
給与奉行クラウドは、株式会社オービックビジネスコンサルタントが提供する給与計算サービスです。料金表だけでなく、月次締め、賞与、年末調整、社会保険、明細配付、連携、権限、乗り換えまでを同じ条件で確認して導入可否を判断します。
結論

月次・年次給与、社会保険、年末調整を規模別構成で選べる一方、明細電子化等は別サービスの場合があり、構成と初期費用を確認点は契約前の確認が必要です。
料金体系

月額5,500円・年額66,000円(公式の料金体系ページの表示額)の20名向けから。構成別に初期費用あり。従業員数、担当者ライセンス、必要な周辺サービス、導入支援、契約期間を公式見積に含めます。
無料体験
30日間の無料お試しを公式案内。対象構成を申込時に確認。通常月と例外月の両方を再現し、単にログインできるかではなく計算結果が一致するかを確認します。
給与・賞与・年末調整
月次・年次機能の対象範囲は公式機能一覧と契約構成で確認します。給与確定、振込、明細、仕訳、届出の責任者と期限を決めます。
公式のスペックページでは、支給形態は月給・日給・時給・日給+時給、支給方法は振込のみ・現金のみ・振込+現金と示されています。給与項目は日数30項目、時間30項目、支給20項目(内訳10項目)、控除20項目(内訳10項目)で、超える場合は項目数拡張オプションで99項目まで広げられると注記されています。交通費は毎月・2か月・3か月・6か月・毎日の間隔で、一括または月割の支給方法を選べます。残業単価は自動算出と個人別の設定に対応し、有給休暇は付与日数の自動計算、採用日方式と基準日方式、時間単位の取得に対応と記載されています。自社の手当の数と支給形態がこの範囲に収まるかを、見積の前に数えておきます。
給与奉行クラウドの仕様サマリー
| 項目 | 確認内容 |
|---|---|
| 提供会社 | 株式会社オービックビジネスコンサルタント |
| 料金 | 月額5,500円・年額66,000円(公式の料金体系ページの表示額)の20名向けから。構成別に初期費用あり |
| 試用 | 30日間の無料お試しを公式案内。対象構成を申込時に確認 |
| 強み | 月次・年次給与、社会保険、年末調整を規模別構成で選べる |
| 制限 | 明細電子化等は別サービスの場合があり、構成と初期費用を確認 |
他の給与計算ソフトと比べた強み・弱み
- 強み:月次・年次給与、社会保険、年末調整を規模別構成で選べる
- 比較上の位置:制度対応と運用支援を重視し、規模拡張を見込む企業向け
- 弱み・確認事項:明細電子化等は別サービスの場合があり、構成と初期費用を確認
比較では、20名向けの月額5,500円・年額66,000円(公式の料金体系ページの表示額)という入口の金額だけでなく、規模別の構成(iE・iA・iB・iS)と構成ごとの初期費用を合わせて並べます。明細の電子化などが別サービスになる場合があるため、必要な機能を先に確定してください。
本番前の並行計算テスト
30日間の無料お試しの対象構成を申込時に確認したうえで、並行計算を組みます。規模別の構成が変わると使える機能も変わるため、本番で使う構成で検証することが前提になります。
給与奉行クラウドへ切り替える前に、次の6つの例外を旧システムの確定結果と突き合わせます。通常月には出てこないため、本番で使う構成のまま試用期間中に再現しておきます。
| 例外 | 給与奉行クラウドで確認すること | あわせて見る点 |
|---|---|---|
| 正社員とパートで締日が異なる | 締日ごとの処理を、本番で使う規模別構成のまま30日の試用で通す | 構成によって使える機能が変わるため、試用の構成をそろえる |
| 固定手当と変動手当が混在する | 固定分と勤怠連動分の入力元を分け、勤怠データ連携の粒度を確認 | 連携できる勤怠の範囲は構成によって変わる |
| 入退社が支給期間の途中に発生する | 日割りと社会保険の資格取得・喪失の処理を、届出まで通して確認 | 社会保険届まで同じ画面で扱えるかを見る |
| 遡及改定と差額支給がある | 過去月の再計算と、会計仕訳連携への反映を確認 | 仕訳を再出力したときの重複を防ぐ手順を決める |
| 賞与と社会保険届を同時に処理する | 賞与計算と賞与支払届を同じ月に走らせる | 年次の処理が集中する月の負荷を試用中に見ておく |
| 年末調整を従業員入力で集める | 従業員からの収集方法と、明細電子化が別サービスになるかを確認 | 電子化が別契約なら、その費用も総額へ入れる |
合格とするのは、機能が用意されていることではなく、担当者が締日までに同じ結果を出せることです。差額が出た場合は、設定値、対象期間、端数処理、連携元の順に切り分け、原因と修正者を記録します。
権限・個人情報・操作履歴の設計
権限は、計算担当・承認者・閲覧専用に加えて、社労士や税理士に渡す専門家ライセンスを別枠として設計します。誰にどの範囲を見せるかを、構成を決める段階で整理してください。
公式の料金体系ページでは、基本機能にマイナンバー管理、メニュー権限、社員権限、明細項目権限が含まれると案内されています。マイナンバーを同じ環境で扱う場合は、閲覧できる人と操作の記録の残り方を、権限の設計と一緒に決めます。退職者や異動した担当者の権限をいつ止めるかも、運用開始の前に手順化しておきます。
連携を確認する方法
連携は、勤怠データの取り込み、会計仕訳の出力、社会保険届の作成の3つを順に確認します。構成によって使える連携が変わるため、必要な連携から逆算して構成を選ぶほうが手戻りが少なくなります。
公式サイトには「奉行製品連携」と「API連携」の説明ページが別に用意されており、製品トップでは賃金のデジタル払い(給与デジタル払い)への対応も案内されています。なお公式サイト上の製品名は「給与奉行iクラウド」の表記になっているため、検索や資料請求のときは名称の違いで取り違えないようにします。連携の可否は一覧の記載ではなく、自社の項目名とデータ量で試して判断します。
解約・乗り換え前に持ち出すデータ
解約とデータ出力の条件は、構成と契約内容によって変わります。賃金台帳や源泉徴収票など保存期間が定められた帳票を、どの形式でいつまで出力できるかを申込前に確認してください。給与奉行クラウドの契約期間、更新日、解約通知期限、最終請求、閲覧期限、削除時期は申込書・規約・管理画面で確認し、公開ページにない条件を推測しません。
向いている企業・向いていない企業
| 向いている | 慎重に比較する |
|---|---|
| 制度対応と運用支援を重視し、規模拡張を見込む企業向け | 明細電子化等は別サービスの場合があり、構成と初期費用を確認ことを受け入れられない企業 |
| 並行計算と権限設計を実施できる | 初期設定を検証せず即日全面切替したい |
| 公式情報と契約書で総額を確認する | 表示された最小料金だけで決めたい |
導入可否の最終チェック
- 対象人数と雇用区分を確定する
- 支給控除と例外計算を一覧化する
- 公式見積へ全オプションを含める
- 旧システムと並行計算する
- 権限と承認を実機で試す
- 連携失敗と復旧を試す
- 契約・解約・出力条件を書面で残す
給与計算ソフトの関連ページ
製品詳細:freee人事労務/マネーフォワード クラウド給与/弥生給与 Next/ジョブカン給与計算/給与奉行クラウド
選定・導入・運用:給与計算ソフトの選び方|5社比較と要件定義チェックリスト/給与計算ソフトの導入・運用手順|移行テストと月次締め/給与計算ソフトの移行・解約・トラブル対策|データを失わない手順
公式情報
株式会社オービックビジネスコンサルタント公式製品ページ(2026年9月2日確認)
給与奉行クラウドの構成別確認
公式の料金体系ページに掲載されている構成別の金額を、同じ表に並べます(2026年9月11日確認)。初期費用は初年度のみの金額です。
| 基本システム構成 | 月額 | 年額 | 初期費用(初年度のみ) | 従業員数 |
|---|---|---|---|---|
| iEシステム | 5,500円 | 66,000円 | 0円 | 20名まで |
| iAシステム | 9,000円 | 108,000円 | 50,000円 | 50名まで |
| iBシステム | 17,000円 | 204,000円 | 60,000円 | 100名まで |
| iSシステム | 23,000円 | 276,000円 | 70,000円 | 300名まで |
| iSシステム+社員数拡張(700名追加) | 93,000円 | 1,116,000円 | 70,000円 | 1,000名まで |
出典:給与奉行クラウド 料金体系/スペック・動作環境(いずれも2026年9月11日確認)
20名向けiEシステム
公式の料金体系ページでは、iEシステムの基本機能が月額5,500円(年額66,000円)、初期費用は初年度のみ0円、対象は従業員数20名までと案内されています。ライセンス構成は利用者1・専門家1で、基本機能として給与規程管理、社員管理、給与賞与、管理帳票、銀行振込、住民税納付、社会保険、年末調整、マイナンバー管理、メニュー・社員・明細項目の各権限、帳票パターン、プログラム自動更新、サポートサービス(リモート共有・電話・Web)が挙げられています。
50名向けiAシステム
iAシステムは月額9,000円(年額108,000円)、初期費用は初年度のみ50,000円、対象は従業員数50名までと案内されています。主な機能は「iEの全機能」と記載されており、機能差ではなく対象人数と初期費用の差として比較します。20名を超える見込みがある場合は、増員のたびに構成を上げるのか、最初から上位で契約するのかを12か月総額で比べます。
100名向けiBシステム
iBシステムは月額17,000円(年額204,000円)、初期費用は初年度のみ60,000円、対象は従業員数100名までです。機能は「iEの全機能」と案内されています。なお公式のスペック表では、社員の登録件数もiE〜iSの各構成に応じた上限が示されているため、在籍者だけでなく登録したままにしている社員データの件数も合わせて確認します。
300名向けiSシステム
iSシステムは月額23,000円(年額276,000円)、初期費用は初年度のみ70,000円、対象は従業員数300名までです。300名を超える場合は拡張パックで社員数を追加でき、公式ページには「iSシステム 基本機能+社員数拡張(700名追加)」として月額93,000円(年額1,116,000円)、初期費用70,000円、従業員数1,000名までの区分も示されています。従業員数に退職者は含まれないと注記されています。
初期費用と年額
契約は法人単位の年間契約と案内されています。初期費用は初年度のみで、iEが0円、iAが50,000円、iBが60,000円、iS(および社員数拡張)が70,000円です。税の表示については、料金体系ページで「(税抜)」と明記されているのは士業・BPO向けの初期費用の注記だけで、基本利用料の税の扱いは公開ページから確認できませんでした。見積書で確認してください。
30日無料お試し
公式サイトには「30日間無料で試してみる」の申込み導線が用意されています。試用の対象になる構成は申込みのときに確認します。試用期間中は、通常の月だけでなく、途中入社・退職・欠勤・遡及改定・賞与・年末調整のように処理が分かれる月を旧環境と並べて計算し、差額が出た理由を1人ずつ説明できる状態にしてから採否を決めます。
給与明細電子化
公式ページでは、ペーパーレス化できる書類として給与明細書、賞与明細書、源泉徴収票、特別徴収税額通知書、資格取得時標準報酬決定通知書、標準報酬改定通知書、保険料改定通知書、年次有給休暇付与通知書、年末調整通知書、還付金明細書などが挙げられています。自社が紙で配っている書類がこの一覧に含まれるか、含まれない書類をどう扱うかを先に確認します。
勤怠データ連携
公式ページでは、奉行クラウドの中で人事労務データが一元管理されるため領域ごとの連携作業がなくなると案内され、別途「奉行製品連携」「API連携」のページが用意されています。他社の勤怠システムを使い続ける場合は、受け入れる項目の対応表を作り、締め後の再集計、未承認者、再取込による二重計上まで実データで試します。
会計仕訳連携
月次業務の説明には仕訳伝票の作成が含まれ、奉行製品との連携ページが別に用意されています。会計側の科目、部門、税区分、摘要の対応は自社の設定に依存するため、確定後に訂正した仕訳を再送したときに二重計上にならないかまでを、テストの合格条件に入れます。
社会保険届
公式ページには、電子申請できる届出書として賞与支払届、算定基礎届、月額変更届、育児休業終了時月額変更届、産前産後休業終了時月額変更届、健康保険・厚生年金保険の資格取得届と資格喪失届、労働保険申告書、雇用保険の資格取得届・資格喪失届・離職証明書などが挙げられています。自社で頻度の高い届出が含まれるかを確認し、含まれない手続きの担当を決めます。
年末調整
スペックページでは、年末調整として給与年調、賞与年調、単独年調に対応と記載されています。所得税は甲欄(月額表・機械計算の特例による計算に対応)、乙欄、報酬、非居住者に対応と示されています。自社に非居住者や乙欄の対象者がいる場合は、試用の段階でその人を含めて計算し、源泉徴収票の出力まで通します。
権限と専門家ライセンス
各構成の標準のライセンス構成は利用者1・専門家1で、2ライセンス以上も用意されていると案内されています。権限はメニュー権限、社員権限、明細項目権限に分かれています。給与実務、承認、情報システム、社労士・税理士の4者が同じ画面をどこまで見るのかを決め、必要なライセンス数を見積へ含めます。
データセンターとBCP
製品トップには、第三者機関の認証(ISMAP・SOC)を取得しているとの記載があります。データの保持については、スペックページに保持年数7年(現在処理年を除く過去7年、超える場合は拡張パックで追加可)、処理回数は給与12か月+予備月3か月分、賞与12回と示されています。自社の保存規程がこれを超える場合は、拡張の要否を契約前に確認します。
導入支援
公式のサポートページでは、導入指導サービスとして3タイプが案内され、動画を見ながら自分で初期設定を行う方法は無料と説明されています。担当者が1人しかいない、決算や年末調整と重なるといった事情がある場合は、有償の支援を含めた費用と日程を、他社の見積と同じ土俵に載せて比べます。
解約・データ出力
解約の通知期限、最終請求、返金、解約後のデータの閲覧・出力・削除の条件は、公開されている料金・機能ページからは確認できませんでした。推測で埋めず、OBCの公式窓口と申込書・規約で確認します。契約前に、賃金台帳、明細、源泉徴収票、社員マスター、支給控除の履歴、仕訳を実際に出力し、別の環境で開けることまで試しておきます。

