現在、中小企業経営者、零細企業経営者の中には会計ソフトを導入してみようかどうか悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
しかし、会計ソフトは世の中にたくさんあり、どのサービス、ソフトも価格帯はバラバラで、且つ提供しているサービス、機能もそれぞれ異なります。
そんな会計ソフトの中でも今、人気を集めているのが「freee(フリー)」。
そのため、今回は『【検証】会計ソフト「freee(フリー)」の評判は?メリットデメリットと注意点』という記事で、会計ソフト「freee(フリー)」の評判、メリット、デメリット、注意点などを紹介し、解説します。
会計ソフト「freee(フリー)」とは?
クラウド会計ソフトfreee(フリー)は、クラウド会計ソフトシェア No.1 サービスで、個人事業主・中小企業のための会計ソフトになります。
freee(フリー)では銀行口座やクレジットカードの明細を自動で取り込み、記帳を自動化することができます。
そのため、freee(フリー)は簿記の知識がなくても簡単にご利用いただけます。
また、freee では、他の会社のプロダクトとの連携を通して、よりスモールビジネスの方のバックオフィス業務が最適化できる機能を提供することができます。
例えば、
- クラウド会計ソフトfreeeの取引データの照合・登録
- クラウド会計ソフトfreeeに登録されている口座データの照合
- クラウド会計ソフトfreeeの取引先データの照合・登録
これらの作業を他の会社のプロダクトと連携して実行できます。
最後に以下がクラウド会計ソフトfreeeを提供する会社の会社概要になります。
会社名 | freee 株式会社(登記名:フリー株式会社) |
代表者 | 代表取締役 佐々木大輔 |
設立 | 2012年 7月 9日 |
資本金 | 17億5620万円(資本準備金含む) |
所在地 | 東京都品川区西五反田1-18-9 五反田NTビル7F |
会計ソフト「freee(フリー)」の料金体系
法人向けの場合、ミニマムプランとベーシックプランが存在します。
ミニマムプラン
ミニマムプランは年額プランで26,136 円 / 年になり、一ヶ月あたり1,980円の料金で利用できます。
「ミニマムプラン」は、会計経理業務(入出金管理・債権債務管理・決算報告書作成)に対応できるプランです。
金融機関との口座同期機能「自動で経理」や、証憑保存機能「ファイルボックス」など、会計freeeのコア機能を利用できます。
以下がミニマムプランの基本項目になります。
月額プラン
2,518円 / 月
従業員追加
ミニマムプランは付属する3ID以上の追加ができません
経理業務
- 口座同期・自動で経理
- 月3,000件までの取引登録
- ファイルボックス ( 証憑保存 )
- 請求書・見積書・納品書の作成
各種帳票・分析
- 会社法に準拠した決算書
- 損益レポート
- 売掛レポート
- 買掛レポート
- 現預金レポート
- 資金繰りレポート
- 月次推移(貸借対照表 / 損益計算書)
- 試算表
- 仕訳帳・仕訳エクスポート
- 総勘定元帳
決算
- 在庫棚卸
- 支払調書
- 消費税区分別表
- 消費税集計表
- 消費税申告
- 達人シリーズ連携用データの作成(消費税 / 法人税 / 勘定科目内訳明細書)
- 月締めの仮締め
ユーザー権限設定・ワークフロー
- メンバー招待は計 3 名まで
- メンバー権限管理
- 税理士招待
- コメント
- 仕訳承認
お客様サポート
- メール(フォーム)サポート
- チャットサポート
- 導入コンサル (まるごと導入サポート)はオンライン
ベーシックプラン
ベーシックプランの年額プランは52,536 円 / 年になり、一ヶ月あたり3,980円の料金で利用できます。
「ベーシックプラン」は、経理業務全般を効率化し、リアルタイムでお金の流れを見える化を目指す、会計freeeのスタンダードなプランになります。
「ミニマム」の全機能に加え、経営判断に必要なレポート類・総合振込連携・経費精算・電子帳簿保存機能を利用することができます。
以下がベーシックプランの基本項目になります。
月額プラン
5,258円 / 月
従業員追加
- 年額プラン:3,600円 / 1名
- 月額プラン:360円 / 1名
経理業務
- 口座同期・自動で経理
- 月10,000件までの取引登録数
- ファイルボックス ( 証憑保存 )
- 経費精算機能
- 経費精算の承認機能
- 請求書・見積書・納品書の作成
- 定期請求・合算請求
- 請求書の一括メール・一括郵送
- 請求書の一括PDFダウンロード
- 電子帳簿保存機能
- 総合振込ファイル出力
- 振込依頼の インターネットバンキング送信
- 部門階層・配賦計算
各種帳票・分析
- 会社法に準拠した決算書
- 収益レポート
- 費用レポート
- 損益レポート
- 売掛レポート
- 買掛レポート
- 現預金レポート
- 資金繰りレポート
- 集計表
- 月次推移(貸借対照表 / 損益計算書)
- 日次残高推移
- 試算表
- 仕訳帳・仕訳エクスポート
- 総勘定元帳
決算
- 在庫棚卸
- 支払調書
- 消費税区分別表
- 消費税集計表
- 消費税申告
- 達人シリーズ連携用データの作成
(消費税 / 法人税 / 勘定科目内訳明細書) - 月締め
- 配賦仕訳の作成
ユーザー権限設定・ワークフロー
- メンバー招待は計 20 名まで
- メンバー権限管理
- 税理士招待
- コメント
- カスタム権限管理
- 仕訳承認
お客様サポート
- メール(フォーム)サポート
- チャットサポート
- 電話サポート
- 導入コンサル (まるごと導入サポート)はオンライン
会計ソフト「freee(フリー)」の評判
会計ソフトは世の中には数多ありますが、クラウドで提供されている会計ソフトの中で、最も高いシェアを持っているのがfreee(フリー)です。
そんなfreee(フリー)には口コミといった形で多くの評判があります。
まず、ポジティブな面の口コミとして
- 「freeeアプリ」でスマホからの操作もできるから便利
- PCがMacだと、確定申告用のパッケージ型の会計ソフトでは選択肢が少ないが、freee(フリーはMacにも対応している
- セルフメディケーション税制や医療費控除新フォーマット、仮想通貨の確定申告といったマニアックな会計にも対応している
- クラウド会計ソフト郡の中では最低価格クラスで提供されている
- 全ての業務がワンクリックで始めることができる
- 確定申告について全く知識がなくても、○×形式の質問に答えていくだけで、簡単に確定申告書を作成できる
- 簿記の知識が0でも簡単に使えて、確定申告に必要な書類を作成できる
といった口コミが挙げられます。
一方で、ネガチィブな口コミとしては
- 複式簿記に詳しい人には複式簿記の考えたかをそのまま当てはめにくい
- 高価な会計ソフトと比較すると、freeeの操作性は若干見劣りする
といった声も実際にはあります。
会計ソフト「freee(フリー)」の10のメリット
①セキュリティ面(データの通信、保存面)は非常に万全である
freee(フリー)は、金融機関レベル 暗号化通信である256bit SSLを利用してデータのやり取りを行っています。
そのため、Web口座のデータは暗号化されて保存され、機密度の高い情報は、ファイアウォールで守られた場所に保存されています。
freee(フリー)のデータは自動バックアップされ、分散化されて保存されるので、災害時にも安心できます。
このように、freee(フリー)はセキュリティ面(データの通信、保存面)が非常に万全であるため、安心して使用できます。
②時間を大幅に削減できる
freee(フリー)の2つ目の特徴は会計処理の時間が大幅に削減できることです。
freee(フリー)は金融機関と情報を連携しているので、口座とクレジットカードのお金のやり取りを自動的に同期してくれます。
また、この機能は暗証番号などを使った通信ではなく、不正アクセスがあったとしても盗まれる情報は何もなくし、暗証番号が流出することもないため、とても安全です。
またfreee(フリー)では自動的に仕訳をしてくれることで、面倒な仕訳業務を勝手に行ってくれます。
そのため、freeeでは自動的に登録を行ってくれるので経理、会計業務にかかる時間が短縮することができます。
③タグ機能が柔軟にできる
freee(フリー)では、一つの仕訳ごとに取引先や品目、部門のタグをつけることができます。
そのため、タグは科目をまたいで利用できますし、タグごとに集計をかけることもできます。
実際、ソフトウェア業や建設業などで、「品目」タグでプロジェクトの工番を取って経理している企業も存在します。
プロジェクトごとの個別原価計算をかける、という使い方などもできるため、非常に便利です。
④サポート体制が充実している
会計ソフトの中にはサポート体制がないサービスも存在します。
以下が価格プランごとのサポート体制になります。
プラン名 | スターター | スタンダード | プレミアム |
申告機能 | 確定申告に対応 | 確定申告・消費税申告に対応 | 確定申告・消費税申告に対応 |
記帳の効率化 | 自動で経理機能 | 自動で経理機能/レシート読取り | 自動で経理機能/電子帳簿保存 |
サポー体制 | チャット・メール | チャット(優先対応)・メール(優先対応) | チャット(優先対応)・メール(優先対応)・導入サポート(電話) |
⑤会計以外の機能も充実している
freee(フリー)の他の良い点としては「会計以外の機能が充実している」ことが挙げられます。
例えば経理業務として発生する請求書の作成業務などについても、必要事項を入力すれば郵送代行まで行ってくれます。
※ただし、郵送については別途費用150円/通がかかります
また合算請求や、定期請求なども行ってくれるので、経理業務にかかる負担が非常に少なくなります。
他のソフトだと、サービスが切り分けされていて連携できたりはするのですが、それぞれのソフトで費用も発生しますが、freeeであれば一つのソフトでかなりの範囲の業務をカバーできるので、個人事業主だけではなく中小企業にとっても有力な会計ソフトと言えるでしょう。
⑥出力が可能な書類が多く、所得・控除にも対応している
freeeでは青色申告・白色申告のどちらの申告書類の作成にも対応してます(もちろん消費税申告書も作成できます。)。
また、株やFX取引、医療費控除、国民年金や国民年金基金、生命保険や地震保険の控除、配偶者控除に加え、セルフメディケーション制度での購入医薬品の控除などにも対応しています。
さらに、freeeでは
損失繰越にも対応しています。
freeeでの出力が可能な書類として以下が挙げられます。
青色・白色決算書 (事業用・不動産用) |
青色・白色申告書 | 消費税申告書 |
総勘定元帳 | 損益計算書 | 貸借対照表 |
現金出納帳 | 固定資産台帳 |
freeeで入力が可能な所得・控除などは以下のようになります。
株・FX取引 | 医療費 | ふるさと納税などの寄付 |
セルフメディケーション | 国民年金/国民年金基金 | 国民健康保険/その他社会保険 |
小規模企業共済や企業型年金など | 住宅ローン | 生命保険や地震保険 |
予定納税/損失繰越 |
⑦各種レジサービスや決済サービスと連携できる
freeeは、Airレジやスマレジなどのレジサービス、squareやEdyなどの決済サービスと連携することができます。
それらのデータを自動で帳簿づけすることが可能なため、freeeは、データの手入力を減らして経理作業を大きく効率化できます。
⑧バックアップがある
従来型の会計ソフトを使っている場合、万が一の時のために、データをUSBメモリなどの外部記憶媒体にいちいち移し変えなければならず、またそれを保管、管理する手間も発生します。
一方、freee(フリー)に入力したデータは、会社のパソコンではなく、クラウドサーバーに保管されます。
そのため、これらの手間が、クラウド会計ソフトfreee(フリー)を導入することですべて解消します。
⑨法改正への対応が簡単である
freee(フリー)は、法改正のたびにソフトを購入しなおしたり、更新差分をインストールしたりする必要がありません。
freee(フリー)は、ソフトの更新作業をしなくても、つねに自動の最新のバージョンがアップデートされているため、自動で法改正への対応を行ってくれます。
⑩つねに最新のソフトを利用できる
従来までの会計ソフトは、一度インストールしてもその後バージョンアップがされるとその都度ソフトを購入してインストールする必要があり、手間とコストが余分にかかっていました。
これに対し、freee(フリー)の場合は、先程も述べたように、常に最新の会計ソフトを利用でき、バージョンアップした場合についても、特に会社のパソコンにインストールする必要がありません。
つねに、クラウド上にある最新の会計ソフトを利用できるので、たとえ会社のパソコンを買い換えたとしてもインターネットにさえ繋げば問題なく利用することができます。
会計ソフト「freee(フリー)」の2つのデメリット、注意点
①同期できるクレジットカードが少ない
少しマニアックなクレジットカードだと対応していない可能性が高いので、自動仕分けをするために必要なクレジットカードを新たに作る必要があります。
freeeに対応しているおすすめのビジネスカードは、個人事業主でも新規法人でも審査が通りやすく、限度額も高いオリコのクレジットカードがオススメです。
オリコのクレジットカードは限度額は多くの場合、200万前後程度です。
しかし、それら以外のクレジットカードだと同期できる可能性が少ないため、注意が必要です。
②税理士への相談が完全に不要になるわけではない
正直、個人事業主で年間の利益が1000万未満なら、1人でfreeeを使って確定申告書なども作成できるので、税理士は必要ないと思います。
分からないことがあれば、税務署に直接聞けば親切に教えてくれます。
ただ、個人事業主で利益が1000万以上になったり、法人の場合には税理士を雇っておいても損はしないと思います。
最新の税務関連の法律のことや、適切な節税方法などは専門家である税理士に任せたほうが、本業に集中できると思います。
法律のことから節税のこと全てを個人でやるには限界があるので、規模が大きくなったら税理士に頼るようにしましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は『【検証】会計ソフト「freee(フリー)」の評判は?メリットデメリットと注意点』という記事のタイトルで、
- 会計ソフト「freee(フリー)」の評判
- 会計ソフト「freee(フリー)」のメリット
- 会計ソフト「freee(フリー)」のデメリット、注意点
などについて解説しました。
今回記事で説明したように、会計ソフト「freee(フリー)」は当然、メリットもありますが、デメリット、注意点も存在します。
そのため、自社の会計業務に会計ソフト「freee(フリー)」を導入する場合は、それらのメリット、デメリット、注意点を考慮してから、決断することをおすすめします。