なぜ、今、スマホ決済なのか
そんな中、今事業者の中で話題になっているのがスマホ決済です。
スマホ決済とは、スマートフォンやタブレット端末を使ってクレジットカード決済ができるサービスを指します。
何といっても従来のクレジットカード決済と比べて決済手数料や導入費用が大幅に抑えられるのが最大の特徴であり、メリットであるといえます
また、決済端末は小さくてポータブルです。クレジットカード会社による審査こそありますが、申込みから審査結果が出るまでの期間が短いため、これまで躊躇していた小規模な事業者でもクレジットカード決済を気軽に導入することができます。
しかし、調べれば調べるほど、決済サービスを提供している会社は多種多様です。
そのため、お店に導入するならどの決済サービスがいいのか、一概にどれがいいとはとても言えません。
そこで、今回は、クレジットカード払いに対応しているモバイル決済(スマホ決済)サービスを、各社サービス毎に比べてみました。
全てのスマホ決済サービスの紹介ではないですが、以下のスマホ決済サービス会社です。今後導入される方は参考にしてみてください。
信頼できるスマホ決済サービス会社9選(事業者向け)
スマホ決済サービスは多くの会社が参入していますが、今回は信頼できる以下の9社を紹介します。
- 楽天ペイ
- Amazon Pay
- Pay ID
- LINE Pay
- Origami
- PAYMO biz
- pixiv PAY
- d払い
- Smash Pay
1. 楽天ペイ
楽天が運営する「楽天ペイ」のアプリ決済は
- 店舗側で金額を入力してからQRコード作成し、お客様に読み取ってもらう方法
- 店舗のQRコードを読み取った後、お客様自身で金額を入力する方法
の2通りが用意されています。
しっかりとした加盟店審査があるので、他社の決済サービスと異なり、個人間の決済に気軽に利用できませんが、ローソンの他に、楽天ペイの端末を利用している多くの小売店で利用可能です(アプリ上から近くの利用可能なお店を検索できます。また、楽天ペイのお客様向けのアプリでは周辺の楽天ペイ加盟店を検索する機能もあります。)。
手数料に関してですが、店舗が支払う決済手数料は3.24%です。楽天ペイで支払うと、購入者にはクレジットカードなどのポイントとは別に、0.5%の楽天スーパーポイントが付与されるため、ポイント目的で利用するユーザーも多く、顧客からの人気も非常に高い決済サービスです。
運営会社 | 楽天株式会社 |
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ポイント還元率 | 200円につき1楽天スーパーポイント(楽天カードを登録していれば100円で1ポイント) |
1回当たりの限度額 | 通常1会計20,000円まで(レギュラーランクは4,000円まで)。 ※ローソンの場合は1会計4,000円。ポイント利用の支払いも20,000ポイントまで、レギュラーランクの場合は4,000ポイントまで。 |
ひと月あたりの決済額の上限 | – |
利用可能カード(支払い) | VISA/Mastercard®/
※JCB/American Express/Dinersなど各種カードは2019年春までに対応予定だそうです |
手数料 | 請求者:決済手数料3.24% |
2. Amazon Pay
Amazon PayはAmazonが2018年8月29日からサービスを開始した実店舗型のQRコード決済サービスです。
AmazonのアプリからQRコードを表示して、NIPPON PAYが店舗に提供する専用端末で読み取ることで決済が可能になります。店舗はNIPPON PAYから専用端末NIPPON Tabletを無料でレンタルできます。
ECのAmazonは20代30代の若年層(特に男性)のユーザーが多い傾向にあるため、若いユーザーと取引があり、アマゾンを使用する事業者にはおすすめの決済です。
また、Amazon PayはVISA、Mastercard®、American Express、JCBのすべてにQRコード決済が対応しています。
運営会社 | 株式会社Amazon |
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ポイント還元率 | なし |
1回当たりの限度額 | 今のところ、上限なし |
ひと月あたりの決済額の上限 | – |
利用可能カード(支払い) | VISA/Mastercard®/American Express/JCB |
手数料 | 通常の決済手数料3.5%
※しかし、2018年12月末までに申し込めば2020年末までの2年間は手数料0 |
3. Pay ID
Pay ID(ペイ・アイディー)は株式会社BASEが提供しているサービスです。
BASEは他にも無料でオンラインストアを開設できるをサービスを提供しているため、その決済手段の方法の一環としてPay IDをリリースしています。
Pay IDは「プロダクト単位」と「店舗単位」でQRコードの発行が可能です。
プロダクト単位では価格とタイトル(商品名など)を入力すれば、QRコードを作成することができます。お客様にそのQRコードを読み取ってもらうと支払いが完了する仕組みです。
店舗単位の場合は、まず店舗のQRコードを読み込み、次に金額を入力することで支払いが完了します。
店舗に課せられるPay ID経由の手数料は1.5%~3.0%になります。
また、利用できるカードブランドはVisaとMasterで、JCBには対応していません。
運営会社 | BASE株式会社 |
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1回当たりの限度額 | 3万5000円 |
最小決済額 | 50円 |
ひと月あたりの決済額の上限 | 10万円 |
利用可能カード(支払い) | VISA/Mastercard® |
手数料 |
|
4. LINE Pay
LINE Payの提供会社は、今となっては誰もが知っているコミュニケーションアプリ「LINE」を提供しているLINE社です。
LINE Payの加盟店にはローソンやメガネスーパーなどの大手チェーンが名を連ね、LINEの圧倒的なプラットフォームを活用できることから、今後、使用ユーザーの増加が見込まれます。
加盟店の手数料に関してですが、LINE Pay導入から2年間については月間決済額100万円まで0%です。それを超えると物販では3.45%、デジタルコンテンツでは5.5%の手数料が発生します。
LINE Payの場合はユーザーがカメラでバーコード、QRコードを読み込むのではなく、レジでこちらが表示したバーコード、QRコードを読み取ってもらうタイプのもので、今のところ大手事業者も導入していますが、現在、小規模事業者にも導入が進んでいます。
運営会社 | LINE株式会社 |
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ポイント還元率 | ランク(マイカラー)に応じて3.5-5%
(2018年8月から2019年8月までの1年間、その後は0−2%) |
1回当たりの限度額 | 3万円 |
ひと月あたりの決済額の上限 | – |
利用可能カード(支払い) | LINE Payに登録したクレジットカードからの支払いは不可(LINE Pay残高から支払い) |
手数料 | LINE Pay導入から2年間については月間決済額100万円まで0%
それを超えると物販では3.45% デジタルコンテンツでは5.5% |
5. Origami
株式会社Origamiが提供するOrigami Payは、いち早く国内で日本人向けのQRコード決済サービスを開始しています。
他のQRコード決済サービスと同様、アプリにクレジットカードを紐づけられるため、銀行口座の登録も可能です。
またOrigami Payは中国人向け決済サービス「支付宝(アリペイ)」にも対応しているため、日本人だけでなく中国人観光客のニーズを満たすことができます。そのため、インバウンド事業者にはおすすめの決済サービスです。
お客様向けにはOrigami Payで支払うことで代金が割り引かれたり、毎週金曜日はプレミアムフライデー特別キャンペーンで10%OFFになる特典などがあるため、Origami Payを導入することを集客目的として考えている事業者が増えてきています。
店舗に課せられる決済手数料に関してですが、店舗の決済手数料は3.25%になり、支払いに関しては店舗が提示するQRコードを読み取って行います。
運営会社 | 株式会社Origami |
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ポイント還元率 | なし(各種割引あり) |
1回当たりの限度額 | 1回あたり100万円(税込)未満。 |
ひと月あたりの決済額の上限 | – |
利用可能カード(支払い) | VISA/Mastercard® |
手数料 | 請求者:決済手数料3.25% |
WEB上で自分の商品を販売したい場合、決済方法に困ることがありますよね。銀行振込だと手間がかかるし、もっと手軽に決済したい…。
そんな事業者には『paymo biz』が非常におすすめです。
paymo bizの1つ目の特徴は、
- クレジット決済
- コンビニ決済
- QRコード決済
のすべてに対応ということです。
また、店舗側の手数料はスタンダードプランとライトプランで異なります。
- スタンダードプラン 2.95%固定
- ライトプラン 月に5万円までは無料。5万円を超えると5%。
ライトプランを選択している方は月額5万円まで決済手数料が無料になります。
そのため、月の売上が5万円を超えない場合はこちらのプランをおすすめします。
最後にQRコードに関してですが、paymo bizはPay IDと同様にお店が<商品単位>と<店舗単位>でQRコードを発行可能です。
PAYMO bizから商品登録をすれば、その場で簡単に商品単位のQRコードを発行できます。
運営会社 | AnyPay株式会社 |
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1回当たりの限度額 | 3万円 |
最小決済額 | 50円 |
ひと月あたりの決済額の上限 | 10万円 |
利用可能カード(支払い) | VISA/Mastercard® |
手数料 | スタンダードプランだと一律2.95%(事業者向け)。月に5万円までは無料で、5万円を超えると5%になるライトプランもあり(小額決済向け)。事業者アカウントの月刊売上が5,000万/月以降は2.8%。 |
7. pixiv PAY
PixivPayは、Pixivが開発した「同人誌即売会」用の決済アプリになります。
サークル側と、購入者側が同アプリを使うことで、現金を使わずにスマートフォンやタブレットなどの端末同士だけで決済が可能になります。
主にコミケなどでサークルとお客さん間で使われることを想定しているであろうサービスで、コミケ前にサービスが発表され、話題になりました。
販売するタブから商品の登録をして、販売を開始すればすぐにQRコードでの会計が可能になっているため、事業者にとっては非常に便利なサービスです。
PixivPayは、Pay IDやPAYMOのようにお店単位でのQRコードは発行されませんが、商品単位でシンプルにやり取りが出来ます。
かなり簡単に決済が導入できるので、コミケでの決済手段に悩んでいる方は一度導入してみてほしいサービスです。
運営会社 | ピクシブ株式会社 |
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1回当たりの限度額 | 3万円 |
最小決済額 | 100円 |
ひと月あたりの決済額の上限 | – |
利用可能カード(支払い) | VISA/Mastercard® |
手数料 | 2018年12月末まで無料(通常、請求者:決済手数料3.6%+10円) |
8. d払い
d払いはNTT Docomoが提供するQRコード(バーコード)決済サービスです。
2018年4月から提供開始でスマホ決済においては後発のサービスとなります。
また、バーコード/QRコードは決済ごとに発行されるので、アプリの利用には通信環境が必要になるため、事業者にとっては注意が必要です。
一般ユーザーにとって、d払いでは、クレジットカードを持っていない人でもスマホだけで支払いができることができるため、現在、サービスの導入数が急激に増えています。
そのため、今後お客様からd払いでの支払いの要望が増えることが予想されます。
運営会社 | NTT docomo |
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ポイント還元率 | 基本的に200円で1dポイント |
1回当たりの限度額 | 1回の支払いに使えるdポイント数は99,999ポイント、docomo口座残高は49,999円まで。 |
ひと月あたりの決済額の上限 | – |
利用可能カード(支払い) | dカード/VISA/Mastercard® |
手数料 | 調査中 |
9. Smash Pay
株式会社ラッセルが提供するSma-sh Pay(スマッシュペイ)は、クレジットカードに紐づけられた支払いではなく、あくまでもプリペイド型の電子マネーとしての位置づけになります。
Sma-sh PayのQRコード決済サービスは主にコミックマーケット(コミケ)で使われることを目的としています。
Sma-sh Payの店舗に課せられる決済手数料は現在、3.8%に設定されています。
運営会社 | 株式会社ラッセル |
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1回当たりの限度額 | 確認できず |
最小決済額 | 確認できず |
チャージ方法 | クレジットカード(本人認証サービスに登録済みのセゾンカード、VISA、Mastercard®、JCB)のみ
コンビニ/ネットバンキング/ATM/ポイント交換(永久不滅ポイント) |
手数料 | 請求者:決済手数料3.8%(期間限定) |
まとめ
スマホ決済サービス9社の比較はいかがでしたか?
このように、決済サービスを比較すると、どこのサービスも魅力に見えてくると思いますが、経営者の中には日本は現金の信頼性が高い点も中国と異なるため、爆発的に普及するためにはまだまだ時間がかかるのではないかと考えている方も多いのではないでしょうか。
しかし、世界的に見るとキャッシュレス化は急ピッチで進んでおり、日本がキャッシュレス化の道を歩むことは必然だと言えます。
なぜかというと、2020年に開催される東京オリンピックでは多くの外国人観光客が訪れると予想され、外国人観光客による経済効果を高めるためです。
こうした社会の変化の波に乗り遅れないためにも、店舗やサイトなどを運営している事業者や経営者は今後、スマホ決済のニュースのトレンドをおさえることが賢明と言えそうです。
また、何と言ってもスマホ決済には事業者にとって
- 集客につながる
- 導入が非常に簡単で手軽である
- 事業者側(店舗側)の手数料がクレジットカードと比較すると安い
- 入金が非常に早い
- 電話でのサポートセンターがある
- 会計ミスが防げ、データ集計が容易になる
- 他の店との差別化できる
- レジ前の混雑を解消できる
といったメリットがあります。
しかし、デメリットもあるのは事実です。
そのため、ぜひ、自社に合ったスマホ決済サービスを選び、お客様が買い物をしやすい環境をつくり、今後の事業の成長のためにスマホ決済を導入してみてはいかがでしょうか。