クラウド型グループウェア比較|課金の型・最低人数・容量を現行5製品の公式価格で検証【2026年】

クラウド型グループウェア5製品を料金で比較するアイキャッチ。課金単位、最低人数、容量の3軸を並べた図

クラウド型グループウェアの料金は、どの製品も「1ユーザーいくら」と書かれています。しかし実際に見積もりを取ると、同じ人数でも月額が2倍から4倍ひらきます。理由は単価の差ではなく、何を単位に課金するかが製品ごとに違うからです。人数で数える製品、人数の枠で数える製品、ディスク容量で追加料金が積み上がる製品が混ざっています。

この記事では、クラウド型グループウェアとして継続的に提供されている5製品の公式価格ページを2026年9月16日に確認し、基本料金・最低利用人数・標準ディスク容量・無料お試し期間・解約条件を同じ表に並べ直しました。そのうえで、10人・20人・50人・100人の4つの規模で月額を計算し、どこで順位が入れ替わるかを示します。金額はすべて公式ページに掲載されている数字だけを使い、値引きや代理店価格は扱いません。

先に結論

  • 5製品のうちJ-MOTTOだけが「人数の枠」で課金する定額型で、20ユーザーまで月額4,000円(税抜)。残り4製品はすべて1ユーザー単位の従量型です。
  • そのかわりJ-MOTTOの標準ディスク容量はスタンダードプランで300MBまで。他社は5GB×ユーザー数なので、100人規模では容量が400倍以上ひらきます。
  • 従量型4製品の単価は月額600円(サイボウズ Office スタンダード/desknet’s NEO ライト)から3,000円(kintone ワイド)まで。最低利用人数は5人・10人・1,000人と製品ごとに違い、少人数では単価より最低人数のほうが効きます。
  • kintoneはスケジュールや掲示板を最初から持つ製品ではなく、業務アプリを自分で作るプラットフォームです。サイボウズ自身がGaroonとの併用を案内しています。
各社公式の価格ページに掲載されている金額を2026年9月16日に確認して整理(金額は特記なき限り税抜)

比較する5製品と、選んだ基準

グループウェアという言葉が指す範囲は広く、社内チャット単体のサービスや、文書管理だけのサービスまで含めて紹介されることがあります。この記事では対象を絞り、次の3つをすべて満たす製品だけを扱いました。

1クラウド版(SaaS)として、サーバーを自社で用意せずに契約できること。オンプレミス専用の製品は除きました。
2スケジュール共有・掲示板・ワークフローなど複数の機能を1つの契約でまとめて使えること。単機能サービスは除きました。
3提供会社の公式サイトに料金が金額で掲載されていること。「お問い合わせください」だけの製品は、同じ条件で比べられないため除きました。
この記事の掲載基準。3つすべてを満たす製品だけを比較対象にしています

この基準で残ったのが、サイボウズ Office クラウド版、Garoon クラウド版、desknet’s NEO クラウド版、J-MOTTOグループウェア、kintoneの5製品です。いずれも新規申し込みを受け付けており、提供終了の告知は出ていません(2026年9月16日時点で各社公式サイトを確認)。

なお、パッケージ版(オンプレミス)については、サイボウズがGaroonの公式サイトで「パッケージ版 Garoonは、2027年10月より順次ライセンスの販売を終了し、2033年1月末をもってサポート終了いたします」と告知しています。自社サーバーで運用している場合は、この期限を前提に移行計画を立てる必要があります。

掲載順は料金の安い順でも、広告の有無でもありません。課金の型が近いものを隣に並べ、比較しやすい順にしています。各社から掲載の対価は受け取っていません。

まず基本条件を1つの表にそろえる

各社の価格ページは、単価を大きく載せるところ、プラン表を先に見せるところ、税込で書くところと形式がばらばらです。比べる前に、同じ6項目へ置き直しました。税抜・税込の別は各社の表記に合わせています。

製品 提供会社 基本料金 最低利用人数 標準ディスク容量 無料お試し
サイボウズ Office
クラウド版
サイボウズ株式会社 スタンダード 月600円/1ユーザー
プレミアム 月1,000円/1ユーザー
(税抜)
5ユーザー 5GB×契約ユーザー数 30日間
Garoon
クラウド版
サイボウズ株式会社 月900円/1ユーザー
(〜1,000ユーザー・税抜)
10人 5GB×ユーザー数 30日間
desknet’s NEO
クラウド版
株式会社ネオジャパン ライト 月600円/スタンダード 月800円/プレミアム 月1,000円/チャットプラス 月760円(いずれも1ユーザー・税抜) 5ユーザー 5GB×ユーザー数
+ドライブ1GB×ユーザー数
30日間
J-MOTTO
グループウェア
リスモン・ビジネス・ポータル株式会社 スタンダード 20ユーザーまで月4,000円(税込4,400円)
ライト 10ユーザーまで年20,000円(税込22,000円・年払いのみ)
プランの上限で管理(1人から契約可) スタンダード300MBまで
ライト100MBまで
最大3ヶ月
kintone サイボウズ株式会社 ライト 月1,000円/スタンダード 月1,800円/ワイド 月3,000円(いずれも1ユーザー・税抜) ライト・スタンダード 10ユーザー
ワイド 1,000ユーザー
5GB×ユーザー数 30日間

初期費用はどの製品も0円です。サイボウズ Officeは「初期費用は無料」、Garoonとdesknet’s NEOは「初期費用0円」、kintoneは「初期費用無料」、J-MOTTOは「入会金 無料」と、それぞれの公式価格ページに明記されています。導入時の一時金で差が付く要素はありません。

差が出るのは最低利用人数です。サイボウズ Officeとdesknet’s NEOは5ユーザーから、Garoonとkintoneのライト・スタンダードは10ユーザーから契約できます。kintoneのワイドコースだけは最小1,000ユーザーで、中小企業が選べる価格帯ではありません。つまり「kintoneは月3,000円もする」という比較のしかたは実態と合っておらず、10人規模で比べるならライトコースの月1,000円が該当します。

課金の型は2つに分かれる

5製品の料金体系を整理すると、人数に比例して増える従量型と、人数の枠で決まる定額型の2つに分かれます。この違いが、規模によって順位が入れ替わる原因です。

従量型

1ユーザーごとに積み上がる(4製品)

サイボウズ Office、Garoon、desknet’s NEO、kintoneがこの型です。人数×単価がそのまま月額になり、1人増えれば単価分だけ増えます。少人数なら安く、人数が増えるほど総額が伸びます。

ディスク容量も「5GB×ユーザー数」と人数に連動するため、人が増えると容量も自動で増えます。容量不足で別料金が発生しにくいのが利点です。

定額型

人数の枠で決まる(J-MOTTO)

スタンダードプランは20ユーザーまで月4,000円。1人でも20人でも同じ金額です。20人を超えると10ユーザー単位で1,500円ずつ加算される仕組みで、人数が増えるほど1人あたりの負担は下がります。

ただしディスク容量は人数に連動せず、標準で300MBまで。10ユーザー追加ごとに100MBが付きますが、それ以上必要な場合は50MB単位で別料金になります。

課金の型の違い。従量型は人数に比例し、定額型は枠で決まる

この差は小さく見えて、見積書の総額を大きく動かします。次の節で、同じ人数を入れて計算します。

10人・20人・50人・100人で月額を計算する

各社の公式価格から、条件をそろえて月額を計算しました。従量型は最も安いコース(サイボウズ Officeはスタンダード、desknet’s NEOはライト、kintoneはライト)を使い、Garoonは単一価格です。J-MOTTOはスタンダードプランの月払いで、20ユーザーを超える分は「10ユーザー毎1,500円」を積み上げています。オプションは含めず、税抜で統一しました(J-MOTTOは公式表記が税込併記のため、税抜額を使用)。

製品・コース 10人 20人 50人 100人
J-MOTTO スタンダード 4,000円 4,000円 8,500円 16,000円
サイボウズ Office スタンダード 6,000円 12,000円 30,000円 60,000円
desknet’s NEO ライト 6,000円 12,000円 30,000円 60,000円
Garoon 9,000円 18,000円 45,000円 90,000円
kintone ライト 10,000円 20,000円 50,000円 100,000円

計算方法を書き添えます。J-MOTTOの50人は、基本料金4,000円に、20人を超える30人分として「10ユーザー毎1,500円」を3口(4,500円)足した8,500円です。100人なら80人分を8口で12,000円、合計16,000円になります。ほかの4製品は単価×人数の単純計算です。

この表で目を引くのは、人数が増えるほど差が開くことです。10人ではJ-MOTTOとkintoneライトの差は6,000円ですが、100人では84,000円になります。年額に直すと100万円を超える差です。一方で、10人規模なら従量型どうしの差は月4,000円以内に収まっており、金額だけで決める場面ではありません。

人数が20人前後で迷っているなら、「今後2年で何人まで増えるか」を先に決めてから見積もるのが確実です。J-MOTTOは20人の枠を超えた瞬間に10人分まとめての加算になるため、21人と30人は同じ5,500円です。逆に21人だけで運用するなら、10人分を使い切らないまま払うことになります。

ディスク容量の数え方は製品ごとに違う

料金表の右端に小さく書かれている容量が、実務では一番効いてくる項目です。グループウェアはメールの添付ファイル、ワークフローの添付、掲示板の画像、ファイル管理と、容量を使う機能が集中しています。

製品 標準容量の数え方 10人のとき 100人のとき 追加料金
サイボウズ Office 5GB×契約ユーザー数 50GB 500GB 公式価格ページに単独の増設料金の記載なし
Garoon 5GB×ユーザー数 50GB 500GB ディスク増設 月1,000円/10GB
desknet’s NEO 5GB×ユーザー数+ドライブ1GB×ユーザー数 50GB+10GB 500GB+100GB ディスク増設20GB 月2,000円/ドライブ増設20GB 月2,000円
J-MOTTO スタンダード プラン全体で300MB(10ユーザー追加ごとに100MB付与) 300MB 1,100MB 50MB毎650円(総容量1GBまで)/50MB毎600円(1GB超)
kintone 5GB×ユーザー数 50GB 500GB ディスク増設 月1,000円/10GB

100人で比べると、従量型4製品が500GBなのに対し、J-MOTTOは1,100MB(約1.1GB)です。400倍以上の差があります。これはJ-MOTTOの手落ちではなく、意図的な設計です。J-MOTTOは公式サイトで「ディスク容量を300MB〜とコンパクトにして、1ユーザーあたり月額220円(税込)と低価格を実現していることが、J-MOTTOグループウェアの特徴です」と明言しており、容量と引き換えに単価を下げた製品だと自ら説明しています。

したがって、J-MOTTOを候補に入れるかどうかは「グループウェアに何を置くか」で決まります。スケジュールと掲示板と社内連絡が中心で、ファイルは別のクラウドストレージに置く運用なら300MBでも回ります。反対に、ワークフローに見積書PDFを添付して回覧し、そのまま保管する運用なら、追加料金が毎月積み上がります。50MBで650円という単価は、1GBあたりに直すと1万円を超えるため、容量を買い足す前提で選ぶ製品ではありません。

容量の追加料金を織り込んだ比較をしたい場合は、現在の共有フォルダの使用量を実測してから見積もってください。年間の増加分も足す必要があります。数値を把握していない段階で「300MBで足りるはず」と決めると、契約後に差額が出ます。

5製品それぞれの強みと弱み

ここからは製品ごとに、公式ページで確認できた事実をもとに、他製品と比べたときの強みと弱みを整理します。価格ページの実画面も添えました。

サイボウズ Office クラウド版

サイボウズ Officeクラウド版の公式価格ページの画面。スタンダードコース月額600円、プレミアムコース月額1,000円と表示されている
出典:サイボウズ Office クラウド版 価格(2026年9月16日確認)

サイボウズ株式会社が提供する中小企業向けグループウェアです。コースは2つで、スタンダードが月600円、プレミアムが月1,000円。価格ページの注記によれば、2コースの差はカスタムアプリ機能を搭載するかどうかだけで、それ以外で使える機能に違いはないとされています。上位コースでセキュリティ機能が解放される製品が多いなかで、IPアドレス制限や認証アプリによる認証といったセキュリティ設定は両コースに含まれます。

強みは、契約の下限が5ユーザーと低いことです。10人からのGaroon・kintoneに対し、5人・6人の会社でも正規に契約できます。5ユーザーのスタンダードなら月3,000円で、この記事の5製品のなかでは従量型として最も小さく始められる構成です。

弱みは対応言語と拡張性です。サイボウズはGaroonとの比較ページで、サイボウズ Officeについて「対象言語は日本語のみです」「トップページは1つのみ」と明示しています。海外拠点や外国籍の社員が使う前提だと、この時点で選択肢から外れます。また推奨人数についても、価格ページには「300ユーザーまでの利用を推奨しております」とある一方、Garoonとの比較ページでは「100人までの組織におすすめ」「100人以下の組織で利用できます」と書かれており、同じ公式サイト内で前提が異なります。100人を大きく超える規模で検討する場合は、この点を営業窓口に確認したほうが安全です。

詳しい機能と契約条件はサイボウズ Office クラウド版の料金と条件にまとめています。

Garoon クラウド版

Garoonクラウド版の公式価格ページの画面。月額900円、年額10,800円、初期費用0円、利用人数10人からと表示されている
出典:サイボウズ Garoon クラウド版 価格・購入方法(2026年9月16日確認)

同じサイボウズの製品ですが、こちらは中堅・大規模向けです。価格は1,000ユーザーまで一律で月900円、1,001ユーザー以上は問い合わせ扱いになります。コース分けがなく、機能を絞った安いプランがないかわりに、最初から全機能を使えます。見積もりの読み違いが起きにくい料金体系です。

強みは、大規模組織を想定した管理機能と多言語対応です。公式の比較ページには「きめ細やかなアクセス権の設定や、アクセスログの取得も可能」「システム管理者から各部門の担当者などへ管理権限を移譲することができます」「日・英・簡・繁の4言語に対応」と書かれています。部署数が多く、権限設計が細かい組織や、海外拠点を持つ組織では、この差が運用負荷に直結します。ポータル(トップ画面)を用途別に複数作れる点も、サイボウズ Officeとの明確な違いです。

弱みは単価です。月900円はサイボウズ Officeスタンダードの1.5倍、desknet’s NEOライトの1.5倍にあたります。最低利用人数も10人なので、10人未満の会社は契約できません。全機能が使える設計は、裏を返せば「使わない機能の分も払う」構成でもあります。

オプション価格も公開されています。セキュアアクセス(クライアント証明書をインストールした端末だけにアクセスを制限する仕組み)が月250円/1ユーザー、ディスク増設が月1,000円/10GB、kintoneなどと連携する連携コネクタは3,000ステップまで月0円です。セキュアアクセスは「Garoonとユーザー数をそろえる必要はありません。例えば外出する方の分だけを契約することも可能です」と案内されており、全社分を買わずに済みます。

機能一覧と契約条件はGaroon クラウド版の料金と条件で扱っています。

desknet’s NEO クラウド版

desknet's NEOクラウド版の公式価格ページの画面。ライト600円、スタンダード800円、プレミアム1,000円、チャットプラス760円のプラン表が表示されている
出典:desknet’s NEO クラウド版 価格・ご購入方法(2026年9月16日確認)

株式会社ネオジャパン(東京証券取引所プライム市場・証券コード3921、設立1992年2月29日)が開発するグループウェアです。5製品のなかで唯一、プランが4つに分かれています。ライト600円はグループウェア機能のみ、スタンダード800円はノーコードツール(AppSuite)が付き、プレミアム1,000円はさらにビジネスチャット(ChatLuck)が付きます。チャットプラス760円は、ノーコードツールを外してチャットだけを足した構成です。

強みは、必要な機能だけを選んで単価を決められることです。「チャットは別サービスを使っているのでいらない」「業務アプリは作らない」といった条件に合わせて、600円から1,000円の範囲で調整できます。他社が2〜3コースなのに対し、選択肢が細かく用意されています。ディスク容量も、5GB×ユーザー数に加えてドライブ容量1GB×ユーザー数が別枠で付くため、実質的に5製品で最も余裕があります。

弱みは、プランの混在ができないことです。公式ページには、5ユーザーから1ユーザー単位で契約できる一方で、プランを混在させることはできないと記載があります。一部の部署だけプレミアムにして、残りをライトにするという運用はできません。全社で一番上の要件に合わせるか、全社で妥協するかの二択になります。

オプションの単価も公開されています。クライアント認証が1デバイス200円(5デバイスから)、ディスク増設20GBが2,000円、ChatLuckの単体追加が1ユーザー300円です。プレミアムにするか、ライトにChatLuckを足すかで比べると、前者は1,000円、後者は900円で、後者のほうが100円安くなります。ただしプレミアムにはChatLuck分のディスク容量1GB×ユーザー数が付くため、単価だけでは判断できません。

プランごとの差はdesknet’s NEO クラウド版の料金と条件で詳しく比べています。

J-MOTTOグループウェア

J-MOTTOの公式料金ページの画面。スタンダードプランは20ユーザーまで月4,000円、ライトプランは10ユーザーまで年20,000円と表示されている
出典:J-MOTTO 料金(2026年9月16日確認)

リスモン・ビジネス・ポータル株式会社(リスクモンスターグループ)が運営する会員制サービスです。ここで押さえておくべきなのは、J-MOTTOグループウェアの中身がdesknet’s NEOだという点です。J-MOTTO公式サイトには「国内最大級の導入実績を誇る大人気グループウェア『desknet’s NEO』のシステムを採用したクラウドサービスです」「リスモン・ビジネス・ポータルは2000年よりネオジャパン社のパートナーとしてdesknet’s NEOのクラウド版を『J-MOTTO グループウェア』の名称で提供しております」と書かれています。つまり5製品のうち2つは、同じ製品の提供形態違いです。

強みは価格です。スタンダードプランは20ユーザーまで月4,000円(税込4,400円)で、20人で使えば1人あたり税込220円。desknet’s NEOライトの税込660円と比べて3分の1です。J-MOTTO自身も比較として「desknet’s NEOクラウド 月額660円/1ユーザー・5GB」を並べており、価格差を隠していません。無料お試しも最大3ヶ月と、他社の30日間より長く取れます。年度をまたいで検証したい場合に効きます。

弱みは、容量と機能の削り方です。公式サイトの比較表には、J-MOTTOでは非提供のものとして「操作ログ機能、PC用デスクトップアプリ、一部標準機能、セキュリティ有償オプション(端末認証他)」が挙げられています。操作ログが取れないため、内部統制や監査で操作履歴の提出を求められる組織には向きません。バージョンについても「2026年6月現在、1世代の差があります」と記載があり、最新機能はネオジャパン側に先に入ります。

一方で、J-MOTTO独自の提供もあります。スマートフォンからのPC版ログイン、J-MOTTO版スマートフォンアプリ、GoogleカレンダーからJ-MOTTOのスケジュール機能への片方向連携(無料)がそれにあたります。ログイン・管理画面・ユーザー登録はJ-MOTTO独自システムです。

どちらを選ぶかの判断軸はJ-MOTTOグループウェアの料金と条件に整理しました。

kintone

kintoneの公式料金ページの画面。ライトコース月額1,000円、スタンダードコース月額1,800円、ワイドコース月額3,000円の3コースが表示されている
出典:kintone 料金(2026年9月16日確認)

5製品のなかで、kintoneだけは性格が違います。公式の比較ページでGaroonは「グループウェア」、kintoneは「クラウドプラットフォーム」と呼び分けられており、前者は全社の情報共有、後者は業務システムの作成が守備範囲とされています。スケジュールや掲示板が最初から入っているのがGaroonやサイボウズ Office、業務に合わせて自分でアプリを追加するのがkintoneです。

この違いは比較検討で誤解されやすいところです。同じ比較ページには「Garoonとkintoneはどちらもサイボウズのサービスですが、機能や特性が全く異なります」とあり、さらに2024年のサイボウズユーザーアンケートとして「クラウド版 Garoonをご利用のお客様の約51%がkintoneも導入」という数字が示されています。競合というより、併用される組み合わせです。

強みは、業務に合わせて仕組みを作れる自由度です。コースごとにアプリ数がライト200個、スタンダード1,000個、ワイド3,000個、スペース数が100個・500個・1,000個と決まっています。ライトとスタンダードの差は、外部サービス連携やプラグインなどの拡張機能が使えるかどうかで、公式の料金表では拡張機能はスタンダード以上に付きます。案件管理や日報、受発注管理のように、自社の項目で作りたい業務がある場合は、既製のグループウェアより合わせやすくなります。

弱みは、全社の情報共有だけを目的にしたときの割高さです。10人でライトコースを使うと月10,000円で、同じ10人のJ-MOTTOスタンダード(4,000円)の2.5倍、サイボウズ Officeスタンダード(6,000円)の1.7倍です。しかもスケジュール共有や全社通達といった機能は、自分でアプリを作るか、Garoonを併用する前提になります。「グループウェアを入れたい」という目的だけでkintoneを選ぶと、作る手間と費用が二重にかかります。

サポートにも差があります。ライトコースはチャット・メールのみ、スタンダードとワイドは電話が加わります。1アプリごとのAPIリクエスト数もライトが1万/日、スタンダードが10万/日です。

コース差の詳細はkintoneの料金と条件で扱っています。

用途から逆に選ぶ

ここまでの内容を、検討している条件から引ける形にまとめ直します。あくまで公開されている条件からの整理で、実際の適合は無料お試しで確かめてください。

条件 有力な候補 理由
社員10人未満 サイボウズ Office/desknet’s NEO 最低5ユーザーから契約できる。Garoonとkintoneは10人からで契約自体ができない
コストを最優先 J-MOTTO 20ユーザーまで月4,000円の定額。人数が多いほど1人あたりが下がる
ファイル共有も1つにまとめたい desknet’s NEO 5GB×ユーザー数に加えドライブ1GB×ユーザー数が別枠。J-MOTTOは300MBで足りない
海外拠点・外国籍の社員がいる Garoon 日英簡繁の4言語とタイムゾーンに対応。サイボウズ Officeは日本語のみ
部署が多く権限設計が細かい Garoon きめ細かいアクセス権、アクセスログ取得、部門への管理権限の移譲に対応
操作ログの取得が必要 Garoon/desknet’s NEO J-MOTTOは操作ログ機能が非提供と公式に明記されている
自社独自の業務システムを作りたい kintone/desknet’s NEO スタンダード以上 kintoneはアプリ作成が主機能。desknet’s NEOはAppSuiteが付く
ビジネスチャットも同じ契約で使いたい desknet’s NEO プレミアム/チャットプラス ChatLuckが含まれる。他4製品はチャット機能を標準では含まない
導入判断に数か月かけたい J-MOTTO 無料お試しが最大3ヶ月。他4製品は30日間

表のとおり、条件が1つなら答えは出ます。難しいのは条件が複数あるときです。たとえば「10人未満」かつ「操作ログが必要」なら、サイボウズ Officeとdesknet’s NEOのうち、desknet’s NEOが残ります。「コスト最優先」かつ「ファイルもまとめたい」は両立しないので、どちらを取るかを先に決める必要があります。

契約と解約の条件を先に読む

グループウェアは一度入れると数年使う道具です。入口の金額より、途中で人数を減らしたいときや、やめたいときの条件のほうが後で効きます。サイボウズは3製品共通で「ライセンスに関するご案内(クラウド版)」に条件をまとめており、ここに月額契約と年額契約の違いが明記されています。

ユーザー数の数え方
サイボウズ3製品は「cybozu.comにログインする『人』を対象にカウント」。同時接続数やパソコンの台数ではなく、1つのアカウントを複数人で共有することもできない
月額契約のサービス期間
発注日の翌月1日から1か月間。発注月は無償利用期間。最低利用期間は1ヶ月で、解約の申し込みがない限り自動更新
年額契約のサービス期間
発注日の翌月1日から1年間。複数年分をまとめて契約することはできない。サービス終了日を迎えると自動的に解約される
人数を減らせるタイミング
月額は新規発注月と追加月を除き任意のタイミングで、翌月1日から適用。年額は期間途中は追加のみで、削減は契約更新時のみ
途中解約
月額は申し込み手続きが必要(新規発注月・ユーザー追加月・コースをアップグレードした月を除く)。年額はサービス期間の途中で解約できない
支払い方法
サイボウズから直接購入する場合、クレジットカード払い、またはマネーフォワード 掛け払い(請求書払い/口座振替)
サイボウズ「ライセンスに関するご案内(クラウド版)」で公開されている契約条件(2026年9月16日確認)。サイボウズ Office・Garoon・kintoneに共通

年額契約は途中解約ができないという条件は、見積もり段階で必ず確認しておくところです。年額は月額の10か月分(サイボウズ Officeスタンダードなら月600円に対し年7,200円)なので、2か月分安くなります。しかし、1年以内にやめる可能性が少しでもあるなら、割引分より解約できない不利のほうが大きくなります。

年額契約の途中で人を増やす場合の費用も公開されています。「サービス期間の終了日までの残月数 × 月額サービスのライセンス料金 × 追加ユーザー数」です。公式の計算例では、kintoneライトコースを10名・終了日12月31日で契約している場合、6月15日に5名追加すると残り6か月分として「6ヶ月 × 1000円(税抜)× 5ユーザー」となります。

他の2製品の条件も確認しました。desknet’s NEOは公式価格ページに「最低利用期間(最低契約期間)は1ヶ月間です。月中での契約は翌月1日から契約開始となります」「契約単位期間は1ヶ月および12ヶ月となります」と記載があります。J-MOTTOは料金ページの注記で「一度お支払いいただいた会費は、途中退会の場合も払い戻しいたしかねます」と明記しており、年払いを選んだ場合の途中退会では返金されません。

解約の手順と、解約したあとにデータがどうなるかは製品ごとに違います。乗り換えを前提に検討している場合はグループウェアの乗り換えと解約を先に読んでから契約期間を決めてください。

よくある質問

無料お試しの期間中に本契約へ移行すると、データは引き継げますか

各社の公式ページには、お試し環境から本契約への移行手順が案内されています。ただし引き継ぎの可否と条件は製品ごとに異なるため、お試しを申し込む前に、使う予定の全機能で本番同様のデータを入れてよいかを窓口に確認してください。この記事では各社のお試し環境の仕様まで確認できていないため、引き継げると断定はしません。

J-MOTTOとdesknet’s NEOはどちらを選ぶべきですか

容量と操作ログが判断の分かれ目です。ファイルをほとんど置かず、操作履歴の記録も不要なら、同等機能を3分の1の単価で使えるJ-MOTTOに合理性があります。ファイルを日常的に扱う、または操作ログが必要なら、非提供と明記されているJ-MOTTOは候補から外れます。バージョンについてもJ-MOTTOは「1世代の差があります」と公表しているため、最新機能をすぐ使いたい場合はdesknet’s NEOです。

kintoneだけでグループウェアの代わりになりますか

サイボウズ自身は、kintoneの利用者に対してGaroonとの併用をすすめています。公式ページには、kintone利用中に「全社で共有できるスケジュールが欲しい」「社内の情報やシステムの入り口を1つにまとめたい」「全社向けのお知らせや通達のためのツールが欲しい」と感じたらGaroonとの併用がおすすめ、と書かれています。スケジュール共有や全社通達が目的なら、kintone単独は素直な選び方ではありません。

人数が増減する会社はどの型が向きますか

増減が読めないなら月額契約の従量型が安全です。サイボウズ3製品の月額契約は、新規発注月と追加月を除けば任意のタイミングで人数を減らせ、翌月1日から反映されます。年額契約は期間途中に減らせません。J-MOTTOの定額型は20人の枠内であれば人数が動いても金額が変わらないため、10人から20人の間で増減する会社には向きます。

パッケージ版(自社サーバー)はまだ選べますか

製品によります。Garoonについては、サイボウズが「パッケージ版 Garoonは、2027年10月より順次ライセンスの販売を終了し、2033年1月末をもってサポート終了いたします」と告知しています。新規にパッケージ版Garoonを選ぶ判断は、この期限を踏まえたものになります。desknet’s NEOはパッケージ版の価格ページと動作環境ページが現在も公開されています。

まとめ

この記事で確認したこと

  • 初期費用は5製品とも0円。差が出るのは最低利用人数(5人・10人・1,000人)と課金の型。
  • 定額型のJ-MOTTOは100人で月16,000円、従量型のkintoneライトは月100,000円。人数が増えるほど差が開く。
  • ただしJ-MOTTOの容量は100人で1,100MB。従量型4製品の500GBとは400倍以上の開きがあり、価格差はこの設計と引き換え。
  • J-MOTTOグループウェアはdesknet’s NEOのシステムを採用した提供形態違い。操作ログ機能は非提供で、バージョンは1世代の差があると公表されている。
  • kintoneはグループウェアではなく業務アプリのプラットフォーム。サイボウズはGaroonとの併用を案内している。
  • 年額契約は途中解約ができない。人数の削減も契約更新時のみ。
2026年9月16日に各社公式サイトで確認した内容にもとづく整理

関連記事

製品ごとの詳細は次の5本にまとめています。

検討の進め方は次の3本で扱っています。

出典

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