AI議事録ツール5サービス比較|課金の単位・公開価格・AI学習の扱いを公式情報で検証【2026年】

AI議事録ツール5サービス比較の記事のアイキャッチ。料金・課金の単位・AI学習という副見出しと、人・時・枠・席・量と書かれた5本の棒グラフが並んでいる

AI議事録ツールを並べて見ると、各社が示す金額の桁がまるで揃いません。月1,650円のものと月135,000円のものが同じ「AI議事録」の棚に並んでいます。これは高い安いの差ではなく、何を数えて課金しているかが会社ごとに違うからです。アカウント数で数える会社、録音した時間で数える会社、AIを使った量で数える会社、同時に接続する席数で数える会社に分かれ、同じ社内の会議でも合計額の出方が反転します。この記事は、公式の料金ページと公式ヘルプで条件を取り直し、課金の単位から5サービスを並べ直したものです。

先に結論

  1. 課金の単位は大きく5通りに分かれます。アカウント数(Notta)、アカウント数+AIクレジット(Rimo)、記録した時間(toruno)、AIクレジットのみで人数は無制限(Otolio)、最大同時接続ライセンス(ScribeAssist)です。
  2. 金額を公開しているのはNotta・Rimo・torunoの3社です。OtolioとScribeAssistは金額を公開していません。Otolioは「ヒアリングのうえご提案」、ScribeAssistは「オープン価格」と公式に書かれています。
  3. 使う人数が多く1人あたりの会議時間が短い組織ほど、人数で課金しないtorunoとOtolioが効きます。逆に少人数で長時間録る使い方なら、時間課金のtorunoは不利になります。
  4. 「AI学習に使われない」と明記されている範囲はサービスごとに違います。Nottaの場合、個人向け料金ページではエンタープライズ、法人向けページではビジネス Plus 以上に「AI学習なし」が付いており、見るページで前提が変わります。
  5. インターネットに出せない会議があるなら、選択肢は実質ScribeAssistだけです。インストールしたPC内で完結すると明記しているのはこの1本でした。
  6. 税込表記と税抜表記が混在します。Nottaの個人向けページは税込、法人向けページは税抜、torunoは税抜、Rimoは税込です。並べるときは必ず片方へ寄せてから比べてください。

このクラスターの読み進め方

この比較に入れた5サービスと、外した3サービス

掲載の条件は3つだけです。日本語の会議を文字起こしできること、2026年10月27日時点で日本の法人が申し込めること、そして料金か課金の仕組みのどちらかを提供元が公式サイトに書いていることです。広告の有無で順序は変えていません。並べ方は課金の単位がわかりやすい順にしています。

この条件で、Notta、Rimo、toruno、Otolio、ScribeAssistの5本が残りました。一方で、候補に挙げながら外したものが3本あります。外した理由は「評価が低いから」ではなく、現時点の条件を一次情報で確認できなかったからです。

表1 比較から外したサービスと、その理由(2026年10月27日に確認)
サービス 確認した状態 外した理由
AI GIJIROKU 公式ドメイン(gijiroku.ai)が HTTP 451 を返す。Cloudflareが「日本政府からの違法コンテンツの通知に応じて日本国内からのアクセスを制限した」と表示する。 公式の料金ページを開けず、現行の金額・提供状況を確認できない。
YOMEL 公式ドメイン(yomel.ai)の名前解決ができない。 同上。公式情報にたどり着けない。
COTOHA Meeting Assist 従来のサービスページURLが404。提供元の表記が「NTTドコモビジネス(旧:NTTコミュニケーションズ)」に変わっている。 現行のサービスページを特定できず、条件を確認できない。

このうちAI GIJIROKUとYOMELは、他社の比較記事では今も現役として紹介されていることがあります。記事を読むときは、公式サイトが今その条件を掲げているかを一度自分で開いて確かめてください。この記事で挙げた金額も、同じ理由で確認日を全部に添えています。

課金の単位が5通りに分かれる

比較のいちばん上に置くべきなのは金額ではなく、課金の単位です。ここが違うと、同じ会議の量でも請求額の増え方が別物になります。5サービスの公式情報から単位だけを抜き出すと次のようになりました。

表2 5サービスの課金の単位と、料金が増える条件(各社公式サイト・公式ヘルプ/2026年10月27日確認)
サービス 提供会社 課金の単位 料金が増える条件 金額の公開
Notta Notta アカウント数 アカウントを増やす。ビジネスは文字起こし時間が無制限なので、時間では増えない。 公開(個人向けは税込、法人向けは税抜)
Rimo Rimo合同会社 アカウント数+AIクレジット アカウントを増やす。AI議事録やAIチャットを使うとクレジットを消費し、原則1会議で10クレジット。 公開(税込)
toruno 株式会社リコー 記録した時間 プランに含まれる時間を超えて記録する。登録ユーザー数は5プランとも1,000人で、人数では増えない。 公開(税抜)
Otolio エピックベース株式会社 AIクレジット(人数は無制限) 契約した月々のAIクレジットを使い切り、追加購入する。利用者が増えても料金は上がらない。 非公開(ヒアリングのうえ提案)
ScribeAssist 株式会社アドバンスト・メディア 最大同時接続ライセンス数 同時に使う席数を増やす。音声認識時間の従量課金や「○○時間まで」の上限はないと明記。 非公開(オープン価格)

表の右端を見ると、5本のうち2本は金額そのものが出ていません。これは不誠実という意味ではなく、見積もりが前提の売り方をしているということです。金額が出ている3本と、出ていない2本では、検討にかかる時間も変わります。前者は申し込みページでその日に試算でき、後者は問い合わせから商談を挟みます。急いでいるかどうかで、最初に当たる相手が決まります。

Nottaの料金プランページの公式画面。フリー・プレミアム・ビジネス・エンタープライズの4プランが並び、表示価格は全て税込価格ですと書かれている
Notta「料金プラン」の公式画面。4プランとアドオンが並び、冒頭に「表示価格は全て税込価格です」と明記されている(2026年10月27日に表示)。

公開されている金額を税込に揃えて並べる

金額を出している3社を、税込に揃えて並べます。torunoは税抜表記なので、10%で換算した参考値を括弧に添えました。換算は筆者の計算で、公式の表記ではありません。

表3 金額を公開している3サービスの月額(公式表記と、税込に揃えた参考値/2026年10月27日確認)
サービス・プラン 公式の表記 税込に揃えた参考値 含まれる量
Notta フリー 0円(税込表記) 0円 文字起こし120分/月、1回3分まで、AI要約10回/月
Notta プレミアム 1,980円/月(税込) 1,980円 1,800分/月、1回5時間まで、AI要約100回/月、1アカウントのみ
Notta ビジネス 4,180円/月(税込) 4,180円 文字起こし時間は無制限、AI要約200回/月(1アカウントあたり)
Rimo 文字起こしプラン 1,650円/月(税込) 1,650円 AI要約・自動録画・AIチャットは対象外
Rimo プロプラン 4,950円/月(税込) 4,950円 AI機能ひととおり、AIクレジット1,000
Rimo チームプラン 6,600円/月(税込・アカウント単位) 6,600円 1〜5IDで全体1,000クレジット、6ID以降は1IDごとに200クレジット追加
toruno ビジネス 月30時間 9,000円/月(税抜) 9,900円 月30時間、超過は300円/時(税抜)、保存容量75GB
toruno ビジネス 月100時間 28,500円/月(税抜) 31,350円 月100時間、超過は285円/時(税抜)、保存容量250GB
toruno ビジネス AI要約 月30時間 27,000円/月(税抜) 29,700円 月30時間、超過は900円/時(税抜)、AI要約と多言語文字起こしが使える

この表だけを見るとtorunoが高く見えますが、単位が違うので直接は比べられません。torunoの9,000円には最大1,000人分のアカウントが含まれています。NottaのビジネスやRimoのチームプランは1アカウントあたりの金額なので、10人で使えば10倍になります。人数が10人を超えたあたりから、時間課金のほうが安く出る場面が増えます。

「1人あたりいくら」で比べられるのは、人数で課金するサービスどうしだけです。torunoとOtolioは人数で増えないので、同じ軸に乗りません。比べるなら「自社が1か月に録る合計時間」と「使う人数」の2つを先に決めて、それぞれのサービスの式に代入してください。

逆に言うと、この2つの数字が出ていないうちは、どの比較表を読んでも結論は出ません。先月のWeb会議の件数と平均時間を出すところから始めたほうが早く終わります。

Notta|アカウントで数える。個人向けページと法人向けページで前提が違う

Notta

提供会社:Notta|課金の単位:アカウント数|金額:公開

他サービスと比べた強み

  • 無料で月120分まで試せる。5本のなかで唯一、クレジットカード登録なしで恒常的に使える無料枠がある。
  • ビジネス以上は文字起こし時間が無制限で、長時間の会議を録っても時間超過の請求が出ない。
  • 翻訳が月額のアドオンとして独立しており、必要な部署だけに付けられる。

他サービスと比べた弱み

  • 1アカウントあたりの課金なので、全社に配ると人数に比例して増える。
  • フリーは1回3分まで、プレミアムでも1回5時間までと、1回の長さに上限がある。
  • 「AI学習なし」が付く位置が、個人向け料金ページ(エンタープライズ)と法人向けページ(ビジネス Plus 以上)で食い違って見える。

注意したいのは最後の点です。公式サイトには料金を示すページが2つあり、個人向けの料金プランページは税込表示で4プラン、法人向けのページは税抜表示で3プランという構成になっています。同じ「ビジネス」という名前でも、前者は税込4,180円/月(年払いなら税込2,508円/月相当)、後者は税抜2,280円/月・年27,360円という書き方です。金額としては整合しますが、プランに付く機能の線は同じではありません。

Nottaの法人向けページの公式画面。ビジネス・ビジネス Plus・エンタープライズの3プランが税抜価格で並び、ビジネス Plus の欄にAI学習なしと書かれている
Notta「法人向け」の公式画面。税抜表記でビジネス/ビジネス Plus/エンタープライズの3プランが並び、「AI学習なし」はビジネス Plus 以上に付いている(2026年10月27日に表示)。

どちらが正しいかはここでは断定できません。わかるのは、社内の稟議に「AI学習なし」と書くなら、どのページのどのプランを指しているかまで添える必要があるということです。プラン名だけで書くと、契約したあとに前提が食い違います。各プランの上限と機能の線引きはNottaの料金と条件に分けて整理しました。

Rimo|アカウント数とAIクレジットの二階建て。名称が変わっている

Rimo(旧 Rimo Voice)

提供会社:Rimo合同会社|課金の単位:アカウント数+AIクレジット|金額:公開

他サービスと比べた強み

  • 文字起こしだけでよければ月1,650円のプランがあり、5本のなかで最も低い入口になっている。
  • ISO/IEC 27001と27017を取得し、認証登録番号と認証範囲まで公式ヘルプに書いている。
  • 「文字起こしの結果が全く使い物にならなかった場合」に返金すると公式に明記している。
  • サービス継続が不可能になった場合に最低1か月のデータ持ち出し期間を用意すると書いている。

他サービスと比べた弱み

  • 法人プランは11アカウントからで、10人以下の組織は個人向けプランの積み上げになる。
  • IPアドレス制限やSSOは法人プランの有償追加オプションで、標準では付かない。
  • 請求書払いは法人プランのみ。それ以外はクレジットカード払いのみ。
  • 公式の料金プランページに文字起こし時間の上限が書かれておらず、量の見積もりがしにくい。

Rimoは2026年9月30日に「Rimo Voice」から「Rimo」へ名称が変わりました。公式ヘルプの一部には旧名が残っており、検索でも旧名の記事が多く出ます。社内資料に書くときは、どちらの名前で書かれた情報が何年のものかを見てください。課金の二階建ても独特で、アカウント数で基本料金が決まり、AI議事録やAIチャットを使うとクレジットを消費します。原則1会議で10クレジット、プロプランは月1,000クレジットなので、おおむね月100会議ぶんという計算になります。

Rimoの公式ヘルプのセキュリティ対策についての画面。ISO/IEC 27001の認証登録番号IS 744423とISO/IEC 27017の認証登録番号CLOUD 768920が記載されている
Rimo公式ヘルプ「セキュリティ対策について」の画面。日本国内のデータセンターでの暗号化保管と、2つの認証の登録番号・認証範囲まで書かれている(2026年10月27日に表示)。

toruno|記録した時間で決まり、人数では増えない

toruno(トルノ)

提供会社:株式会社リコー|課金の単位:記録した時間|金額:公開

他サービスと比べた強み

  • 5プランとも登録ユーザー数の上限が1,000人で、アカウントを配っても料金が増えない。
  • 初期費用0円で、年間契約ではなく月額料金制だと公式に書いている。
  • 画面キャプチャを会議ログに一緒に残せる。資料を映しながらの会議で、どの画面の話かが後から追える。
  • AI要約に使っているAIサービス名(Amazon Bedrock)と、学習データとして利用されないことを公式ヘルプで明示している。

他サービスと比べた弱み

  • 含まれる時間を超えると時間単価が乗る。AI要約プランは超過900円/時(税抜)と高い。
  • AI要約・多言語文字起こし・リアルタイム翻訳・kintone連携は、上位の「AI要約」2プランでしか使えない。
  • 保存容量を超えると新規の記録ができなくなり、不要な記録を削除する運用が要る。
  • 問い合わせ窓口はWebフォームとメールのみで、電話サポートはないと公式に書いている。

torunoの料金表は公式サイトに画像として置かれており、テキストでは読み取れません。実際に開いて読むと、「toruno ビジネス」が月30時間9,000円・月100時間28,500円・月500時間135,000円、「toruno ビジネス AI要約」が月30時間27,000円・月100時間85,500円(いずれも税抜)という構成でした。AI要約が付くだけで3倍になるのは、生成AIの利用費が基本料金に含まれているためです。

torunoのプロダクトページの公式画面。AI要約・リアルタイム翻訳18言語対応・会議の共同編集の3機能が並んでいる
toruno「プロダクト」の公式画面。AI要約、18言語対応のリアルタイム翻訳、会議の共同編集が注目機能として並ぶ(2026年10月27日に表示)。

人数で増えないという性質は、全社導入を考えるときに大きく効きます。50人が月30分ずつ使えば合計25時間なので、月30時間プランの枠に収まります。同じ使い方をアカウント課金のサービスで組むと、50アカウントぶんの費用になります。薄く広く使う組織ほどtorunoが有利で、濃く狭く使う組織ほど不利という、わかりやすい形をしています。

Otolio|人数無制限。金額は公開していない

Otolio(旧 スマート書記)

提供会社:エピックベース株式会社|課金の単位:AIクレジット(人数は無制限)|金額:非公開

他サービスと比べた強み

  • 人数課金ではないため、希望者全員にアカウントを配っても料金が変わらないと明記している。
  • プランを追加しないと使えない機能は、SAML認証とIPアドレス制限などのセキュリティ関連だけだと公式FAQに書いている。
  • 14日間のトライアルが機能制限なし。トライアル後に自動で契約・課金されることは一切ないと明記している。
  • 契約時に月次で使う量を決めるため、想定外の費用は発生しないとしている。

他サービスと比べた弱み

  • 金額が公開されていないため、問い合わせないと概算も出せない。
  • 生成AI利用ガイドラインに「日本国外ではご利用いただけません」と明記があり、海外拠点を含む運用には向かない。
  • 生成AI機能は議事録などのドキュメント作成が目的で、目的外の利用が確認された場合は機能提供を停止する場合があるとしている。
  • トライアルの対象が「法人または団体として商用の契約を検討いただけるお客様」に限られている。

サービス名は「スマート書記」から「Otolio(オトリオ)」へ変わっており、公式サイトの上部に告知が出たままです。旧名で検索して出てくる比較記事の料金は、この改称より前のものである可能性があります。料金ページには金額の代わりに考え方が書かれていて、初期費用とAIクレジットの2つで構成されること、AIクレジットは使った分だけ消費される月々の利用枠であることが示されています。

Otolioの特徴・機能ページの公式画面。特許取得の独自技術によるAI精度で会議業務を最大90%削減などのFEATURE 01から07が並んでいる
Otolio「特徴・機能」の公式画面。FEATURE 01に「特許取得の独自アルゴリズムにより、AIに学習させることなく精度が向上」と書かれている(2026年10月27日に表示)。

ScribeAssist|インターネットに出さずに完結する

ScribeAssist

提供会社:株式会社アドバンスト・メディア|課金の単位:最大同時接続ライセンス数|金額:非公開

他サービスと比べた強み

  • インストールしたPC内で動くスタンドアローン型で、インターネット接続なしでも使えると明記している。
  • 音声認識時間の従量課金や「○○時間まで」の上限がなく、ライセンス数に応じた定額制。
  • 導入初期費用がゼロ。月額費用にサポート・バージョンアップ費用も含むとしている。
  • 要約をローカルLLMで完結させる「スタンドアローン要約」を用意している。

他サービスと比べた弱み

  • オープン価格で金額が公開されておらず、問い合わせが前提になる。
  • PCにインストールして使う形なので、ブラウザだけで完結する他4本と運用の感覚が違う。
  • 同時接続の席数で決まるため、同じ時間帯に会議が重なる組織ではライセンスを増やすことになる。
  • 一部の要約機能の利用にはインターネット接続が必要と注記されている。

この1本だけが毛色の違う製品です。クラウドに音声を送らずに済むという一点で、他の4本と並べる意味があります。公式サイトには民間企業・団体2,100件、地方自治体990件という導入実績が掲げられています(同社の議事録作成支援サービス全体の実績という注記つき)。なお、torunoが使っている音声認識エンジンの提供会社も同じアドバンスト・メディアです。認識の中身という点では、torunoとScribeAssistは近い場所に立っています。

使い方で分けるとどれが向くか

ここまでの条件を、よくある4つの使い方に当てはめます。金額が非公開の2本は、金額ではなく仕組みの向き不向きで書いています。

表4 使い方別の向き不向き(各社の公式条件から筆者が整理)
使い方 効きやすい 効きにくい 理由
1人〜数人で試したい Notta/Rimo toruno/Otolio/ScribeAssist 無料枠や月1,650円の入口があり、申し込みページだけで始められる。残る3本は見積もりか最低9,000円から。
全社に配って薄く使う toruno/Otolio Notta/Rimo 人数で課金しない設計。torunoは5プランとも1,000人まで、Otolioは人数無制限と明記。
少人数で長時間を録る Notta ビジネス/Rimo toruno Nottaのビジネスは文字起こし時間が無制限。torunoは超過が時間単価で乗る。
外に出せない会議がある ScribeAssist クラウド型の4本 インストールしたPC内で完結すると明記しているのはScribeAssistだけ。

「外に出せない会議がある」という条件は、他の3つと性質が違います。金額をいくら比べても覆らない条件なので、これに当たる会議が1つでもあるなら、そこから先に決めるほうが早いです。該当しないなら、残りの4本を人数と時間の2軸で比べれば足ります。

AI学習・保管場所・解約時に残るもの

金額の次に効くのがここです。各社が公式に書いている範囲だけを並べました。書いていないことは「公式ページに記載なし」と書いています。

表5 AI学習・データの保管・解約時の扱い(各社公式サイト・公式ヘルプ/2026年10月27日確認)
サービス AI学習に使われないと書かれている範囲 保管場所・認証 解約・退会時
Notta 個人向け料金ページではエンタープライズ、法人向けページではビジネス Plus 以上に「AI学習なし」 バックアップデータを国内のデータセンターで保存。ISO 27001/SOC 2/HIPAA/GDPR/APPI/CCPAを掲示 公式の料金・セキュリティページに記載なし
Rimo 公式セキュリティページに学習利用の可否の記載なし 日本国内のデータセンターで暗号化保管。ISO/IEC 27001(IS 744423)とISO/IEC 27017(CLOUD 768920) ノートを削除すると音声・文字起こしはサーバーから完全に削除。課金明細に必要なメタデータは残る
toruno AI要約はAmazon Bedrockを利用し学習データとして利用されない。音声認識も2024年3月14日以降は保存されない SSL/TLSで送信しサーバー上で暗号化保管。ローデータへのアクセスは管理者承認と2要素認証が必要 会員登録情報と会議ログを削除。バックアップ・決済関連データ・操作ログなどは削除対象外
Otolio 利用規約に「情報の利用には、機械学習は含まれません。ただし、契約者の同意を得た場合には用いることができる」 AES256等で暗号化。ISO 27001を2020年4月13日に取得。1〜1.5年ごとに第三者の脆弱性診断 契約に進まない場合、トライアル中に保存された録音・議事録などのデータは削除
ScribeAssist クラウドにデータを保存・送信しない。クラウド要約でも音声データ・要約結果はクラウド上に保存されない インストールしたPC内。インターネット接続なしでも動作 公式のサービスページに記載なし

この表で目を引くのは、「AI学習に使われない」とはっきり書いている3本が、書き方のレベルまで違うことです。torunoは利用しているAIサービス名まで出し、Otolioは利用規約の条文として書き、ScribeAssistはそもそも送らないという設計で答えています。Rimoはセキュリティページで学習利用について触れていませんでした。確認したい場合は問い合わせが必要です。この3つの違いを運用でどう詰めるかはAI議事録を機密会議で使う前の確認点にまとめました。

導入前に自社で決めておく3つの数字

比較表を何枚見ても決まらないのは、自社側の数字が出ていないからです。次の3つを先に出すと、候補はたいてい2本まで絞れます。

先に出しておく数字

1

1か月に録る合計時間

先月のWeb会議の件数と平均時間を掛ける。30時間を超えるかどうかで、時間課金のtorunoのプランが変わる。

2

アカウントを配る人数

10人を境に、アカウント課金と人数無制限型の有利不利が入れ替わりやすい。Rimoの法人プランは11アカウントから。

3

外に出せない会議の有無

1件でもあるなら、クラウド型の4本はその会議には使えない。ここは金額では動かない。

5サービスの課金の単位(表2)から、先に確定させるべき入力値を整理した。

この3つが出たら、あとは各サービスの式に入れるだけです。金額が非公開の2本は、この3つを持って問い合わせると見積もりが早く返ってきます。逆に3つが出ていない状態で商談に入ると、相手の提案を評価する基準がないまま進むことになります。

よくある質問

AI議事録ツールで作った議事録は、そのまま会社の正式な議事録にできますか。

取締役会の議事録は、会社法第369条第3項により、書面で作成したときは出席した取締役及び監査役が署名または記名押印しなければなりません。電磁的記録で作成した場合は、会社法施行規則第225条が定める電子署名が必要です。文字起こしの結果をそのまま保存しただけでは、この要件を満たしません。詳しくは議事録の保存義務と保存期間で条文ごとに整理しています。

無料で使い続けられるのはどれですか。

恒常的な無料枠を公式に用意しているのはNottaのフリープランです。月120分、1回3分まで、AI要約10回/月で、クレジットカードの登録は不要と書かれています。Rimoはプロ・チームプランの初回に1週間の無料トライアル、Otolioは14日間、torunoは3週間のトライアルがあります。期間の後に何が消えるかは無料トライアルと解約時のデータにまとめました。

請求書払いはできますか。

torunoは5プランとも支払い方法が請求書です。Rimoは法人プランのみ請求書で、文字起こし・プロ・チームの各プランはクレジットカード払いのみと公式ヘルプに書かれています。Nottaは料金ページに「請求書払いでお申し込み」の導線があり、法人向けページのビジネスとビジネス Plus にも請求書払いのボタンが置かれています。

Web会議ツールに付いている文字起こし機能では足りませんか。

対面の会議や、相手が主催するWeb会議を記録できるかで差が出ます。torunoは公式サイトで、会議室の会議や招待されたWeb会議を記録できる点、ICレコーダーで録った音声ファイルを文字起こしできる点をWeb会議ソフトとの違いとして挙げています。自社主催のオンライン会議しか記録しないのであれば、既存のWeb会議ツールの機能で足りる場合もあります。プラン別の録画条件はZoom Workplaceの料金と条件などで確認できます。

海外メンバーが入る会議の翻訳はどれが強いですか。

3社で扱いが分かれます。Nottaは翻訳を月額のアドオンとして売っており、1か国語リアルタイム翻訳が月1,430円、2か国語文字起こし・翻訳が月2,200円(いずれも月払い・税込)で、プレミアムとビジネスには1アカウントあたり月100回・200回という回数の上限が付きます。torunoはリアルタイム翻訳を18言語対応としていますが、使えるのは上位の「AI要約」2プランだけです。Rimoは2026年10月8日の公式ニュースで、60言語対応の双方向リアルタイム翻訳機能を追加料金なしで提供すると発表しています。翻訳の必要な部署が一部なら、部署単位で足せるNottaの形が扱いやすくなります。

この比較の作り方と、書いていないこと

金額・プラン・条件は、すべて提供元の公式サイトと公式ヘルプを2026年10月27日に開いて取りました。公式の料金表が画像で提供されているtorunoについては、公式ページのその箇所を画面キャプチャして読み取っています。第三者の比較サイトやプレスリリースの数値は使っていません。

書いていないこともはっきりさせておきます。文字起こしの精度は比較していません。精度は音声の録り方、話者の重なり、専門用語の多さで大きく動き、同じ条件を5本で揃えて測れないためです。各社が自社サイトに掲げる精度の数字も、測定条件が公開されていないものが多く、横に並べる意味がありません。利用者の口コミや満足度も載せていません。本人確認できない評価を事実として扱わない方針だからです。

料金は改定されます。この記事の数字は確認日時点のもので、申し込み前には必ず公式ページで同じ項目を見直してください。とくに金額を公開していないOtolioとScribeAssistは、記事の情報だけで判断できる範囲が狭いので、早めに問い合わせに進むほうが確実です。

出典

  • Notta 料金プラン — フリー・プレミアム・ビジネス・エンタープライズの金額と上限、表示価格が全て税込であること、アドオンの金額と回数制限、エンタープライズの「AI学習なし」(2026年10月27日確認)
  • Notta 法人向け — 税抜表記のビジネス27,360円/年・ビジネス Plus 64,800円/年・エンタープライズ要相談、ビジネス Plus 以上の「AI学習なし」、請求書払いの導線(2026年10月27日確認)
  • Notta 安心のセキュリティ体制 — 国内データセンターでのバックアップ保存、通信と保存の暗号化、掲示している認証・準拠(2026年10月27日確認)
  • Rimo 料金プラン — 月払いと年払いの金額、チームプランのアカウント単位、法人プランが11アカウントからであること、機能比較表(2026年10月27日確認)
  • Rimo公式ヘルプ プランと利用料金 — 年払いが33%OFFであること、支払方法、プロ・チームの初回1週間無料トライアル、AIクレジットの付与数と1会議10クレジットの消費(2026年10月27日確認)
  • Rimo公式ヘルプ セキュリティ対策について — 日本国内のデータセンターでの暗号化保管、ISO/IEC 27001とISO/IEC 27017の認証登録番号と認証範囲、IP制限が法人プランの有償追加オプションであること、サービス継続不可能時の最低1か月のデータ持ち出し期間(2026年10月27日確認)
  • Rimo 公式ニュース 60言語対応の双方向リアルタイム翻訳機能をリリース — 追加料金なしで提供すると発表した日付と内容(2026年10月8日付/2026年10月27日確認)
  • Rimo 公式ニュース 「Rimo Voice」を「Rimo」へ名称変更 — 名称変更の時期(2026年9月30日付/2026年10月27日確認)
  • toruno プランと料金 — 初期費用0円・月額料金制、5プランの月額基本料金と含まれる時間・従量料金単価・保存容量・登録ユーザー数1,000人・支払い方法が請求書であること、超過の計算例(2026年10月27日確認)
  • toruno公式ヘルプ AI要約で利用しているAIサービス — Amazon Bedrockを利用し学習データとして利用されないこと(2026年10月27日確認)
  • toruno公式ヘルプ 解約・退会した場合のデータ — 削除するものと削除対象外のもの、音声認識サーバーの変更が2024年3月14日であること、音声認識エンジンの提供会社がアドバンスト・メディアであること(2026年10月27日確認)
  • Otolio 料金 — 初期費用+AIクレジットの料金体系、人数課金ではないこと、金額を公開せずヒアリングのうえ提案すること、オプションがセキュリティ関連のみであること、14日間の無料トライアルと自動課金がないこと(2026年10月27日確認)
  • Otolio 特徴・機能 — 特許取得の独自アルゴリズムによりAIに学習させることなく精度が向上すること、FEATURE 01〜07の内容(2026年10月27日確認)
  • Otolio 生成AI利用ガイドライン — 日本国外では利用できないこと、生成AI機能の目的外利用時に機能提供を停止する場合があること(2025年12月1日改定/2026年10月27日確認)
  • ScribeAssist(アドバンスト・メディア) — スタンドアローン型でインターネット接続なしでも利用できること、クラウドにデータを保存・送信しないこと、オープン価格・導入初期費用ゼロ・最大同時接続数に応じたライセンス定額制であること、導入実績の件数と注記(2026年10月27日確認)
  • e-Gov法令検索 会社法 — 第369条第3項・第4項の議事録への署名・記名押印と、電磁的記録の場合にとるべき措置
  • e-Gov法令検索 会社法施行規則 — 第225条が定める電子署名の要件

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