給与計算ソフトは、月額の数字を並べても比較になりません。5社は課金の単位そのものが違い、ある製品の「1名あたり」は従業員のこと、別の製品の「1名あたり」は管理画面を使う担当者のことを指します。この記事は、2026年9月11日に各社の公式料金ページで確認できた金額と条件だけを使い、同じ従業員数を入れたときに総額がどう動くかを整理します。対象は国内で提供中の5製品です。
結論:金額より先に「1名」の定義をそろえる
5製品の料金表は、どれも「1名あたり◯◯円」「◯名まで」という書き方をしています。ところが数える対象が製品ごとに違うため、同じ従業員20名の会社でも、月額が6,400円になる製品と12,000円になる製品が出ます。安い順に並べ替える前に、自社の従業員数、給与明細をWebで受け取る人数、管理画面へログインする担当者の人数を分けて数えてください。
- 従業員数で増えるのは、freee人事労務(6名目以降1名ごと)とジョブカン給与計算(在職・休職中1名ごと)
- 利用者アカウント数で増えるのは、マネーフォワード クラウド給与(6名目以降1名ごと)
- 機能ごとに無料枠と単価が分かれるのは、弥生給与 Next(Web明細・勤怠・労務でそれぞれ別単価)
- 従業員数の上限でシステム区分が変わるのは、給与奉行クラウド(20名/50名/100名/300名/1,000名)
これは優劣の順位ではありません。人数の数え方が合っていれば、同じ会社でも最小構成の総額は下の試算のとおり2倍以上ひらきます。ひらきの理由は機能差だけではなく、課金の単位の違いです。
掲載基準・除外基準
日本国内で給与計算サービスとして公式に提供され、料金または見積の方法、機能、サポート範囲を公式ページで確認できる製品を掲載しました。提供終了したもの、公式ページで料金の考え方を確認できないもの、給与明細の配信だけで給与計算そのものを行わないもの、対象企業の規模が大きく異なる個別受託は、現行5製品の比較から外しています。掲載順は広告報酬では決めていません。
5製品の基本料金(公式ページの最小構成)
まず各社の一番小さい構成を並べます。金額はすべて公式の料金ページに掲載されているもので、税抜表記です。年払い・年契約と月払いで金額が違う製品は、年払い側の月あたり金額を先に書きます。
| 製品 | 提供会社 | 最小構成の料金(税抜) | その金額に含まれる人数 | 初期費用 |
|---|---|---|---|---|
| freee人事労務 | フリー株式会社 | ミニマム 年払い2,000円/月(月払い2,600円/月) | 従業員5名分 | なし |
| マネーフォワード クラウド給与 | 株式会社マネーフォワード | ひとり法人 年払い2,480円/月(一括29,760円/年、月払い3,980円/月) | 利用者アカウント1名分 | 0円 |
| 弥生給与 Next | 弥生株式会社 | エントリー 年契約1,700円/月(20,400円/年) | 給与明細作成は人数無制限、Web明細・Web年調・勤怠は各3名 | 0円 |
| ジョブカン給与計算 | 株式会社DONUTS | 有料プラン 1ユーザ400円/月、月額最低利用料金2,000円 | 在職中・休職中の従業員1名あたり | 0円 |
| 給与奉行クラウド | 株式会社オービックビジネスコンサルタント | iEシステム 月額5,500円(年額66,000円) | 従業員20名まで、利用者1・専門家1ライセンス | iEシステムは0円 |
給与奉行クラウドの料金体系ページは、製品名を「給与奉行iクラウド」と表記し、iE・iA・iB・iSの4区分に社員数拡張を加えた5構成を掲載しています。同じページに「初期費用は、ご利用料金とは別途50,000円(税抜)~となります」という記述もあるため、iEシステムを0円で契約できるかは見積書で確認してください。
課金の単位が違う:追加料金はどこで発生するか
基本料金の数字が近くても、6人目、21人目、51人目で起きることが違います。次の図は、各社の料金ページに書かれている「増える条件」だけを並べたものです。
ここで見落としやすいのがマネーフォワード クラウド給与です。公式の料金ページはプランの目安を「利用者1名」「利用者3名以下」「利用者4名以上」と書いており、増える単位は管理コンソールに登録するアカウントです。従業員が50名いても、給与担当が2名なら基本プランの範囲に収まる可能性があります。逆にジョブカン給与計算は在職中・休職中の従業員全員が課金対象で、内定者と退職済みの人は含みません。
| 製品 | 数える対象 | 追加単価(税抜) | 人数の上限 |
|---|---|---|---|
| freee人事労務 | 従業員数 | 6名目以降1名ごと:ミニマム400円/スターター600円/スタンダード800円/アドバンス1,100円 | 料金ページに上限の記載なし |
| マネーフォワード クラウド給与 | 利用者アカウント数 | 6名以上から300円/名 | 従業員数51名以上は問い合わせ |
| 弥生給与 Next | 機能ごとの対象従業員数 | Web明細・年末調整・源泉徴収票の配信200円/勤怠管理300円/労務管理400円/管理者アカウント300円 | 料金ページに上限の記載なし |
| ジョブカン給与計算 | 在職中・休職中の従業員数 | 1ユーザ400円(月額最低2,000円) | 有料プランは無制限、500名目安から別途見積 |
| 給与奉行クラウド | 従業員数(退職者を含まない) | 単価ではなくシステム区分で変動(月額5,500/9,000/17,000/23,000/93,000円) | 20/50/100/300/1,000名。300名超は拡張パック |
従業員20名で12か月使うといくらか(本サイトの試算)
課金単位の違いを金額に直します。条件は、従業員20名、Web給与明細を20名へ配付、管理画面を使う担当者1名、年払い・年契約、すべて税抜です。各社の公式料金ページに掲載された単価を当てはめただけの試算で、見積書の金額ではありません。キャンペーンやセット割引は含めていません。
| 製品・プラン | 内訳 | 12か月総額(税抜) | Web給与明細の扱い |
|---|---|---|---|
| 給与奉行クラウド iEシステム | 年額66,000円(従業員20名まで)、初期費用0円 | 66,000円 | 料金体系ページの基本機能一覧に明細のWeb配信は記載がなく、確認できなかった |
| 弥生給与 Next ベーシックライト | 3,000円/月+Web明細の超過17名×200円=6,400円/月 | 76,800円 | 無料枠3名を超える分は1名200円/月 |
| ジョブカン給与計算 有料プラン | 20名×400円=8,000円/月(最低額2,000円を上回る) | 96,000円 | 公式FAQに「Web給与明細・年末調整などを含む全ての機能が月額400円/人」と記載 |
| freee人事労務 スターター | 3,000円/月(5名分)+15名×600円=12,000円/月 | 144,000円 | ミニマム以上の基本機能にWEB給与明細を記載 |
| マネーフォワード クラウド給与 | 公式の課金単位が利用者アカウント数のため、従業員20名という条件だけでは決まらない | 算出せず | プラン詳細の機能表にWeb給与明細を記載 |
この並びをそのまま順位として読まないでください。給与奉行クラウドのiEシステムが最も安く出るのは、20名までを1本の料金で抱える設計だからで、21人目が入った時点でiAシステムの月額9,000円と初期費用50,000円が視野に入ります。freee人事労務が高く出るのは、20名全員が課金対象になるうえ、スターターに入退社手続きと社会保険の電子申請、従業員が自分で入力する年末調整が含まれているためです。安さの理由と高さの理由を、機能一覧と突き合わせてから比べてください。
逆に、担当者だけが使い従業員はWeb明細を受け取らない運用なら、弥生給与 Nextのエントリーは年20,400円、マネーフォワード クラウド給与のスモールビジネスは年53,760円で、上の表とは並びが変わります。人数の前提を変えると結論も変わるという意味で、この試算は自社の条件へ置き換えるための雛形です。
無料で試せる範囲と、試用が終わったあと
無料期間の長さより、終わったあとに何が残るかで差が出ます。公式ページで確認できた範囲は次のとおりです。
| 製品 | 無料で試せる範囲 | 試用が終わったあと |
|---|---|---|
| freee人事労務 | 料金ページに「初期費用はなしで、無料のお試しも可能です」と記載。対象機能と期間の明示は確認できなかった | 料金ページでは確認できなかった |
| マネーフォワード クラウド給与 | ビジネスプラン相当の機能を1か月無料 | 料金ページでは確認できなかった |
| 弥生給与 Next | 最大2か月、ベーシックプラス相当。電話サポート・労務相談・マイナンバー相談は対象外 | 弥生給与 Nextのデータ閲覧のみ可能になる |
| ジョブカン給与計算 | 登録後すぐに30日間の無料お試し | 無料プランは従業員5名まで、年末調整とAPI連携とチャットサポートが使えず、データ保証期間は30日間 |
| 給与奉行クラウド | 製品ページに30日間無料で試す案内 | 料金体系ページでは確認できなかった |
試用中にやることは決まっています。直前の給与を1か月分そのまま入れ直し、支給控除の合計と所得税・社会保険料が旧環境と一致するかを見ます。一致しない項目があれば、設定の差か業務ルールの差かを切り分けます。無料期間の残り日数ではなく、この照合が終わるかどうかで判断してください。
解約とデータの持ち出しで確認できたこと
入口の料金は各社とも詳しく書かれていますが、出口の条件は情報量に差があります。公式の料金ページで確認できたことだけを書きます。書いていないものは、申込前に各社へ問い合わせて回答を書面で受け取ってください。
| 確認したこと | 公式ページで確認できた内容 |
|---|---|
| 弥生給与 Next:プラン変更でデータが消えるか | 勤怠・労務の機能が使えないプランへ変更すると機能ページを閲覧できなくなり、1年後に勤怠・労務のデータが自動削除されると記載 |
| ジョブカン給与計算:無料プランのデータ保証 | 無料プランのデータ保証期間は30日間のみと記載 |
| 給与奉行クラウド:データの保持年数 | 現在処理年を除いて過去7年を保持でき、拡張パックで管理年数を追加できると記載。契約は法人単位の年間契約 |
| freee人事労務・マネーフォワード クラウド給与 | 料金ページには解約後のデータ保持期間の記載を確認できなかった |
年間契約かどうかも出口に効きます。給与奉行クラウドは料金体系ページに「ご契約は法人単位で年間契約となります」と明記されています。年の途中で使わなくなっても残りの期間の扱いが問題になるため、契約期間、更新のタイミング、解約通知の期限を申込書で確認しておきます。
freee人事労務:5名分の基本料金に、6名目以降を足していく

プランは5段階です。年払いのとき、5名で使う場合の月あたり金額はミニマム2,000円、スターター3,000円、スタンダード4,000円、アドバンス5,500円で、月払いにするとそれぞれ2,600円、3,900円、5,200円、7,150円になります。アウトソースだけは性格が違い、50ID分の利用料金を含んで月95,000円です。全プランとも5名から利用でき、5名分が最小料金になります。
6名目からは1名ごとの単価が乗ります。単価はプランによって違い、ミニマム400円、スターター600円、スタンダード800円、アドバンス1,100円です。アウトソースは51名以降が1名1,900円です。つまり人数が増えるほど、上位プランを選んだときの差額が人数分だけ拡大します。20名なら差は1名あたり月200円でも合計月3,000円、年36,000円になります。
プランの分かれ目は機能です。ミニマムは固定時間制の給与計算とWEB給与明細、会計ソフト連携、マイナンバー管理、管理者が入力する年末調整までです。フレックスや変形労働制、管理監督者、裁量労働制の計算、従業員が自分で入力する年末調整、入社・退社手続き、社会保険の電子申請はスターター以上に入ります。勤怠打刻、勤怠ワークフロー、勤怠アラート、有給の自動付与はスタンダード以上、身上変更ワークフローと人事情報の管理、組織図のツリー表示、2段階認証の必須化やIPアドレス制限といったセキュリティ強化、直通の電話サポートはアドバンスです。
細かいところでは、カスタム項目を使った変動手当がスタンダードでは1項目のみという制限があります。手当の種類が多い会社は、この1項目で足りるかを試用中に確かめてください。電話サポートはアドバンス以外のプランでも有償オプションとして追加できると案内されています。運用代行はスタンダード以上で1ID1,300円の追加です。
選ぶ順番としては、必要な機能から下限のプランを決め、そのあとに従業員数を掛けます。人数の多い会社ほど、機能を1段上げる判断が総額へ強く効きます。freee人事労務の詳細では、プラン別の機能差と導入時の確認項目をさらに細かく整理しています。
マネーフォワード クラウド給与:従業員数ではなく利用者アカウントで課金する

料金ページは個人向けと法人向けに分かれ、法人はさらに従業員数50名以下の目安と51名以上の目安に分かれます。50名以下向けの3プランは、年払いでひとり法人2,480円/月(一括支払29,760円/年)、スモールビジネス4,480円/月(53,760円/年)、ビジネス6,480円/月(77,760円/年)です。月払いにするとそれぞれ3,980円、5,980円、7,980円で、年払いとの差はどのプランも年18,000円です。初期費用は0円です。
この3プランを分けているのはアカウント数で、ひとり法人が1名、スモールビジネスが3名、ビジネスが5名です。6名以上は1名300円で追加します。プランの説明も「目安:経営者1名」「目安:利用者3名以下」「目安:利用者4名以上」となっており、従業員の人数ではありません。ひとり法人プランは、管理コンソールのユーザー画面に登録された人数が士業アカウントを除いて1名の場合に限って契約できると注記されています。
従業員数が51名以上になる場合は、中堅〜大企業向けとして問い合わせ扱いです。料金ページに金額の掲載はないため、この規模の会社は他社と同じ土俵で金額を比べられません。見積を取る段階で、対象人数、必要なサービス、契約期間をそろえてから依頼してください。
もうひとつの特徴は、給与単体ではなくマネーフォワード クラウドの12サービスをまとめて使える点です。料金ページには「クラウド給与を含む12サービスを、初期費用0円・月々2,480円〜利用できます」と書かれています。会計、経費、勤怠、年末調整、社会保険などを同じ基本料金の枠内で使う前提なら、給与だけの金額で他社と比べると割高に見えます。逆に給与しか使わないなら、その分の価値は乗りません。
基本プランで使える機能として、給与・賞与計算、所得税計算、雇用保険料計算、社会保険料計算、Web給与明細、銀行との振込連携、他サービスとのAPI・CSV連携が挙げられています。無料トライアルはビジネスプラン相当の機能を1か月です。マネーフォワード クラウド給与の詳細では、併用するサービスごとの確認点を扱っています。
弥生給与 Next:機能ごとに無料枠と単価が分かれる

料金は「初期費用0円+基本料金+従量課金オプション」という組み立てで示されています。年契約の基本料金は、エントリーが月あたり1,700円(年20,400円)、ベーシックライトが3,000円(36,000円)、ベーシックが4,600円(55,200円)、ベーシックプラスが7,000円(84,000円)です。いずれも税抜です。
他社と違うのは、無料で使える人数が機能ごとに決まっている点です。給与明細の作成そのものは人数無制限ですが、Web給与明細、Web年末調整、勤怠管理はエントリーからベーシックまでが各3名、ベーシックプラスが各5名です。労務管理はベーシック以上で3名、ベーシックプラスで5名です。これを超えると、Web給与明細・年末調整・源泉徴収票の配信が1名200円/月、勤怠管理の対象従業員追加が1名300円/月、労務管理の対象従業員追加が1名400円/月、管理者アカウントの追加が1名300円/月かかります。
したがって、同じ従業員20名でも使い方で総額が大きく動きます。給与計算と紙の明細だけならエントリーの年20,400円で収まりますが、20名全員にWeb明細を配ると月3,400円が乗り、勤怠管理も20名分使うならさらに月5,100円が乗ります。どの機能を何名に使うかを先に決めてから見積を作ってください。
プランの機能差も押さえておきます。エントリーはWeb年末調整の申告書は扱えますが、年末調整の自動計算と法定調書の自動作成はベーシックライト以上です。社保手続き、入社手続き、電子申請といった労務管理はベーシック以上で、ベーシックライトの段階では行政への電子申請ができません。電話サポート、労務相談、マイナンバー相談はベーシックプラスのみです。導入・運用支援はベーシックとベーシックプラス限定と案内されています。
出口の条件が明記されている点は評価できます。勤怠や労務の機能が使えないプランへ変更すると機能ページを閲覧できなくなり、1年後には勤怠・労務のデータが自動削除されると書かれています。無料体験は最大2か月でベーシックプラス相当ですが、電話サポート・労務相談・マイナンバー相談は使えず、終了後はデータ閲覧のみになります。弥生給与 Nextの詳細もあわせて確認してください。
ジョブカン給与計算:1名400円と最低2,000円だけで決まる

5製品のなかで料金表がもっとも短いのがこの製品です。初期費用とサポート費用は0円、有料プランは1ユーザあたり月400円(税抜)、月額最低利用料金は2,000円(税抜)です。従業員数の上限はなく、利用できる機能にも制限がないと書かれています。5名以下の会社は最低料金の2,000円が効くため、実質1名あたりの単価は上がります。
「1ユーザ」の定義がページ内に明示されています。在職中と休職中の従業員を指し、内定者と退職済みの従業員は含みません。年度末に退職が重なる会社では、この定義の差が請求に出ます。課金対象を月のどの時点で判定するかは料金ページに書かれていないため、見積の段階で確認しておく項目です。
オプション料金がない点も特徴です。公式のFAQには「月額料金の他に料金が発生する機能はございません」「マイナンバー管理やWeb給与明細・年末調整などを含む全ての機能が月額400円/人でご利用いただけます」と書かれています。年末調整やWeb明細を別料金にしている製品と比べるときは、この点を金額へ反映してください。
無料プランは検討の入口として使えますが、制限が明記されています。登録できる従業員は5名まで、ジョブカンシリーズのAPI連携は利用不可、年末調整は利用不可、チャットサポートは利用不可、データ保証期間は30日間のみです。無料のまま本番運用へ回す前提では成り立たない条件がそろっているため、無料プランは操作感の確認に限るのが現実的です。登録後すぐに30日間の無料お試しができるとも案内されています。
規模が大きくなる場合は、500名目安の大規模企業向けとして別途見積になります。他のジョブカンシリーズを使っている場合は1ユーザあたりの特別料金で案内されるとあるため、勤怠や労務を同シリーズで揃えている会社は問い合わせる価値があります。支払方法は請求書払いとクレジットカード払いに対応しています。導入(初期設定)のサポートは有料のプランが別に用意されています。ジョブカン給与計算の詳細も参照してください。
給与奉行クラウド:従業員数の上限でシステム区分を選ぶ

従業員1〜999人の会社向けに5つの構成が用意されています。iEシステムが月額5,500円(年額66,000円)で従業員20名まで、iAシステムが月額9,000円(年額108,000円)で50名まで、iBシステムが月額17,000円(年額204,000円)で100名まで、iSシステムが月額23,000円(年額276,000円)で300名まで、iSシステムに社員数拡張を加えた構成が月額93,000円(年額1,116,000円)で1,000名までです。初期費用は初年度のみで、iEが0円、iAが50,000円、iBが60,000円、iSが70,000円です。
| システム区分 | 月額 | 年額 | 初期費用(初年度のみ) | 従業員数 |
|---|---|---|---|---|
| iEシステム | 5,500円 | 66,000円 | 0円 | 20名まで |
| iAシステム | 9,000円 | 108,000円 | 50,000円 | 50名まで |
| iBシステム | 17,000円 | 204,000円 | 60,000円 | 100名まで |
| iSシステム | 23,000円 | 276,000円 | 70,000円 | 300名まで |
| iSシステム+社員数拡張 | 93,000円 | 1,116,000円 | 70,000円 | 1,000名まで |
この設計は、人数が上限の内側にある間は料金が動かず、上限を超えた瞬間に段が上がるという性質を持ちます。従業員20名の会社は年66,000円で収まりますが、21名になるとiAシステムの年108,000円と初期費用50,000円が必要になり、初年度の負担は2.4倍近くになります。採用を予定している会社は、現在の人数ではなく12か月後の見込み人数で区分を選んでください。従業員数に退職者は含まれません。
iEシステムの基本機能として、給与規程管理、社員管理、給与賞与、管理帳票、銀行振込、住民税納付、社会保険、年末調整、マイナンバー管理、メニュー権限、社員権限、明細項目権限、帳票パターン、プログラム自動更新、サポートサービス(リモート共有・電話・Web)が挙げられています。iA以上はこのiEの全機能を含みます。つまり上位システムの価値は機能追加ではなく、対応できる従業員数とライセンス数にあります。
ライセンス構成は全区分とも利用者1ライセンスと専門家1ライセンスです。社会保険労務士や税理士へ1枠を渡す前提の構成なので、社内で複数人が同時に使うなら追加ライセンスの見積が必要です。専門家ライセンスは追加でき、社員数と管理年数は拡張パックで増やせます。データ保持年数は現在処理年を除いて過去7年です。契約は法人単位の年間契約です。
初期費用については、料金表の数字と本文の記述が一致していない点に注意してください。表ではiEシステムが0円ですが、同じページの本文には「初期費用は、ご利用料金とは別途50,000円(税抜)~となります」とあります。給与奉行10のOMSS LLSに加入している利用者が切り替える場合は初期費用がかからないという注記もあります。自社が該当するかは見積書で確認してください。なお、この料金体系ページは製品名を「給与奉行iクラウド」と表記しています。給与奉行クラウドの詳細もあわせて確認できます。
会計・勤怠と組み合わせたときに何が変わるか
給与計算だけを単体で使う会社は多くありません。仕訳を会計へ渡す、勤怠の集計を取り込む、振込データを銀行へ送るところまでを1つの製品で完結させるか、別々に契約するかで総額と手間が変わります。料金ページで確認できた範囲を並べます。
| 製品 | 基本料金の範囲で確認できた連携 | 組み合わせたときの料金の扱い |
|---|---|---|
| freee人事労務 | ミニマムの基本機能に会計ソフト連携を記載。人事マスタ連携と給与仕訳連携も掲載 | 勤怠打刻はスタンダード以上。勤怠まで含めると1段上のプラン単価が全人数へ乗る |
| マネーフォワード クラウド給与 | 基本プランの機能に他サービスとのAPI・CSV連携、銀行との振込連携を記載 | クラウド給与を含む12サービスが同じ基本料金の対象と記載 |
| 弥生給与 Next | 勤怠管理と労務管理はプラン段階で付き、対象従業員は従量課金 | 弥生会計 Nextとのセット購入で初年度25%オフ、スタート応援キャンペーン適用で最大84,000円おトクと記載 |
| ジョブカン給与計算 | 有料プランは機能無制限。無料プランはジョブカンシリーズのAPI連携が利用不可 | 他のジョブカンシリーズ利用者には1ユーザあたりの特別料金で案内すると記載 |
| 給与奉行クラウド | iEシステムの基本機能に銀行振込と住民税納付を記載 | 料金体系ページでは他システムとの連携条件を確認できなかった |
組み合わせで注意したいのは、勤怠を同じ製品に寄せると単価が全人数へ乗る製品があることです。freee人事労務で勤怠打刻を使うにはスタンダード以上が必要で、6名目以降の単価はスターターの600円からスタンダードの800円へ上がります。従業員20名なら月3,000円、年36,000円の差です。弥生給与 Nextは勤怠管理の対象従業員だけに1名300円/月が乗るため、打刻対象が一部の従業員に限られる会社では総額が抑えられます。全員が打刻するなら、逆に一括で含むプランのほうが安くなることがあります。
会計との連携は、金額よりも運用の再現性で確認してください。勘定科目、部門、摘要が想定どおりに割り当たるか、給与を確定したあとに訂正したとき仕訳が二重にならないか、送信を取り消して再送できるかを、試用期間中に実データで試します。同じブランドの会計ソフトでも、連携が自動とは限りません。
規模と体制から候補を絞る
ここまでの条件を、会社の状態別に整理します。1つに絞り込むための表ではなく、見積を依頼する2〜3製品を選ぶための表です。
| 会社の状態 | 効いてくる条件 | 先に見積を取る候補 |
|---|---|---|
| 従業員20名前後で当面増えない | 上限20名を1本の料金で抱えられるか | 給与奉行クラウド iE、弥生給与 Next |
| 従業員が20名から50名へ増える見込み | 段が上がるときの月額差と初期費用 | ジョブカン給与計算、freee人事労務 |
| 給与担当が1〜2名で従業員数が多い | 課金単位が従業員数かアカウント数か | マネーフォワード クラウド給与 |
| Web明細を全員に配りたい | 配信人数の無料枠と超過単価 | ジョブカン給与計算、freee人事労務 |
| 勤怠と労務も同じ製品でそろえたい | 勤怠・労務が基本料金に入るプラン段階 | freee人事労務 スタンダード以上、弥生給与 Next ベーシック以上 |
| 社労士や税理士と共同で運用する | 専門家用ライセンスの有無と追加費用 | 給与奉行クラウド、マネーフォワード クラウド給与 |
| 従業員51名以上 | 公式ページに金額の掲載がなく見積が要る | 給与奉行クラウド iA以上、マネーフォワード クラウド給与(問い合わせ) |
導入判断の8ステップ
- 従業員数、Web明細を配る人数、管理画面を使う担当者数を別々に数える
- 現行業務の例外(複数締日、時給、遡及、賞与、日割)を一覧にする
- 必要な機能から各社の下限プランを決め、そのあとに人数を掛ける
- 5製品から2〜3製品へ絞り、同じ前提で12か月の見積を依頼する
- 通常月と例外月の両方を、旧環境の結果と並行計算で照合する
- 権限の分離、勤怠・会計・振込の連携、障害時の戻し方を試す
- 契約期間、更新、解約通知の期限、データの出力範囲と保持期間を書面で受け取る
- 公開後7・14・28・56日の評価日を決め、運用が回るかを見る
給与計算ソフトの関連ページ
製品詳細:freee人事労務/マネーフォワード クラウド給与/弥生給与 Next/ジョブカン給与計算/給与奉行クラウド
選定・導入・運用:給与計算ソフトの選び方|5社比較と要件定義チェックリスト/給与計算ソフトの導入・運用手順|移行テストと月次締め/給与計算ソフトの移行・解約・トラブル対策|データを失わない手順
よくある質問
結局いちばん安いのはどれですか
従業員20名でWeb明細を全員へ配る前提の試算では給与奉行クラウドのiEシステムが年66,000円で最も低く出ましたが、21名になると年108,000円と初期費用50,000円へ跳ねます。人数と使う機能を変えれば順番は入れ替わります。自社の人数を入れて計算し直してください。
無料プランだけで運用できますか
ジョブカン給与計算の無料プランは従業員5名まで、年末調整が使えず、データ保証期間は30日間です。5名以内で年末調整を外部に任せている場合を除けば、無料のまま本番運用へ回す条件はそろいません。
マネーフォワードの料金が他社と比べにくいのはなぜですか
公式の料金ページが、増える単位を従業員数ではなく利用者アカウント数で示しているためです。給与担当が2名なら従業員が何名でも基本プランの範囲に収まる可能性があり、従業員数を基準にした単純比較が成り立ちません。
切り替えるならいつがよいですか
年末調整や算定基礎届の直前は避け、旧環境との並行計算を少なくとも1〜2回置ける時期を選びます。弥生給与 Nextのように、プランを下げると1年後に勤怠・労務のデータが自動削除される製品もあるため、出力しておく帳票を先に決めておきます。
調査方法と公式情報
金額と条件は、次の各社公式ページを2026年9月11日に表示して読み取ったものです。掲載した数字は各ページに書かれているとおりで、税の扱いも各ページの表記に従っています。料金・機能・提供状態は変わるため、申し込む前に同じページで最新の内容を確認してください。本文中の12か月総額は、これらの単価を当てはめた本サイトの試算であり、見積書の金額ではありません。

