他人と同じことを続けていては時間のムダ
多くの競争者がいるなかで、他の人と同じ事をしていては勝てる勝負も勝てません。
残念なことに、このことに気付きながらも(それが無意識なのか)他社と同じ方法を使って収益をあげようとしている経営者が大半です。
時間ばかり無駄に費やし、その割には収益が思ったように上がらない「足踏み状態」が続き苦しんでいる方も多いのではないでしょうか。
基本的にビジネスは「人と同じことはしない」=差別化するが成功のポイントであることは誰もが理解するところだと思います。
「差別化」を検討するために見直す10の項目
現状を打破する方策を練るために、まず自らのビジネスを見直す必要があります。
以下の10の項目について、現状はどうなっているのか振り返ってみましょう。
➁ターゲットとしている市場はどこなのか?
➂その市場に対してどうアプローチしているのか?
➃その市場に対して、今行っているアプローチ方法以外にどう接触・参入する方法があるのか?
➄自分が今提供できる商品・サービスはどんなものか?
➅追加提供できるような商品・サービスはあるか?
➆実際に追加提供できるものはどれか?
➇外部委託を行うとしたら、どのように業者を見つけるか?
➈自社以外に同じ市場にアクセスしてくる可能性のあるのは誰か?
➉商品やサービスについて、限界純資産(最初にかけられるコスト)や生涯価値(平均的な顧客がどれだけの利益をもたらしくれるか)はどれくらいなのか?
自分の事業についてこの項目を元に見直しを行い、さらに自分が持っているスキルや営業戦力、使用出来る資産(機器、土地建物、未使用の熟練労働力など)を加えてリストアップしてみましょう。
ここで「既に効果が出ているもの」と「まだ効果が現れていないもの」を見極め、どこに力を注ぐか、どこを補強・拡大していくかを見極め、マーケティング戦略を構築していきます。
異業種の手法を応用してみる
新たなマーケティング戦略を構築するうえで、自分が関わっているものとは異なる業界で行われている手法を取り入れてみるというのがあります。
これは「差別化」を行ううえで、一番簡単にアプローチできる手法ともいえます。
具体的には、衣料品など生活用品を販売するメーカーが独自ブランドで製造から販売までを一環して行う手法を、農業などの第一次産業や外食産業などの第三次産業に適用する、といった事例があります。
従来の方式からすれば異端であり、成功からほど遠い結果となるリスクも合わせ持ちますが、それを加味した上でマーケティング調査を行っていくと、意外に効果的だった、ということが多々あります。
また、他の業界での調査と合わせて、同じ業界内であっても異なる戦略をとる事例を参考にしていくとより効果的ともいえます。
いずれにしても、これらの調査を通じその中に自身の事業に適合するような基準が見つけられるよう努力することが重要となります。
行き詰まった「差別化」の道を切り開く6つのポイントとは?
他業界や同業界での事例を参考にして戦略を構築しているが、イマイチ伸びやんでいる、「差別化」にはほど遠い、という場合もあるでしょう。
そこで、今行っている方法をあらためて見直し、最小の労力で最大の効果をあらわす6つのポイントをご紹介します。
その1 ミスを恐れるな!失敗は成功の母
ミスを恐れて新しい方策やアイデアの実施に二の足を踏んでいるような場合が多々あります。
ビジネスでは答えは一つではありません。どの方法が正しいかは、結局のところ試してみなければ判らないところがあります。
「失敗は成功の母」という格言にもあるように、いくつかの失敗経験から軌道修正していき、正しいと思われる道を勝ち取る以外に方法はありません。
その2 頻繁な情報収集を心がけよ
経営の方針をたてる場合に、迅速かつ頻繁に集まってくる情報があると非常に有効です。これなしで事業を行っている経営者が多く、本来であれば情報に基づき「軌道修正」を行いより良い方向へと事業を展開していける素地があるにもかかわらず、それを捨ててしまっている残念なケースがあります。
情報収集をシステム化し、頻繁・迅速に集めるようにしましょう。
その3 ビジネスを大きなシステムとして捉えよ
「木を見て森を見ず」という言葉があります。
枝葉ばかり気にして大きな視点で物事をみることをしないと、大事なことまで見落とすということです。ビジネスでも同じ事が言えます。
問題や課題は相互に関連しあい、さながら森のようにうっそうと生い茂った状態になっていることがほとんどです。
引いて全体を把握しながら、それぞれについて調査・数値化を行いつつ切り分けと検討を行い、最終的に大きなシステムとして捉えていくことが重要です。
その4 時間節約術で効率化すべし
メールのチェックや電話の対応など、利益につながらないことに時間を費やしてはいませんか?どの作業にどれだけの時間が費やされているか、改めて把握しましょう。
これらの利益につながらないようなことは他人に委任したり、何らかの方法で自動化する、ルールを決めて効率化する、等の「時間節約」をこころがけるようにします。
これで確保した時間を、もっと生産性や利益率の高い仕事に振り分けていきましょう。
その5 個人的ネットワークを構築しよう
今行っているビジネス上の問題は、必ず他でも起きているはずです。
既にそれを経験・克服している人と「個人的な」ネットワークを構築してみましょう。
それぞれが、その「答え」や、また必要とするスキルや資源、スタッフなどを持ち寄ればより効率的に問題を解決していくことができるでしょう。
その6 顧客の購買スピードをあげるプロセスを構築する
「選べるオプションを増やしたら逆にお客様の足が遠のいた」ということをよく聞きます。
選択肢が増えすぎると、それにより決定スピードが遅くなり、ひいては飲食店では回転スピードの低下につながり、その他の販売業では実際に購入まで至らなくなった、というのです。
あえて選択肢を少なくするなど、顧客が「迷う」ことなくスピーディーに購入決定を行えるようなプロセスを構築することが重要です。
いかがでしたでしょうか。
このように、自身を見つめ直して、これまで成長のスピードを鈍化させていた要因を改めることで、停滞を突破することが可能となります。一つ一つ確実に実行していき、ぜひ「差別化」を実現して頂きたいと思います。