見込み客の75%が埋もれてる!?リードナーチャリングが重要視されている理由とA社の事例

SHARE

米国のリサーチ&コンサルティング会社であるSiriusDecisionsの調査によると、セミナーやイベント開催で獲得したリストのうちすぐにアプローチをかけて反応を示すのが全体の25%程度と言われています。
つまり、1000のリストを集めても購買意欲の高い見込み客がその内の250で、残りの750に関してはすぐにアプローチをかけても購買には至らないようです。
しかしSiriusDecisionsの調査では同時に、残りの75%の内80%は“2年以内に購買行動に移る”という結果が明示されています。
恐らくこの事実を知らない多くの企業が、1000の見込み客のうち600の見込み客を取りこぼしていたということになるでしょう。
このような調査結果から現在注目されているのが“リードナーチャリング”と呼ばれるマーケティング手法です。
ここではそんなリードナーチャリングが現代のBtoB企業に重要視されている理由を、コンサルティング会社であるA社の事例と共に紹介していきます。

1. リードナーチャリングとは

読んで字のごとく、リード(顧客)をナーチャリング(育成)することで、購買意欲の低い見込み客を成約へとつなげる導線作りを主とするマーケティング手法です。
主な施策としては、メールによるコンテンツ配信や適切なタイミングで営業がアプローチをかけることで購買意欲の低いコールドリードをホットリードへと育て上げます。
3つのセッションに分けてもう少し詳しく説明してみましょう。

1-1. セグメンテーション

リードナーチャリングは見込み客の属性をセグメンテーションするところから始まります。
たとえば、ちょっとした興味でセミナーに訪れたA社と、セミナー後にホームページから資料をダウンロードしたB社では購買意欲に温度差があります。
この2社の見込み客に同一のコンテンツを配信しても、片方が離脱するか最悪の場合2社とも離脱すると容易に想像できますね。
そこでまずは業界・業種などの「属性」と、見込み客の「購買意欲」の視点からセグメンテーションを実施。
そうすることで、A社にはA社に適したコンテンツを、そしてB社にはB社に適したコンテンツを配信する、いわゆる“One to Oneマーケティング”を展開することが出来ます。

1-2. シナリオ

購買意欲の低いコールドリードにどんな導線を引きホットリードへと誘導するか、リードナーチャリングの要とも言える部分です。
シナリオは、セグメンテーションで作成したグループごとに設定するのが効果的です。
さらにグループの中でも購買意欲の高い低いに応じたシナリオを設定出来るとなお良いでしょう。
そして大切なのは、いくつかのシナリオで試行錯誤を繰り返しながら“成約の取れるシナリオ”を生み出すことです。

1-3. スコアリング

見込み客に対し設定したシナリオを展開していると見込み客から何らかの反応を得ることが出来ます。
ホームページから資料がダウンロードされたり、直接商品に関する情報の問い合わせを受けたりと見込み客により程度は様々です。
そしてここで考える必要があるのが、“見込み客がどのような行動を取ったら営業がセールスをかけるか”というタイミングの問題です。
ホームページから資料をダウンロードしたら?
問い合わせがあったら?
実は、営業がセールスをかけるタイミングを見込み客の行動で判断するのは危険です。
仮にセールスのタイミングを「見込み客からの問い合わせがあったら」に設定した場合、ホームページから資料をダウンロードした見込み客に対してはセールスが展開されないことになります。
しかし、たとえ問い合わせをしていなくても成約に繋がるホットリードである可能性は捨て切れません。
これでは潜在的なホットリードを取りこぼしてしまう可能があるのです。
そこで、スコアリングを用いて顧客の購買意欲を数値化しましょう。
たとえばホームページの閲覧回数が10回以上なら5点、ホームページから資料がダウンロードされたら10点、問い合わせがあれば20点など、見込み客の行動に細かくスコアリングしえて総合点数で見込み客の購買意欲がどの段階にあるかを可視化します。
点数が高い順にセールスをかければ、成約につながるだけでなく効率的な営業活動が実現出来ますね。
このように、リードナーチャリングは3つのセッションから成り、購買意欲の低いコールドリードをホットリードへと育て上げ、最終的には成約につなげることが出来るのです。
そして営業からのフィードバッグを適宜行うことで、上記のサイクルを加速させることも可能となります。

2. リードナーチャリングが重要視される理由と事例

2-1. メール配信で効率的なアプローチが可能

リードナーチャリングの基本はメール配信にて見込み客を育てることです。
営業が毎週足を運ぶ必要もなく、またメールという手軽な媒体でアプローチをかけることが可能なのでコストも抑えることが出来ます。
あとはセグメンテーションとシナリオさえ完成していれば、リードナーチャリングを半自動化することも可能です。

2-1-1.コンサルティング会社Aの事例

A社は見込み客との接触回数を増やすため自社サイトに資料請求フォームを設けるものの、そこからアポイントにつながる見込み客はわずかでした。
「どうにかアポイントが取れなかった見込み客に対してもアプローチが出来ないか?」と考えた結果、“メール配信によるリードナーチャリング”を決行しました。
A社はあくまで営業担当が業務の合間に作成したメールであることを演出するため、よくある企業のメルマガ風ではなくあくまで営業担当の使用メール風に作成したりと、様々な工夫を凝らし半年間で計10回のメールを配信。
結果、3ヵ月間でアポイントにつながったのが5件、成約につながったのが1件、別件で問い合わせがったのが3件と確実な成果を上げました。
A社の勝因は、やはり適切なコンテンツをしつこくない適度の回数で配信したことでしょう。
このようにメール配信を活用することで見込み客を効率的に育て上げることが出来るのです。

2-2. その他の理由

上記以外にも、リードナーチャリングを行うことで以下のようなメリットがあります。

  • 長期化する見込み客の購買行動を短縮することで売り上げ増加
  • 見込み客だけでなく、既存客を育てるという思考のもとリードナーチャリングを展開することでロイヤリティの向上
  • リードナーチャリングにより営業部とマーケティング部の連携が強まり、効率的なセールスが可能

このように見込み客だけでなく既存客にも展開したり、二次的効果をもたらしてくれるのもリードナーチャリングが重要視されている理由なのです。

まとめ

「常に多くのリストを獲得するもどうも活かしきれていない」
「顧客の購買行動が長期化していて売り上げが下がっている」
「ホットリードの基準が不透明で効率的な営業活動が出来ていない」
もしも自社で上記のような問題を抱えているのであれば、是非リードナーチャリングを実践してみてください。
成約は自ら取りに行くという営業活動の本質はどんな時代になっても変わっていませんが、その手法は時代の流れで変化しています。
時には古い手法を捨て、新たな風を吹きこむことで切り開ける道もあるでしょう。
SiriusDecisions:https://www.siriusdecisions.com/
事例参考URL:http://webcas.azia.jp/email/knowhow/leadnurturing.html

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です