freee会計は、銀行口座やクレジットカードの明細、請求・支払、証憑、仕訳、決算書を一つの流れで扱うクラウド会計ソフトです。法人向けは、代表者1人で記帳する「ひとり法人」から、申請承認や管理会計を必要とする中小企業・IPO準備企業向けまで段階的なプランがあります。
会計だけを独立して入力するより、請求、支払、経費、証憑の発生時点から会計データをつなげたい企業に向きます。特に、簿記用語だけに頼らない業務画面と自動連携を重視する小規模法人には有力です。一方、従来型の仕訳入力を中心に運用したい企業、追加メンバー・申請・受発注書類の従量料金を避けたい企業は、マネーフォワード クラウド会計や弥生会計を含めて総額と運用方法を比較してください。
提供会社:freee株式会社/提供状況:公式サイトで法人向け新規利用を確認/公式情報
freee会計の料金・仕様サマリー

上記は法人向け現行プランの公式表示です。スターター以上は基本料金に加え、経費精算・各種申請を行うユーザー、受発注書類の一括作成・送付などで従量料金が発生する場合があります。基本料金だけで判断せず、経理担当者数、一般従業員数、申請件数、帳票送付件数、必要な部門階層を見積もる必要があります。
ひとり法人は経営者1人の記帳を想定し、基本的な帳簿作成、銀行同期と自動仕訳、証憑OCR、電子帳簿保存、インボイス対応を利用できます。スターターとスタンダードは基本メンバー3人、アドバンスは5人です。追加メンバーの単価や同期できる銀行口座数、管理会計、内部統制、サポート方法はプランで異なります。
法人向け4プランの違い
| 比較軸 | ひとり法人 | スターター | スタンダード | アドバンス |
|---|---|---|---|---|
| 主な対象 | 代表者1人で記帳する法人 | 初年度・小規模な経理体制 | 部門管理や権限設定を進める小規模企業 | 申請承認・予実・内部統制を重視する中小企業 |
| 年払い時の月額表示 | 2,980円 | 5,480円+従量課金 | 8,980円+従量課金 | 39,780円+従量課金 |
| 基本メンバー | 1人 | 3人 | 3人 | 5人 |
| 部門・分析 | 部門2つまでなど制限あり | 部門1階層、経営ダッシュボード | 部門2階層、カスタムレポート等 | 部門5階層、予実管理等 |
| 内部統制 | なし | なし | カスタム権限、月締め等 | 仕訳承認、本締め・仮締め等 |
| サポート | チャット・メール | 予約電話を含む | 直通電話を含む | 直通電話を含む |
料金・機能は法人向けプラン公式ヘルプに基づく概要です。表示価格は税抜です。契約時は最新の公式料金ページと見積書を突き合わせてください。
総額を動かすのはプラン料金ではなくメンバー追加と従量課金

料金ページは従業員規模と支払方法を選ぶと表示が切り替わります。上の画面は従業員4〜20人・年払いを選んだときの表示で、年払いには最大25%の割引が適用されると案内されています。プラン名の下に「+従量課金」と併記されている点にも注意してください。ここに入るのが、次に見ていくメンバー追加と経費精算、受発注書類の費用です。基本料金の数字だけを他社と並べると、この部分がまるごと抜け落ちます。
freee会計で見積もりを外す原因は、基本料金ではなく、その外側にある2つの課金です。1つはメンバー追加で、同じ「1人」でも権限の種類で単価が変わります。もう1つは従量課金で、経費精算と受発注書類の送付が対象です。公式料金ページに載っている単価をそのまま並べると次のようになります。
| 課金の対象 | ひとり法人 | スターター | スタンダード |
|---|---|---|---|
| 基本のメンバー数 | 1人 | 3人 | 3人 |
| 経理・経営者相当の追加 | 年払い時1人あたり1,000円/月(月払い1,300円/月)。最大2人まで | 年払い時1人あたり300円/月(月払い400円/月)。招待人数の上限なし | 年払い時1人あたり300円/月(月払い400円/月)。招待人数の上限なし |
| 一般従業員相当の追加 | 枠の記載なし | 1人あたり0円/月。招待人数の上限なし | 1人あたり0円/月。招待人数の上限なし |
| 経費精算の従量 | なし | 1人あたり300円/月 | 1人あたり300円/月 |
| 受発注書類の従量 | 記載なし | 送付1件あたり95円 | 送付1件あたり95円 |
ここで見落としやすいのが、経理・経営者相当と一般従業員相当の線引きです。帳簿やレポートを見る権限、記帳する権限を持つ人は有料で、請求書や経費精算だけを使う人は0円です。社員数ではなく「帳簿を触る人が何人か」で基本料金の枠を判断してください。ひとり法人プランだけは逆で、追加が1人1,000円と高く、最大2人までという上限も付いています。
年払いと月払いで単価そのものが変わる
freee会計は年払いと月払いで支払い時期が変わるだけでなく、月あたりの単価が変わります。差は小さくありません。
| プラン | 年払い | 月払い | 12か月分の差 |
|---|---|---|---|
| ひとり法人 | 2,980円/月(35,760円/年) | 3,980円/月 | 12,000円 |
| スターター | 5,480円/月(65,760円/年) | 7,280円/月 | 21,600円 |
| スタンダード | 8,980円/月(107,760円/年) | 11,980円/月 | 36,000円 |
| メンバー追加(経理・経営者相当) | 1人あたり300円/月 | 1人あたり400円/月 | 1人あたり1,200円 |
月払いを選ぶ理由が「途中でやめられるようにしたい」なら、初期導入費用と解約料が0円であることと合わせて、どこまでの金額差を保険料として払うのかを決めてから選びます。新設法人向けの料金ページには、初期導入費用と解約料はいずれも0円と明記されています。
経理3名・一般従業員10名で12か月総額を出す
「帳簿を触る経理担当が3名、経費精算だけを使う一般従業員が10名、受発注書類の一括送付が月20件」という条件を当てはめます。年払いを前提にした計算です。
| 内訳 | スターター | スタンダード |
|---|---|---|
| 基本料金の12か月分 | 65,760円 | 107,760円 |
| 経理・経営者相当の追加 | 基本3人に収まるため0円 | 基本3人に収まるため0円 |
| 一般従業員相当10名 | 0円 | 0円 |
| 経費精算の従量(10名) | 300円×10名×12か月=36,000円 | 300円×10名×12か月=36,000円 |
| 受発注書類の送付(月20件) | 95円×20件×12か月=22,800円 | 95円×20件×12か月=22,800円 |
| 12か月の合計 | 124,560円 | 166,560円 |
基本料金だけを見るとスターターは65,760円ですが、実際の請求はその約1.9倍になります。増えた58,800円はすべて従量課金です。人数と件数を先に数えずに基本料金だけで稟議を通すと、この差がそのまま予算の超過になります。逆に、経費精算を使わず受発注書類の一括送付もしない会社なら、基本料金のままで収まります。
受発注書類の95円がかかるのは、一括インポート機能や帳票レイアウトのカスタマイズオプションで作成した書類をfreeeからメール送付する場合です。通常の作成・発行がすべて対象になるわけではありません。また表示価格はすべて税抜で、アドバンス以上ではメンバー追加が1人1,000円/月、経費精算が1人650円/月に変わります。
freee会計でできることと制限
銀行・カード明細から記帳までをつなげる
銀行口座やクレジットカードの明細を同期し、自動仕訳候補を確認して登録できます。証憑画像のOCR、帳簿・証憑の電子保存、インボイス判定なども会計基本機能に含まれます。単に仕訳帳を作るのではなく、入出金の事実、証憑、未決済取引、請求・支払を関連付ける設計が特徴です。
プランを上げるほど申請・分析・統制が増える
スタンダードでは部門階層やカスタムレポート、権限・月締めが強化され、アドバンスでは仕訳承認、仮締め、予実管理などが加わります。利用者が増えたから上位プラン、という決め方では不十分です。必要な承認段階、部門階層、月次締め手順、監査ログ、債権債務処理を業務フローに落としてから選びます。
プランの境目にある機能を先に確認する
「利用者が増えたから上のプランへ」という決め方をすると、必要のない機能に払うか、必要な機能が下のプランに無いことに導入後で気づくかのどちらかになります。公式の料金プラン比較表で、どの機能がどのプランから使えるかを先に押さえてください。とくに実務で効くのは次の4点です。
| 確認する機能 | 公式の比較表に書かれている条件 | 実務で効く場面 |
|---|---|---|
| 経費精算の申請経路 | 15段階までの申請経路が可能。ただしスタータープランとスタンダードプランは1段階のみ | 部長承認と経理承認の2段階を置きたい会社は、スタンダードでも要件を満たさない |
| 電話サポート | スタンダード・アドバンス・エンタープライズは予約なしの直通電話サポートと専任サポート付き | 決算期に電話で聞ける体制が要るなら、スターターは候補から外れる |
| 消込業務の効率化 | スターター以上は一括振込ファイルの消込推測が可能。アドバンス以上で同一期日の複数債権の消込推測が可能 | 同じ入金日に複数の債権が立つ商売では、アドバンスまで上げないと手作業が残る |
| ワークフロー・管理会計 | ワークフロー機能、受取請求書の高速処理、高度なAPI連携、管理会計・予実管理、統制機能の強化はアドバンス以上 | 予実管理を理由にアドバンスへ上げると、月額が8,980円から39,780円へ変わる |
基本機能の側は、どのプランでも明細取得と自動仕訳、受発注書類の作成、AI-OCRによる記帳、電子帳簿等インボイス制度への対応、資金繰り管理、決算書の作成が使えます。作成できる決算書として公式に挙げられているのは貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、注記表です。書類の電子化は利用無制限と表示されています。
ひとり法人プランで止まる条件
月額2,980円(年払い時)のひとり法人プランは、5つのプランのなかで唯一、性格が違います。安いのではなく、対象が記帳に絞られています。次の条件に1つでも当たるなら、このプランは候補になりません。
- 帳簿を触る人が3人以上になる:メンバー追加は1人あたり1,000円/月(年払い時)で、しかも最大2人までという上限が付きます。上位プランの300円/月・上限なしとは前提が違います
- 経費精算を使う:従量課金の欄が「なし」と表示されており、経費精算そのものが対象外です
- 入金・支払管理のレポートが要る:入出金管理は使えますが、入金・支払管理レポートは付かないと注記されています
- 一般従業員に請求書や申請だけを使わせたい:上位プランにある「一般従業員相当を0円・人数上限なしで招待」の枠が、このプランの表には見当たりません
逆に、代表者1人が記帳し、経費精算も請求書の一括送付も使わないのであれば、年35,760円で収まります。スターターの65,760円と比べて年3万円の差なので、2人目の経理担当を採用する予定があるかどうかが実質的な分かれ目になります。
顧問税理士のアカウントは人数に数えない
会計ソフトの見積もりで意外と差が出るのが、顧問税理士や会計事務所のアカウントをどう数えるかです。freee会計の法人向け料金ページには、アドバイザーの招待は無料で、招待数の上限もないと注記されています。メンバー追加の人数上限についても同じく上限なしと書かれています。
つまり、税理士と会計事務所の担当者を何人招いても基本料金は動きません。ここは製品によって扱いが分かれる部分なので、他社と並べるときは「自社の経理担当が何人か」だけを数え、専門家分は別枠として比較表に注記しておくと、後で条件を揃え直す手間が減ります。ただし、権限の設計は料金とは別の話です。誰がマスタを変更でき、誰が締めたあとの仕訳を直せるのかは、招待する前に決めておいてください。
向いている企業・向かない企業
- 請求・支払・経費・証憑から会計まで一つの流れにしたい
- 代表者または少人数で経理を始める
- 銀行・カード同期と自動仕訳を重視する
- 成長に合わせて部門管理・承認・予実へ拡張したい
- 税理士や外部担当者とクラウド上で連携したい
- 従来型の仕訳帳入力を変えずに使いたい
- オフライン環境だけで会計を完結したい
- 従量料金を含む総額を事前に固定したい
- 複雑な部門・承認を最安プランで運用したい
- 既存システムとの連携仕様を検証せず移行したい
他商品と比較した強み・弱み
- 取引・証憑・請求・支払を会計へつなぐ一体型の設計
- ひとり法人から内部統制を要する企業まで段階的に選べる
- 簿記用語だけに依存しない業務起点の入力方法
- メンバーや申請、帳票送付で従量料金が発生し得る
- 従来型会計ソフトからは入力思想の違いに習熟が必要
- 安価なプランでは部門・銀行同期・内部統制に上限がある
強み1:会計の前工程を含めてデータを一度入力する設計
マネーフォワード クラウド会計は複式簿記に慣れた経理担当者が仕訳・帳票を扱いやすく、複数のバックオフィスサービスを同じ契約群で利用できる点が強みです。freee会計は、取引、請求、支払、証憑を業務の流れとして登録し、その情報を帳簿へつなげる考え方がより前面に出ています。経理専任者が少なく、現場入力から月次決算までの二重入力を減らしたい会社に適します。
強み2:小規模から内部統制まで同じ製品群で拡張できる
ひとり法人は1人運用、スターターとスタンダードは3人、アドバンスは5人を基本にし、部門、権限、締め、承認、予実の範囲が変わります。買い切り型の弥生会計はWindowsデスクトップでの継続利用や従来型の操作を重視する企業に向きますが、クラウド上の申請や承認を段階的に増やす企業ではfreee会計の選択肢が分かりやすいといえます。
弱み1:基本料金だけでは運用総額が決まらない
スターター以上には従量課金の対象があり、経費精算・各種申請を行う人数や、特定方法で送る受発注書類の件数が費用に影響します。マネーフォワード クラウド会計も利用人数による従量課金がありますが、対象サービスと課金条件は同じではありません。比較表の月額だけでなく、自社の「誰が、月何回、どの処理をするか」を当てはめる必要があります。
弱み2:従来型の仕訳中心運用とは考え方が異なる
仕訳入力そのものは可能ですが、取引・未決済・口座同期などを関連付ける運用が強みです。既存の勘定科目体系、補助科目、部門、消費税設定、月次締めをそのまま再現できるかは、無料試用と税理士確認で検証してください。入力画面の印象だけで「初心者向け」「経験者向け」と断定せず、実際の月次処理を一巡させて判断するのが安全です。
解約・返金・データの注意点
Web契約では、freee会計の「プラン・お支払い」から支払い停止手続きを行います。停止後すぐに有料機能が消えるのではなく、支払済み期間の終了後にプラン未契約へ戻ります。法人税申告も契約している場合は、先にfreee申告側の支払い停止が必要です。アプリ経由の購入はGoogle PlayまたはAppleの定期購読手続きが必要な場合があります。
支払い停止と事業所削除は別です。支払いだけ止める場合、プラン未契約で機能制限を受けながらデータへアクセスできる範囲があります。データを完全に削除したい場合は事業所削除の条件を確認します。解約前に総勘定元帳、仕訳帳、試算表、固定資産、証憑、取引先、請求・支払の必要データをエクスポートし、税務上必要な保存期間を自社で満たしてください。
導入前の5ステップ
まず、記帳だけか、請求・支払・経費・承認・予実まで含めるかを決めます。次に経理担当者、一般従業員、申請者、承認者、外部税理士の人数と月間件数を数えます。無料試用では、代表的な銀行口座とカードを連携し、請求から入金消込、経費申請、月次締め、決算書出力まで一巡させます。本番移行前に、期首残高、固定資産、未決済取引、消費税、部門、権限、過年度データの照合方法を決めてください。
評判・レビューの確認方法
BIZEEでは、freee会計の管理画面を使った独自検証や、本人確認できる導入企業への取材をまだ実施していません。そのため匿名口コミから満足度や星評価を作らず、公式料金・機能・契約条件と、比較軸から導く向き不向きを分けて掲載しています。「使いやすい」「使いにくい」は、簿記経験、既存ソフト、入力担当者、承認フローによって逆転し得ます。
レビューを確認する際は、投稿時期、法人・個人の別、利用プラン、利用人数、記帳方法、税理士連携の有無を確認してください。自社判断では、同じ1カ月分の取引をfreee会計と比較候補で試し、入力時間、未処理件数、修正回数、月次締め日数、追加料金を記録する方法が有効です。単純な導入前後だけで効果の因果関係を断定しないでください。
会計ソフト比較・関連ノウハウ
料金表だけでなく、入力思想、利用人数、申請件数、部門管理、解約後のデータ利用まで含めて選ぶ必要があります。全体像はクラウド会計ソフト比較、主要3製品の差はfreee・マネーフォワード・弥生の比較、導入前の確認事項はクラウド会計ソフト導入前の注意点を参照してください。従来型の仕訳入力や複数バックオフィスサービスを重視する場合は、マネーフォワード クラウド会計の詳細も比較候補です。
freee会計のよくある質問
法人の最安プランはいくらですか?
公式表示では、ひとり法人が年払い時2,980円/月、月払い時3,980円/月です。税抜表示で、1人利用や機能上限があります。必要なメンバー、申請、部門、サポートを満たすか確認してください。
無料試用後に自動課金されますか?
無料利用の条件や期間は申込画面で確認が必要です。有料プランを契約した場合は自動更新があるため、継続しないときは次回更新前に支払い停止手続きを行います。
途中解約で返金されますか?
公式規約では、途中解約の日割り精算は行わず、受領済み料金は原則返金しません。Google Playなど外部ストア経由は各ストアの手続きも確認してください。
マネーフォワード クラウド会計との主な違いは?
freee会計は取引・請求・支払・証憑を会計へつなぐ業務起点の設計が目立ちます。マネーフォワード クラウド会計は複式簿記に慣れた担当者向けの仕訳・帳票と、会計を含む複数サービスの利用が特徴です。自社の入力担当者と周辺業務で選びます。
調査方法・更新方針
法人向け料金、メンバー、従量課金、会計基本、管理会計、内部統制、サポート、外部連携、支払い停止、返金条件を公式サイト、公式ヘルプ、利用規約で確認しました。広告報酬や匿名評価は掲載順・結論に使用していません。
料金、従量課金、プラン機能、無料試用、解約・返金条件を月次で確認します。実機検証または本人確認可能な利用企業レビューを得た場合は、公式仕様と独自検証を区別して追記します。
主な一次情報:freee料金一覧、法人向けプラン、支払い停止・退会、freeeサイン利用規約
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