給与明細電子化サービスのおすすめ5選!メリットや普及率を解説!

給与明細が必要な理由とは?

給与明細は、企業が従業員に発行する、労働日数や基本給、税金についての内訳が記載された書面です。企業に雇用されて働いた経験がある人ならば、一度は手にしたことがあるでしょう。

厳密にいうと労働基準法の範囲では、企業が給与明細を発行する義務はありません。「賃金台帳を整備する義務」については明記されていますが、給与明細に関する記述は存在しないのです。

ですが実際のところ、ほとんどの企業が給与明細を発行しています。その理由は、健康保険法や所得税法などの法律にあります。

健康保険法では「税金や保険料控除を行なった際、その計算の内訳を社員に通知すること」が義務付けられています。それぞれの控除額(天引きされた金額)は、必ずすべての社員が把握できるようにしなければなりません。

また所得税法では、「給与等の金額その他必要な事項を記載した支払明細書を、その支払いを受ける者に交付しなければならない」という旨の記述があります。

つまり労働基準法上の義務はないとしても、保険料や税金についての発行・通知は各法律で定められているため、企業は給与明細書を必ず交付しなければならないと考えるべきなのです。

給与明細の電子化とは?種類や普及率を解説!

給与明細の電子化とは、紙で発行している給与明細を電子ファイルに置き換えることです。業務効率化やコストカットにつながる改善策として、近年注目を集めています。給与明細の電子化は一般的に、人事労務ソフトを用いて行われます。

給与明細を電子化する方法は、主に3つに分類されます。

まずは給与明細をPDFファイルなどで作成し、メールで配信する方法です。紙に印刷し郵送するよりも、時間の短縮や紛失のリスクを減らすといったメリットがあります。

給与計算システムと連携し、決まったタイミングで自動配信する仕組みを整えれば、給与計算に関するさまざまな作業は大幅に削減します。

次に従業員がシステムにアクセスし、Web上で給与明細を確認する方法です。給与明細の電子化は、労務管理システムで行われることがほとんどです。従業員はシステム上の自身のページにアクセスし、給与明細を確認します。

最後にCD-ROMなどの外部記憶装置に記録し、配布する方法です。ただしこれは余計なコストがかかるため、一般的なやり方ではありません。

給与明細の電子化は、今後さらに普及率が上昇していくと考えられます。SmartHRが行なった調査では、人事労務ソフトの存在を認知している労務担当者のうち、およそ61.2%「自社での活用を検討したいと考えている」と回答しています。

今はまだ導入が進んでいない企業でも、労務手続きの自動化・効率化に積極的な姿勢を示していることが分かるでしょう。

給与明細の電子化は違法ではないの?同意しない社員への対処・強制は可能か法律を解説!

給与明細の電子化は法的にまったく問題ありません。また保険料控除の計算を通知する義務についても、紙でなければならないという記載はされていません。

ただし一点、所得税法で定められた条件については注意が必要です。所得税法第231条第2項では、「従業員からの同意が得られない限りは、書面で交付しなければならない」と義務付けられています。つまり給与明細の電子化は「従業員が電子化に同意していること」が必須条件となるのです。

電子交付について具体的な方法やファイルの形式を示し、従業員に納得してもらう必要があります。

この条件を満たせない場合は、紙での交付を行わなければなりません。この場合、労務担当者は書面と電子ファイルの両方で交付することになり、余計な手間がかかってしまう恐れもあります。

同意を得られない従業員に対して、電子ファイルでの受け取りを強制することはできません。もし拒否された場合は、その理由について詳しく話し合ってみることをおすすめします。

従業員の中には、電子ファイルでの交付のメリットや意図を正確に理解していない方もいるかもしれません。また個人情報が関わる内容なので、セキュリティ面での不安を抱えている方もいるでしょう。

説明の機会を設けることで納得してもらえることもあります。誠意を持って相手の考えを理解し、双方にメリットがある旨を正しく伝えるのがポイントです。

給与明細が電子化された場合、確定申告はどうする?

電子化された給与明細をプリントアウトしたものは、確定申告の書類として認められません。確定申告の際の提出書類は、支払者から書面で交付された書類のみ認められるという決まりになっているからです。これにはデータの改ざんを防ぐ目的があるようです。

そのため従業員が自身で確定申告を行う場合、企業に書面での交付を申請する必要があります。企業はこの申請を拒否できません。

ただし電子交付された源泉徴収票を用いて、e-Taxで確定申告を行うことは可能です。e-Taxとはインターネットを通して税申告を行うシステムです。所定のデータ形式であり、かつ電子署名が付与された源泉徴収票があれば、確定申告の添付書類として認められます。

給与明細の電子化のメリット、デメリットをまとめました!

給与明細の電子化のメリット、デメリットを、企業・従業員それぞれの視点から解説します。

企業のメリット

まずは企業側のメリットについて解説します。

コストカット

書面で給与明細を発行すると、印刷代や郵送代などさまざまな費用が発生します。一人あたりにかかる金額は少ないかもしれませんが、従業員の数が多くなるにつれて看過できないものとなるでしょう。

一方、給与明細を電子化すれば、システム利用料以外の費用はかからなくなります。給与明細書の発行費用は毎月の固定費です。経費削減を望む企業にとっては、一度見直す価値があるでしょう。

セキュリティの向上

給与明細書は重要な個人情報であるため、厳重に管理しなければなりません。書類を発行して郵送するプロセスには、紛失のリスクが潜んでいます。従業員が給与明細を受け取れないという事態も考えられます。

その際書面での交付だと、そもそもプリントアウトできていないのか、郵送時に紛失してしまったのかを判断することは難しくなります。

一方、電子交付の場合、紛失や情報漏えいのリスクは最小限に抑えられます。もしメールの送信先を誤ってしまった場合でも、パスワードがなければアクセスできないので、トラブルにつながりにくいのです。

ただし、情報漏えいの可能性がゼロになるわけではありません。社内のセキュリティ体制が万全であることが前提となります。すべての従業員にリスクを認識してもらい、セキュリティ意識の向上に努めましょう。

データ管理が楽になる

さまざまな手続きの場面で、労務担当者が従業員のデータを参照する機会は多くあります。社会保険や年末調整手続きはもちろん、確定申告を行う従業員からの情報開示の問い合わせなどです。

これらの際も、情報とデータとして保存しておけば、即座に検索して必要な情報にアクセスできるでしょう。業務効率の観点でみると、かかる手間や時間は紙の場合と比べ物になりません。給与明細の電子化には、労務担当者の負担を減らせるメリットもあるのです。

ヒューマンエラーを防ぐ

給与明細の電子化は、労務管理システムを用いて行います。労務管理システムは法改正などに素早く対応してくれるものも多く、給与計算や書類作成が自動で可能になるため、ヒューマンエラーの防止につながります。業務をスピーディかつ正確に実施できるようになるでしょう。

従業員のメリット

次に従業員のメリットを解説します。

自分で管理する必要がなくなる

明細書を電子化すれば、従業員が自ら保管しておく必要がなくなります。システムで必要な時にアクセスすれば良いのです。PDFデータをパソコンにダウンロードしておくこともできます。うっかり紛失してしまう心配もありません。

時間や場所を問わず給与明細を確認できる

電子化した給与明細書は、パソコンやスマートフォンから閲覧できます。多くのシステムはスマートフォンやタブレットに対応しているので、外出先からのアクセスも簡単です。突然数ヶ月分の給与や社会保険の情報が必要になった際も、すぐに確認できるでしょう。

企業のデメリット

給与明細の電子化には、デメリットも存在します。まずは企業側のデメリットを解説します。

従業員にしっかりと理解してもらわなければならない

法律に基づき、給与明細の電子化には従業員の同意が必須となります。一人ひとりに具体的な通知方法などを正確に理解し、同意をもらわなければなりません。企業の都合を一方的に押し付けるだけでは、従業員からの不信感につながるでしょう。

PCの操作に慣れていない人にとって、電子ファイルの扱いは不便だと感じるかもしれません。その場合は書面で発行しなければならず、工数や手間が余計にかかることも考えられます。システムの導入が本当に自社にとってプラスになるのかを、事前にじっくりと検討する必要があります。

導入コストがかかる

給与明細電子化のためのシステムは、初期費用とランニングコストがかかります。一般的に、企業の規模や利用機能に応じて、料金は変動します。システムによって料金は異なるので、費用対効果があるのかどうかは事前に検討しておきましょう。

従業員のデメリット

従業員にとってのデメリットを解説します。

プリントアウトが面倒

電子化により厳重に管理されているとはいえ、書面で保管しておきたいと考える従業員もいるでしょう。自ら印刷したり、企業にその都度申請を行うのは、従業員にとっても余計な手間です。自宅にプリンターがない人にとっては不便を感じるでしょう。

ITツールを所有していない

スマートフォンやPCなどインターネットに接続される端末を持っていない人もいます。また電子化された書類の閲覧方法が分からない人もいるでしょう。ITツールを所有していない、あるいは操作に慣れていない世代の従業員には、結果的に不便を強いることになりかねません。

給与明細の電子化で企業が行うべき対応とは?

給与明細の電子化を行う際、企業は以下の対応を取らなければなりません。

従業員からの同意を得る

雇用契約を結ぶ際に、給与明細の電子化について理解してもらうことは欠かせません。新たに給与明細の電子化を行う際には、すでに働いている従業員と話し合う機会を設ける必要もあるでしょう。

閲覧方法の説明

具体的にどのような手順で給与明細を通知するのかを、従業員に説明します。ITツールに不慣れな人が多い環境であれば、マニュアルを整備しておくのも重要です。

セキュリティ意識の向上

電子化において細心の注意を払うべきなのがセキュリティです。第三者が給与明細書を閲覧したり、書き換えたりする事態は絶対に避けなければなりません。システムの導入前には、ウイルス対策やデータのバックアップなどのセキュリティ環境を整備しておく必要があります。

給与明細電子化サービスの選び方を解説!

給与明細電子化サービスは以下の基準で選びましょう。

閲覧方式

電子化した給与明細は、システムから従業員がログインし、Web上で閲覧する方式のものが多いです。誰でも簡単に操作できるよう、シンプルな管理画面のシステムを選ぶと良いでしょう。パソコンやスマートフォンからでも閲覧可能かどうかも重要です。

設定したタイミングで、従業員のメールアドレスにファイルを配信する形式のシステムを利用するのであれば、すべての社員のメールアドレスを厳重に管理しなくてはなりません。従業員の年齢層やITリテラシーなどを考慮して選ぶことが大切です。

サポート体制

給与明細の通知を完全に電子化すると、万が一システムに不具合が発生した場合、業務に混乱をきたす可能性もあります。メールや電話ですぐに対応してもらえるかどうか、サポートの有無も確認しておきましょう。

またシステムに慣れていない従業員から、「ログインできない」などの問い合わせが発生する事態も想定されます。規模の大きな企業の場合、個別に対応するのはかなりの労力がかかるでしょう。サポート窓口が用意されているシステムであれば安心です。

給与明細電子化サービスのおすすめ5選!

給与明細を電子化できるおすすめのサービスを紹介します。

人気急上昇、SmartHR

SmartHRは、近年急速に導入企業が拡大しているクラウド人事労務システムです。入社手続きから年末調整まで、社内のあらゆる労務手続きをシンプルに実現します。

給与明細書はWeb上で発行でき、従業員が自分のページにログインすると閲覧可能です。SmartHRは、柔軟な仕様が魅力です。雇用形態によって支払い項目が異なるなどのイレギュラーな条件でも問題ありません。

年末調整は従業員がアンケートに答える形式で情報を入力すると、スピーディに手続きが完了します。入社手続きも自動で書類を作成できます。全社員の基本情報から過去の給与データまで、一台でまとめられるシステムと言えるでしょう。

全国で20,000社以上の導入実績があり、現在でも毎月1,000社のペースで導入されています。

SmartHR

シンプルなデザインが魅力、人事労務freee

人事労務freeeは、日々の給与計算から労務管理までをトータルで行う労務管理システムです。勤怠データを元に給与や税金をリアルタイムで計算すると共に、年末調整や保険、税金の手続きを簡略化します。

直感的でスタイリッシュなデザインが特徴的です。支給額や控除額が、非常に見やすくまとめられます。給与明細はWeb上で閲覧可能です。ITツールに慣れていない従業員でも容易に操作できるでしょう。

人事労務 freee

格安でペーパーレスを実現、e-navi給与明細WEB

e-navi給与明細WEBは、低コストで給与明細の電子化を実現できるシステムです。閲覧はWebとメール配信に対応しています。Web版は、従業員一人あたり月額30円と格安で利用可能です。賞与明細や源泉徴収票はオプションとして一人あたり10円で発行できます。

外部の給与計算システムなどを使って算出した給与データも、CSVファイル形式で取り込むだけで、給与明細として表示できます。管理者側の操作も非常にシンプルに設計されています。従業員はPC、スマートフォン、フィーチャーフォンから給与明細の閲覧が可能です。

e-navi給与明細WEB

コンサルティング企業が開発、Web給与明細システム

Web給与明細システムは、コンサルティング会社アクティブアンドカンパニーが提供する給与明細システムです。適切でないデータの自動検知機能などが搭載されており、誤操作のリスクを最小限に抑えられます。

CSVファイルであればどんな給与計算システムからでもデータの取り込みが可能です。給与計算から通知までの業務をシンプルに行えます。

Web給与明細システム

自社に合わせてカスタマイズできる、給与奉行10(勘定奉行のOBC)

給与奉行10は、給与計算にまつわるさまざまな業務を細部まで徹底サポートしてくれる給与計算システムです。給与明細はWeb・メールでの確認が可能で、メール配信の場合は支給日に自動配信できます。

データはMicrosoftのクラウドシステムAzure上に管理されており、堅牢なセキュリティも魅力的です。また明細の項目は標準で40項目ありますが、最大60項目まで拡張することもできます。自社の独自の手当に合わせて柔軟な対応が可能です。

給与奉行10(勘定奉行のOBC)

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