電話代行サービスを選ぶとき、ほとんどの比較は「月額◯◯円で◯件まで」という形で並びます。ところが、その「◯件」が何を指すのかは各社でそろっていません。営業電話を1件と数える会社と数えない会社があり、間違い電話を数えない会社があり、長電話に追加料金をかける会社があります。
同じ月40件の枠でも、営業電話が月20本かかってくる事業者にとっては、営業電話を数える会社の枠は実質20件、数えない会社の枠は40件のままです。2倍の差です。この記事では、2026年10月14日時点でfondesk、CUBE電話代行サービス、渋谷オフィス、MKサービス、インターコードの公式ページに書かれている件数の定義を並べ、見積もりを立てるときに何を確認すればよいかを整理します。
この記事で分かること
- 各社が使っている単位の名前が違う(電話1件/コール/着信コール数/受電報告回数)。名前の違いは数え方の違いに対応している。
- 営業電話・間違い電話を件数から除くと公式に明記しているのは5社中2社。残り3社は記載が見つからなかった。
- 超過単価の向きは会社によって逆。MKサービスとインターコードは上位プランほど安く、渋谷オフィスは上位プランほど高い。
- 件数に数えないだけでなく、追加料金がかかる電話を定義している会社もある。
- 公式ページに書かれていない場合は、見積もり時に確認する以外に判断する方法がない。
各社が使っている「1件」の単位は4種類ある
まず、公式の料金ページで使われている言葉を並べます。言い換えのようでいて、含意が違います。
| サービス | 単位の名前 | 公式ページでの表現 | 数えない電話の明記 |
|---|---|---|---|
| fondesk | 電話1件 | 「従量料金 電話1件あたり 40件目まで0円 41件目以降300円」 | 記載は確認できなかった |
| CUBE | コール | 「月コール数 50コール」「コールオーバー:1コール300円」 | 記載は確認できなかった |
| 渋谷オフィス | 着信コール数 | 「着信コール数 営業電話・間違え電話は除く 20件/月」 | 営業電話・間違い電話・嫌がらせ電話 |
| MKサービス | 受電報告回数 | 「1ヶ月の受電報告回数20回までの月額基本料金です」 | 間違い電話・FAXコール・一方的な勧誘やセールス電話 |
| インターコード | コール | 「基本応対(平日9:00〜18:00)50コールプラン」 | 記載は確認できなかった |
MKサービスの「受電報告回数」という言い方は、他の4社と性質が違います。受けた電話の回数ではなく、報告した回数を数える、と読めます。実際、同社の料金ページには「電話を受けたオペレータが、間違い電話やFAXコール、明らかに一方的な勧誘・セールス電話と思われる電話だと判断した場合は、例え受電対応しても上記回数には計上しません」と書かれています。受電はしたが報告しなかった電話は回数に入らない、という整理です。
渋谷オフィスは「着信コール数」という項目名そのものに「営業電話・間違え電話は除く」という注記を付けています。プランの詳細ページではさらに踏み込み、嫌がらせ電話も除外の対象に含めたうえで、これらを「ブロックリストに登録して、次回からは受電しません」と説明しています。注記には「営業電話・間違え電話・嫌がらせ電話については契約者様へのご報告は不要なのでしておりません」ともあります。数えないだけでなく、通知も届きません。

営業電話を数えるかどうかで、枠の実質が変わる
数値で確かめます。かかってくる電話のうち、取引先や見込み客からの電話が月30本、営業電話が月20本という事業者を想定します。合計50本です。
図1:合計50本の電話が、各社の数え方でどう数えられるか
営業電話を数えない会社
30件
渋谷オフィスのシンプルプラン(40件/月)なら枠に収まる。超過は発生しない
営業電話を数える会社
50件
40件の枠なら10件が超過。1件300円なら3,000円の上乗せになる
数え方が不明な会社
30件か50件か分からない
見積もり時に確認しないと、月額の予測が最大で20件分ぶれる
営業電話の本数は業種によって大きく違います。ホームページに代表番号を載せている、業界団体の名簿に掲載されている、新しく法人登記したといった条件が重なると、1日に数本かかってくることもあります。導入を検討している段階で、1週間だけ着信履歴を記録して営業電話の割合を数えておくと、プラン選びの精度が上がります。
超過単価の向きは会社によって逆になる
枠を超えた分の単価も確認します。ここで注意が必要なのは、「上位プランに変えておけば超過したときに安くなる」という感覚が、会社によって成り立ったり成り立たなかったりすることです。
| サービス | 最下位プランの超過単価 | 最上位プランの超過単価 | 向き |
|---|---|---|---|
| MKサービス | 159円(スモール) | 149円(スタンダード) | 上位ほど安くなる |
| インターコード | 料金表に「1コールにつき140円(税別)〜」と下限のみ記載 | プラン別の単価は確認できなかった | |
| 渋谷オフィス | 190円(スターター) | 250円(プレステージ) | 上位ほど高くなる |
| fondesk | 300円(プランが1つのため一定) | 変わらない | |
| CUBE | 300円(全プラン共通) | 変わらない | |
渋谷オフィスのプレミアプラン(月25,000円・120件まで)で月150件を記録した月は、超過30件に250円を掛けた7,500円が上乗せされます。同じ30件の超過でも、スタータープラン(月3,000円・20件まで)からの超過なら単価190円で5,700円です。上位プランほど超過のダメージが大きくなります。
MKサービスはこの逆です。しかも同社の場合、月額基本料金を含まれる回数で割った額が超過単価と完全に一致します。3,180円÷20回=159円、6,160円÷40回=154円、11,920円÷80回=149円です。公式のよくある質問も「回数の多いプランほど計算上の電話1件当たりの単価が5円安くなるようになっているだけです。電話応対や受電報告の仕方などの電話代行サービス内容は全く同じで、違いはございません」と説明しています。
MKサービスのように月額÷含まれる回数=超過単価が成立している料金表では、プラン選びで損をすることがありません。枠を余らせても、枠を超えても、支払額は「回数×単価」に月額という下限が付いた形になるためです。逆に、この割り算が一致しない料金表では、枠を余らせた月に単価が割高になります。たとえばfondeskは12,000円÷40件=300円で一致しますが、CUBEのスタンダードプランは25,000円÷100コール=250円で、超過単価300円と一致しません。
件数から除くのと、そもそも受けないのは別の話
営業電話への対処には2通りあります。受けたうえで件数から除く方法と、着信そのものを拒否する方法です。両方を組み合わせている会社もあります。
fondeskは機能ページで「ブロックリスト」を紹介しており、「着信を拒否したい相手の電話番号を10,000件まで登録することができます」と記載されています。登録した番号からの着信は拒否されるため、そもそも件数が発生しません。ただし、営業電話を一般に件数から除くという記載は公式ページでは確認できませんでした。新しい番号からかかってくる営業電話は、登録されるまでは通常どおり数えられると読むのが自然です。
渋谷オフィスは両方を併用しています。営業電話・間違い電話・嫌がらせ電話を着信コール数から除いたうえで、「ブロックリストに登録して、次回からは受電しません」としています。1回目は受けて件数に数えず、2回目以降は着信しない、という流れです。
CUBEは断る運用を公式のよくある質問で説明しています。
営業電話は、オペレーターが応対した上でお断りさせて頂きます。判断が難しい営業電話に関しては、お取引先としてご対応致します。ご確認後、営業であるとご指示頂きましたら次回よりお断りさせて頂きます。
— CUBE電話代行サービス「電話代行よくある質問」より引用
営業かどうかの判断が難しい電話は取引先として扱い、契約者が確認してから次回以降の扱いを決める、という手順です。誤って重要な取引先の電話を断られるリスクを下げる設計ですが、件数から除くという記載は見つかりませんでした。
数えないだけでなく、追加料金がかかる電話もある
MKサービスの料金ページには「個々の電話に対する料金割増規定」という項目があります。オペレーターが苦慮したり謝罪を余儀なくされたりする電話を受けた場合、その電話に限り、程度や通話時間量に応じて基本料金とは別に割増料金がかかります。金額は「200円〜300円が大半」と記載されています。
- 対象になる電話:長電話、怒号、クレーム、イヤミ、説教、いたずらと思えるもの、折返しがまだ来ないなどの催促、在籍者名簿にない方宛の電話(間違い電話と判断できないもの)。
- 通知のされ方:「なお割増料金を適用する場合には、受電報告メール文中でその旨を必ずお知らせいたします」と明記されている。請求書で初めて気づく形にはならない。
- 公式の説明:想定されるリスクを織り込まない「素」の料金にしているため発生時に計上する、という考え方が料金ページに書かれている。実際にこうした電話が1件もない利用者が大多数だとも説明されている。
同じクレーム電話への対応が、各社でまったく違う扱いになっている点は押さえておく価値があります。CUBEはクレーム対応を基本プランに含め、公式ページで「お客様はクレームのつもりではなく、焦って困って口調が強くなるということがよくあります。クレーム対応不可のオペレーターなら対応外と判断します」と理由まで説明しています。fondeskは逆に、機能ページの「できないこと」にクレーム対応を挙げ、利用規約第9条で「同一のユーザーに対するクレーム電話等が3日間に5回以上繰り返された場合」には利用登録の抹消または利用停止ができると定めています。MKサービスは受けますが追加料金がかかります。
名簿に載っていない人宛の電話という盲点
MKサービスの割増対象に「在籍者名簿にない方宛の電話(間違い電話と判断できないもの)」が含まれている点は、運用上の注意として読む価値があります。同社は社員名簿の登録について次のように明記しています。
在籍者の方は全員名簿登録が必要です。登録がございませんと相手の方から詮索や不審を受け、非常に苦慮します。上記規定適用を避けるために登録人数の調整をすることは不可です。
— MKサービス「料金案内」より引用
名簿登録は10名までが無料で、10名を超えると10名単位で月550円が加算されます。登録を絞って月550円を節約しようとすると、未登録者宛の電話が割増料金の対象になり、かえって高くつく可能性があります。公式ページが「登録人数の調整をすることは不可」と先に書いているのは、このためと読めます。
渋谷オフィスも同様に、社員スタッフの登録人数がプランごとに決まっています。スターター4名、シンプル9名、アドバンス14名、プレミアとプレステージは制限なしです。登録された社員については在籍照会に対応できる、という設計です。
対応しない日は件数に関係なく発生する
件数の話とは別に、そもそもオペレーターが応対しない日があります。この日にかかってきた電話は件数に数えられませんが、同時に受けてももらえません。
| サービス | 応対時間 | 土曜 | 日祝・長期休暇 |
|---|---|---|---|
| fondesk | 9時から19時の間で自由に設定 | 夜間・早朝や休日は非対応と公式に明記 | |
| CUBE | 平日9:00から18:00 | オプション3,000円で対応 | 日祝・年末年始・GW・お盆は時間外アナウンス |
| 渋谷オフィス | 月から金9:00から18:00 | 休業日は土日・祝日 | |
| MKサービス | 平日9:00から18:00 | 公式ページでは確認できなかった | |
| インターコード | 平日9:00から18:00(昼休みなし) | 別途料金で土日祝や18時以降も対応。AI電話代行は24時間365日 | |
CUBEの料金シミュレーションのページには、対応しない期間がより細かく書かれています。「営業時間外、祝日、日曜日、年末年始、GW、お盆(3〜10日程度)期間は、オペレーター対応ではなく時間外アナウンスが流れます」。また「長期休暇期間は、アナウンス内容を変更できます。(別途有料)」とも記載されています。よくある質問のほうには「日祝、お盆(8月13〜15日)年末年始(7〜10日)は、対応しておりません」とあり、ゴールデンウィークは料金シミュレーションのページ側にだけ記載されています。

見積もりを取る前に確認しておく5項目
公式ページに書かれていない項目は、問い合わせて確認する以外に知る方法がありません。確認すべき項目を整理します。
図2:確認リスト
- 営業電話と間違い電話は件数に入るか。入らない場合、その判断は誰がするのか。渋谷オフィスとMKサービスはオペレーターが判断すると明記している。
- FAXの着信は件数に入るか。電話とFAXが共用の番号を転送する場合に効く。MKサービスはFAXコールを計上せず、FAX受信を報告するオプション(1回158円)を別に用意している。
- 長電話やクレームに追加料金はかかるか。かかる場合、いくらで、どう通知されるか。
- 社員の登録人数に上限や追加料金はあるか。上限を超えた場合、その社員宛の電話はどう扱われるか。
- 対応しない日はいつか。祝日、年末年始、ゴールデンウィーク、お盆の扱いを具体的な日数で確認する。
件数の数え方が違えば、同じ「月40件まで」でも実質の枠は変わります。件数の定義と超過単価を5サービス分そろえた一覧で確認できます。
サービス別の詳しい条件
各サービスの料金の組み立て方と制限は、個別のページで扱っています。一次取次のみで受付時間を9時から19時の間で設定できるのはfondeskの料金と制限、取次転送とクレーム対応を基本プランに含めているのはCUBE電話代行サービスの料金と条件です。
営業電話をカウントから除外し、通話録音を全プラン標準にしているのは渋谷オフィスの電話代行の料金と条件、月額を含まれる回数で割ると超過単価と一致する料金表を持つのはMKサービスの電話代行の料金と条件、人とAIを使い分けられるのはインターコードの電話代行の料金と条件です。
契約期間と解約の締め日も会社ごとに違い、申し出た日によって支払う月数が変わります。こちらは電話代行の契約期間と解約にまとめました。そもそも人に受けてもらうのではなく自社で受ける仕組みを整えるという選択肢については、電話代行とクラウドPBX・IVRの使い分けで判断軸を整理しています。
出典(いずれも2026年10月14日に確認)
fondesk「料金」https://www.fondesk.jp/price//「fondeskの特長」https://www.fondesk.jp/feature//「サービス利用規約」https://www.fondesk.jp/terms/
CUBE電話代行サービス「料金シミュレーション」https://www.cube108.jp/service/simulator.html/「電話代行の費用・料金プラン」https://www.cube108.jp/service/compare.html/「よくあるご質問」https://www.cube108.jp/faq/
渋谷オフィス「スタータープラン」https://www.shibuya-office.co.jp/start-plan//「プラン一覧 比較表」https://www.shibuya-office.co.jp/plan.html
MKサービス「料金案内」https://kschannel.jp/ryokinGuid.htm/「よくあるご質問集」https://kschannel.jp/QA_MOST.htm
インターコード「電話代行の料金表」https://i-chord.com/price//「よくある質問」https://i-chord.com/qa/

