「クレジット機能ありの法人ガソリンカードとクレジット機能なしの法人ガソリンカードのどちらを利用したら良いのかわからない!」
「クレジット機能ありの法人ガソリンカードとクレジット機能なしの法人ガソリンカードのどちらを利用するか比較してから決めたい!」
[/voice]法人ガソリンカードは大きく分けるとクレジット機能ありのものとクレジット機能なしのものに分かれます。どちらを利用しようか悩んでいる方も多いのではありませんか?
ガソリンスタンドの決済で利用できるカードということは同じなのですが、カードの機能性などに大きな違いがあります。何も考えずに選んでしまうと使い勝手の悪さを感じてしまうかもしれません。
こちらではクレジット機能ありの法人ガソリンカードとクレジット機能なしの法人ガソリンカードを
- ガソリン割引
- 保有コスト
- 対応スタンド
- 使い勝手
- リスク
の5つのテーマで比較していきます。
どちらのタイプのカードを利用しようか悩んでいた方は必見です。
そもそもクレジット機能なしの法人ガソリンカードとは?
クレジット機能なしの法人カードには2つの種類があります。
- ETC協同組合が発行するガソリンカード
- クレジットカード会社が発行するハウスカード
こちらではETC協同組合が発行するガソリンカードをクレジット機能なしの法人ガソリンカードとして解説していきます。
ハウスカードに関してもハウスカードのみを発行すればクレジット機能なしで利用することは可能ですが、ほとんどの方は法人カード(法人クレジットカード)を発行した上でハウスカードを追加発行します。
よってハウスカードは厳密にはクレジット機能なしの法人ガソリンカードとは言えないのでこちらでは除外しますね。
ガソリン割引はどっちがお得?
少しでもガソリン価格を安く済ませたい、と考えている方には「クレジット機能あり」の法人ガソリンカードがおすすめ」です。
クレジット機能ありの法人ガソリンカードであれば、割引優待が設定されているSSを利用すると割引が適用されます。一方で厳密にはクレジット機能なしの法人ガソリンカードには割引優待がありません。
それではもう少し詳しくそれぞれのカードのガソリン割引について確認してみましょう。
クレジット機能ありの法人ガソリンカードのガソリン割引内容とは?
各カードによって割引内容は異なるので、こちらではエッソ・モービル・ゼネラルの割引優待が用意されている「シナジーJCB法人カード 一般カード」についてお伝えします。
割引価格は前月のカード利用金額に応じて決まり、最大で1リットルあたり7円引きの設定となります。
SS利用額を含む月間ショッピング利用額 |
翌月の給油値引き |
1万円未満 |
1円引き/1リットルあたり |
1万円以上2万円未満 |
2円引き/1リットルあたり |
2万円以上5万円未満 |
3円引き/1リットルあたり |
5万円以上7万円未満 |
5円引き/1リットルあたり |
7万円以上 |
7円引き/1リットルあたり |
シナジーJCB法人カード 一般カードであれば、最低でも1リットルあたり1円引きで給油できます。しかもガソリンだけではなく軽油についても同様の割引となります。
ただし月間300リットルまでの対応となっているので注意してくださいね。300リットルを超えた給油については、割引が適用されず店頭価格での給油となってしまいます。
クレジット機能なしの法人ガソリンカードのガソリン割引の内容とは?
クレジット機能なしの法人ガソリンカードにおけるガソリン割引については簡単に解説できません。そもそもクレジット機能なしのカードは「全国統一価格」で給油することになります。
よって
- ガソリン価格が高いスタンドで給油すれば実質割引
- ガソリン価格が低いスタンドで給油すれば実質割高
ということに。
全国統一価格はガソリン価格の全国平均値を参考にして算出されます。全国統一価格での給油がお得になるとは限りません。
たとえば全国均一価格が130円だとして、132円のガソリンスタンドで給油していたら、1リットルあたり実質2円引きとなりますよね。一方で128円のガソリンスタンドで給油していたら1リットルあたり2円増しとなってしまうことに。
クレジット機能なしの法人ガソリンカードであれば、いくらで給油しても結果として同じ価格になるので価格でスタンド選びをする必要はありません。しかし割引にならないこともあるので、クレジット機能ありのカードに比べると割引では劣る、とさせてもらいました。
保有コストはどっちがお得?
- 少ない枚数の発行を考えている方・・・クレジット機能ありのカードがおすすめ
- 多数の発行を考えている方・・・クレジット機能なしのカードがおすすめ
発行枚数によってコストのどちらがお得になるかが変わってくるので注意が必要です。
注目をしてほしいのがクレジット機能ありの場合は子カード(従業員カード)の年会費です。クレジット機能なしの場合は出資金です。
それではもう少し詳しく保有コストについて個別に解説していきましょう。
クレジット機能ありのカードの保有コストの内容とは?
- 親カード年会費
- 子カード年会費
クレジット機能ありの法人ガソリンカードを保有し利用し続けるためには、親カードの年会費と子カードの年会費を支払っていかなければなりません。利用の有無に関係なくかかってくるものなので「固定費」といった見方もできますよね。
親カードは1社あたり1枚のみの発行ですが、子カードに関しては何枚も発行するケースもあるでしょう。クレジット機能ありの法人ガソリンカードを保有し続けるためには、子カード年会費が大きな負担になる可能性もあるのです。
こちらではコスモ石油のサービスステーションの利用がお得になるコスモコーポレート JCBカード 一般法人カードを例にあげて解説します。
コスモコーポレート JCBカード 一般法人カードの親カード年会費は税込1,375円であり、子カード年会費も1,375円です。
親カードのみの保有であれば年間保有コストは1,375ですが、プラスして子カードを10枚発行すれば15,125円かかることに(1,375円×11枚)。
子カードの発行枚数が多ければほど保有コストは高まってしまいます。一方で発行枚数が少なければ少ないほど保有コストはかかりません。
クレジット機能なしのカードの保有コストの内容とは?
- 出資金
クレジット機能のないETC協同組合が発行するガソリンカードの場合は、年会費が一切かかりません。何枚発行しようと年会費は0円です。
一方で出資金を支払わなければなりません。出資金は1社あたり1万円が必要であり、退会をするときに返却してもらえます。
返却してもらえるのでコストとは言えないかもしれませんが、とりあえず入会時には1万円が必要になる、と覚えておきましょう。
出資金の額はカードの発行枚数に関係なく1万円なので、発行枚数が多くなればなるほどお得、ということに。
対応スタンドはどっちのほうが多いのか?
どっちもどっち、といった状況になっています。
どちらのカードであったとしても、優待利用できるサービスステーションは特定のものだけになっています。複数のブランドのサービスステーションで優待利用できるカードはありません。
ただしクレジット機能ありの法人ガソリンカードは種類も豊富であり、様々なブランドのサービスステーションに対応しているものがあります。
クレジット機能なしのETC協同組合が発行するガソリンカードの場合は対応スタンドが限られているので若干劣る、といった見方もできますよ。
それではもう少し詳しく対応スタンドについて個別に確認してみましょう。
クレジット機能ありの法人ガソリンカードの対応スタンドとは?
- シェルビジネスカード・・・昭和シェルのSSで優待利用が可能
- シナジーJCB法人カード・・・エッソ・モービル・ゼネラルのSSで優待利用が可能
- コスモコーポレートJCBカード・・・コスモ石油のSSで優待利用が可能
法人ガソリンカードごとに優待利用ができるSSが決まっています。
ですから自分がよく利用するSSの優待利用ができるカードを選びましょう。
クレジット機能ありのメリットとして注目してほしいのが、あくまで優待利用できるスタンドが固定されているだけ、という部分。クレジット機能があるので優待利用を気にしなければ、どのスタンドでも国際ブランドの加盟店であれば利用できます。
シェルビジネスカードでもエッソ・モービル・ゼネラルのSSやコスモ石油のSSで給油にカードを利用できますよ。
クレジット機能なしの法人ガソリンカードの対応スタンドとは?
- クレジット機能なしのETC協同組合発行のカード・・・ENEOSまたは出光のスタンドでのみ利用できる
注意してほしいのはENEOSと出光の両方のSSが利用できるわけではない、というところ。どちらかを選択してカードを作成しなければなりません。
さらにクレジット機能がないので、他のスタンドでは利用できないのです。
優待利用の対応スタンドについてはクレジット機能の有無で比較しても大きなは差はありません。しかし優待利用に関係ない利用に関しては、圧倒的にクレジット機能ありのほうが優位です。
使い勝手はどっちが良い?
使い勝手では、クレジット機能ありの法人ガソリンカードのほうが圧倒的に有利です。クレジットカードなので、SSだけではなく加盟店であればどこでも利用できます。会社の経費を一括管理するのにも役立ってくれますよ。
クレジット機能なしの法人ガソリンカードに関しては、利用できる場所が特定のSSに限られています。決済対象が限定されてしまっているので、使い勝手は良いとは言えません。
こちらではもう少し詳しくそれぞれのタイプにおける使い勝手について解説します。
クレジット機能ありの法人ガソリンカードの使い勝手とは?
クレジット機能ありの法人ガソリンカードは、クレジットカード会社が発行しているものであり国際ブランドが付帯しています。
その国際ブランドの加盟店であればSSであろうとコンビニであろうとスーパーであろうとホームセンターでも利用できるわけ。もちろん飲食店を接待で利用した時の決済にも利用できます。
ただし有名なクレジット機能ありの法人ガソリンカードの国際ブランドはすべてJCBとなっています。
- シナジーJCB法人カード・・・JCBブランド
- コスモコーポレート JCBカード・・・JCBブランド
- シェルビジネスカード・・・JCBブランド
国内利用であればJCBブランドについては使い勝手が良いので安心してください。加盟店数が多く、基本的にクレジットカード決済ができる店舗のほとんどで利用できますよ。
ただし海外で利用する場合には少し問題が発生するかもしれません。ディスカバーなどのブランドとも一部提携しているのでいくつかの地域では使い勝手は問題ありませんが、海外では基本的に加盟店が少なめです。
クレジット機能なしの法人ガソリンカードの使い勝手とは?
ETC共同組合が発行する法人ガソリンカードは、国際ブランドが付帯していません。クレジットカードのようにオフィスの水道光熱費の支払いや接待などの支払いなど、様々な決済に活用できないのです。
ETC共同組合が発行する法人ガソリンカードは、ENEOSと出光のSSでのみ利用できます。ENEOSと出光の両方のSSで利用できるのではなく、いずれか片方だけなので注意してくださいね。
さらにENEOSと出光でのすべての決済に利用できるわけではありません。ガソリンや軽油といった給油の取引のみに利用できるので、エンジンオイルやタイヤの交換などの費用の決済には利用できません。
使い勝手については、圧倒的にクレジット機能ありの法人ガソリンカードに劣るのです。
見返り(ポイントまたはキャッシュバック)はどっちが良い?
利用した見返りはクレジット機能ありの法人カードにしかありません。
クレジット機能なしの法人ガソリンカードをいくら利用してもポイントやキャッシュバックはされません。クレジット機能ありの法人カードのみに付帯している特典です。
それではもう少し詳しくカード利用の見返りについて個別に解説します。
クレジット機能ありの法人ガソリンカードの見返りとは?
カードによって異なっていますが、基本的にはポイントやキャッシュバックの対象となります。法人カードを利用すると0.5%などのポイントが獲得できますよね。SSで利用してもそのポイントが獲得できるのです。
見返りについてはカードごとに異なっているので、個別に確認してみましょう。
コスモコーポレート JCBカード 一般法人カードのポイント還元率
ポイント還元率は0.49%になります。
ポイントを何に交換するかでもポイント還元率は異なりますが、JCBギフトカードに交換した場合には還元率は0.49%になりますよ。
たとえば月々コスモ石油で50,000円の給油を行ったとします。ポイント還元率は0.49%なので245円分のポイントを獲得することに。年間にするとコスモ石油のSS利用分だけで2,940円のポイントを獲得することになるのです。
ちなみにコスモコーポレート JCBカード 一般法人カードについてはクレジット機能がない「ハウスカード」の発行もできます。
ハウスカードだけの発行をするとポイントは獲得できませんが、コスモコーポレート JCBカード 一般法人カードを発行した上でハウスカードを発行するとハウスカード利用分もポイント対象となりますよ。
シェルビジネスカード 一般カードのキャッシュバック率
キャッシュバック率は最大で3.0%にもなります。
実はシェルビジネスカード 一般カードのキャッシュバック率は複雑です。
すべてのカード利用がキャッシュバック対象になるわけではありません。交通費と出張旅費に限定されているので注意してくださいね。ガソリン代は交通費に入るので、もちろんキャッシュバック対象です。
通常のキャッシュバック率は1.5%であり、昭和シェル石油SS利用額に関してはキャッシュバックの計算をするときに金額が2倍になります。例えば月に10万円利用したとすると、20万円利用したとして計算することに。よって最大還元率が3.0%となるのです。
キャッシュバック金額は月額最大で1万5,000円であり、年間最大で18万円と限度がありますが、大きな見返りが期待できるカードです。
クレジット機能なしの法人ガソリンカードの見返りとは?
いくら使ってもポイントもキャッシュバックもありません。
クレジット機能なしの法人ETCカードのようなETCマイレージなどのプログラムもないのです。
リスク(社員による不正利用)はどっちが低い?
不正利用される確率は圧倒的にクレジット機能なしの法人ガソリンカードのほうが低いです。
そもそもクレジット機能なしの法人ガソリンカードは、特定のSSの給油にしか利用できませんよね。コンビニでも利用できませんし、ディスカウントストアでも利用不可です。
クレジット機能ありの法人ガソリンカードは、加盟店であればどこでも利用可能。実際に不正利用されるケースが多いので注意してくださいね。
ちなみにクレジット機能ありの法人ガソリンカードの中にはハウスカードが発行できるものもあるので、少しでもリスクを引き下げたいのであればハウスカードを社員にもたせましょう。
まとめ
各テーマでクレジット機能ありとクレジット機能なしの法人ガソリンカードを比較してきました。あなたはどちらのカードのほうが向いていると感じたでしょうか?
<クレジット機能ありの法人ガソリンカードが向いている方>
- 少しでも安くガソリンを給油したい方
- 発行枚数が少なく済みそうな方
- SS以外の利用もできるカードが欲しい方
- ポイントやキャッシュバックなどの見返りを期待した方
- 会社の経費を一括管理したい方
- リスクへの対応ができる方
<クレジット機能なしの法人ガソリンカードが向いている方>
- 発行枚数が多くなりそうな方
- 給油だけができれば良い方
- リスクへの対応が難しい方
基本的にはクレジット機能ありの法人ガソリンカードがおすすめです。ガソリン割引が受けられるので、給油がお得になるからです。クレジット機能なしのタイプは全国統一価格なので、給油価格がお得になるかは利用してみなければわかりませんよ。
クレジット機能ありの法人ガソリンカードの問題点としてはリスクがあります。様々な店舗での利用ができるので、社員に不正利用されてしまうかもしれません。そんなときは追加カードとしてハウスカードを発行すればよいのです。
ハウスカードは特定のSSしか利用できません。それでいて親カードにポイントが貯まるなど、クレジット機能ありの法人ガソリンカードのメリットはそのままです。