陣と従業員の距離を縮めるツールとして、日常的に利用するSNSと組み合わせることはとても効果的です。
ミッション・ビジョン・バリューの浸透には、時間と接触量の両方が必要です。
ある従業員の行動が行動指針にマッチしている場合は、社内SNSで称賛するなどして、接触涼を増やすことで会社の考えを浸透させることができます。
②風通しがいい職場の環境づくりを行う
風通しが良く、オープンな職場環境をつくることも重要な点です。
社内SNSを活用することで、情報共有が活発になり、社内のコミュニケーションを円滑になります。
これまで、メールなどのクローズドなやり取りがおこなわれていた環境と比べると、風通しがよく、オープンな緩急に変わるのではないでしょうか。
これにより、社員のモチベーションUPにつながり、エンゲージメントの向上にもつながります。
③双方向で情報発信を発信する
社内SNSは、気軽に情報を発信できたり、相手が発信した情報に対してリアクションが取りやすかったりします。
そのため、コミュニティ形成がしやすいところが社内SNSの良いところです。
社内SNSを使うことにより、各部署の情報発信やナレッジの共有が活発になることで、スピーディーに会社のことや他部署のことを把握できます。
また、その場で質問したり、意見を交わしたりすることで、他部署の人との交流もできます。これにより、拠点間の情報格差を埋めることができるだけではなく、新たな気づきや接点が生まれることも社内SNSの特徴と言えます。
④仕組みづくりをしっかり行う
Facebookなどの一般的なSNSは、ほとんどの人が使い慣れています。
そのため、特別な工夫が必要ではないと考えてしまいがちです。
しかしながら、新しい社内SNSを導入し定着させるためには、フォローアップと工夫が必要です。
最初のうちは部下の発言を注意深く聞き、「それ、いいね。みんなにも知ってもらっといたほうがいいから、シェアしといてよ」と促したり、「投稿数」や「気づきのレベル」ごとに簡単な賞与をもうけるイベントを作るのもよいでしょう。
実際、そういった簡単な声がけでうまく仕組みづくりに成功している企業はたくさんあります。
⑤役割と使い方の設定をしっかり行う
A社の例では、投稿しやすいように「どんな情報でもシェアしよう」としていました。
その結果、気になることがあれば「これシェアしていいのかな?」と思ってシェアしましょう。
また、投稿内容を決めておかないことは何かとリスクにもつながります。
そのため、社内SNSを導入する際は、「誰が(Who)、いつ(When)、何を(What)、どのように(How)」の4つを共有し、定めておくことが大切です。
⑥社内SNSメリットを最大限理解する
企業内に社内SNSを導入すれば横断的なコミュニケーションを作り出すことが可能となり、部門を越えたつながりが生まれることもあります。
セクショナリズム(部署間の対立や軋轢)を壊すいいきっかけになります。
社内SNSは現役の社員に限定されたものばかりではなく、退職者、求職者が参加できるものもあり、人材の再活用に成功した事例も少なくありません。
つまり、社内SNSはマンパワーの活用に非常に有効な手段ということができるでしょう。
しかし、一方で注意しなければいけない点(特に人事としては情報漏えい、個人情報保護な)も多々ありますが、社内SNSのメリットを最大限、理解することは何より、社内SNSの導入失敗をしないために重要です。
余談ではありますが、上記以外にも社内SNSは以下のようなメリットもあります。
- 会話と同じようなコミュニケーションができる
- 部署間でのコミュニケーションが活発になる
- 外出中の人間や外部パートナーとのやりとりが可能
- 情報の発信や共有が簡単になる
といったメリットもあります。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は『【必読】社内SNSは失敗する!?社内SNSの導入の失敗理由と失敗事例。失敗しない方法を解説』という記事のタイトルで
- 多くの経営者が抱えている社内SNSに関する2つの誤解
- 社内SNSの導入に失敗する8つのパターン
- 社内SNSの導入に失敗しないためのつ7の方法
などについて解説しました。
上記でも説明したように社内SNSは一長一短があり、導入の成功には時間がかかります。
そのため、社内SNSを導入をする際は、十分な検討をしてから、導入を決定することをおすすめします。