勤怠管理システム比較|料金・打刻方法・法対応を現行5製品で検証【2026年】

勤怠管理システム5製品比較のアイキャッチ。料金・打刻方法・法対応

勤怠管理システムは「1人あたりいくら」だけで比べると判断を誤ります。同じ月額300円でも、全機能込みの製品と、使う機能の数で変わる製品があり、さらに基本料金に一定人数分を含めたうえで超過分を加算する製品もあります。人数と使う機能をそろえて年額に直すと、勤怠だけなら10名規模で年3.6万円、給与計算まで含む構成では9.6万円と、約2.7倍の開きがありました。

このページでは、現在申し込める5製品を、料金の型、打刻方法、働き方改革関連法への対応という3つの軸で比較します。数値はすべて各社の公式サイトで2026年9月3日に確認したものです。

掲載基準と除外基準

掲載しているのは、2026年9月3日時点で公式サイトから新規申し込みができ、料金体系が公開されているクラウド型の勤怠管理システムです。次の基準で選んでいます。

  • 公式サイトで提供会社、料金、機能が確認できること
  • クラウド型で、打刻から集計までを1つのサービスで完結できること
  • 中小企業が単独で申し込めること(大企業向けの個別見積もり専用製品は除く)

逆に、料金が完全非公開の製品、提供終了・新規受付終了の製品、勤怠機能を持たない給与計算専用製品は除いています。掲載順は料金の型ごとにまとめており、広告報酬で順番を決めていません。各製品の数値は公式サイトの表示をそのまま使い、税区分も各社の記載に従っています。

料金は3つの型に分かれる

勤怠管理システムの料金が1人あたり定額型、機能数で変わる型、基本料金+従量型の3つに分かれることを示す図
勤怠管理システムの料金3類型

比較を始める前に、料金の型を理解しておくと迷いません。5製品は次の3つに分かれます。

製品課金の単位人数が増えたときの伸び方
1人あたり定額KING OF TIME、タッチオンタイム、freee勤怠管理従業員1人(1ID)あたり月額300円人数に正比例する
機能数で変動ジョブカン勤怠管理1ユーザ200〜500円。使う機能の数で決まる人数と機能数の掛け算で増える
基本料金+従量マネーフォワード クラウド勤怠、freee人事労務の各プラン一定人数分を含む基本料金+超過人数の加算少人数では横ばい、超過後に加算が効く

この違いは、従業員が10名なのか100名なのかで結論を変えます。少人数のうちは基本料金型が有利に見えても、人数が増えると1人あたり定額型のほうが総額を抑えられる場合があります。逆に、勤怠以外の機能も同じ基本料金で使うなら、基本料金型のほうが全体の支出は下がります。

公式サイトで確認した料金の比較

5製品の料金を、公式サイトの表示どおりに並べます。税区分は各社の記載に従っており、そろえていません。

製品提供会社料金初期費用無料で試せる範囲
KING OF TIME株式会社ヒューマンテクノロジーズ全機能一律300円/1人・月0円30日間無料体験
ジョブカン勤怠管理株式会社DONUTS有料200〜500円/1ユーザ・月(税抜)。無料プランあり。月額最低2,000円(税抜)0円(サポート費用も0円)無料プラン+30日間無料お試し
マネーフォワード クラウド勤怠株式会社マネーフォワード2,480〜6,480円/月(年払い・税抜)。6名以降1名300円0円1ヶ月無料トライアル
タッチオンタイム株式会社デジジャパン300円/1人・月(税別)。オプション費用なし0円30日間無料トライアル
freee勤怠管理freee株式会社300円/1ID・月無料無料お試しあり(お試しコンシェルジュが初期設定を支援)
freee人事労務(参考)freee株式会社2,000〜5,500円/月(5名・年払い・税抜)。6名以降400〜1,100円。給与計算・年末調整まで含むなし無料お試しあり

ここで注意したいのが、ジョブカン勤怠管理の「200〜500円」の読み方です。いずれかの機能を単独で使う場合が200円で、1機能追加ごとに100円ずつ上がります。出勤管理だけなら200円、出勤管理とシフト管理なら300円、4機能すべてなら500円という積み上げです。また、月額最低利用料金が2,000円(税抜)に設定されているため、数名の会社では人数分の計算より最低額のほうが効きます。

freeeについては、入口が2つある点に注意してください。勤怠だけを使うなら「freee勤怠管理」が300円/1ID・月、初期費用無料です。公式サイトは、freee勤怠管理をfreee人事労務の勤怠管理機能を利用できる勤怠管理システムと説明しています。給与計算や年末調整まで行う場合は「freee人事労務」の各プランが対象で、勤怠打刻・勤怠ワークフロー・勤怠アラート・有給自動付与は機能表でスタンダード以上に含まれます。勤怠だけが目的なら、人事労務のプランではなくfreee勤怠管理で比べてください。

人数別の年額を試算する

従業員10名で1年使った場合の年額目安の棒グラフ。タッチオンタイム、KING OF TIME、ジョブカン、freee勤怠管理が36000円、MFクラウド勤怠が95760円
従業員10名で1年使ったときの年額目安

公式サイトの表示価格から、従業員数ごとの年額を単純計算しました。オプション機器、専用レコーダー、消費税は含みません。あくまで比較の出発点としてご覧ください。

製品10名30名計算の前提
KING OF TIME36,000円108,000円300円×人数×12か月
タッチオンタイム36,000円108,000円300円×人数×12か月
ジョブカン勤怠管理(2機能)36,000円108,000円300円×人数×12か月。1機能なら200円
マネーフォワード クラウド勤怠95,760円167,760円ビジネスプラン77,760円/年+6名以降300円×超過人数×12か月
freee勤怠管理36,000円108,000円300円×ID数×12か月
freee人事労務(スタンダード・参考)96,000円288,000円4,000円×12か月+6名以降800円×超過人数×12か月。給与計算・年末調整を含む

勤怠だけを使う構成なら、KING OF TIME、タッチオンタイム、ジョブカン勤怠管理(2機能)、freee勤怠管理の4製品が10名で年36,000円と並びます。ここに差はつきません。差が出るのは、給与計算まで含めた構成です。マネーフォワード クラウド勤怠は10名で95,760円、freee人事労務スタンダードは96,000円で、勤怠だけの構成の約2.7倍になります。

この2.7倍という差を高いと見るかどうかは、比較の枠で変わります。マネーフォワード クラウド勤怠とfreee人事労務の基本料金には、給与計算や年末調整といった勤怠以外の機能が含まれます。会計ソフトや給与計算ソフトを別に契約しているなら、その費用と合算して比べてください。勤怠だけを切り出すと4製品が横並びになるため、実際の判断は打刻方法・法対応・サポートの違いで行うことになります。

打刻方法から絞り込む

現場の状況ごとに向いている打刻方法と対応製品を示す比較表の図
打刻方法で選ぶ比較軸

実は、料金より先に決まってしまうのが打刻方法です。現場の環境に合わない方式を選ぶと、運用が始まってから打刻漏れと修正申請が増えます。

製品公式サイトに掲載されている打刻方法専用機器の費用
KING OF TIMEPCログオン・ログオフ、PCパスワード認証、ICカード、PC接続、指紋、指静脈、顔認証機器により異なる
ジョブカン勤怠管理共用PC、各従業員のPC、共有iPhone(NFC)でのICカード、GPS打刻、iPad顔認証ICカード打刻3,500円(Windows)/12,000円(iOS)、指静脈認証55,000円、PitTouch Pro 98,000円、iPad顔認証アプリ1ライセンス30,000円
マネーフォワード クラウド勤怠Web打刻、打刻モード(iPadなど)、スマートフォン打刻(GPS)PaSoRi RC-S300/S1 3,250円(購入オプション)
タッチオンタイムWEBブラウザ打刻、GPS利用の打刻、みなし勤務、ヘルプ打刻、申請が必要な打刻、専用レコーダーレコーダーは別途
freee勤怠管理スマホ打刻(freee勤怠アプリ、LINE、LINE WORKS、Slackなど)、PC打刻、ICカード打刻、共有端末打刻ICカード運用時は機器が必要

なりすましを防ぎたい場合は、指紋・指静脈・顔認証といった生体認証を持つ製品に絞られます。KING OF TIMEは本体機能として掲載しており、ジョブカン勤怠管理は専用機器を購入する形です。指静脈認証機は55,000円、PitTouch Proは98,000円と、初期費用として無視できない金額になります。

直行直帰が多い業種では、GPS付きのスマートフォン打刻が現実的です。ジョブカン勤怠管理、マネーフォワード クラウド勤怠、タッチオンタイムがGPS打刻を公式に掲載しています。freee勤怠管理は、従業員が使い慣れたチャットツール(LINE、LINE WORKS、Slack)からアプリの起動やログインなしで打刻できる点が特徴で、打刻率を上げたい現場では別の解になります。全員がPCを使うオフィス勤務中心なら、5製品すべてがPC・Web打刻に対応しているため、打刻方法で絞る必要はありません。

働き方改革関連法への対応を比べる

勤怠管理システムを導入する目的の多くは、法令で求められる記録と管理を確実に行うことにあります。公式サイトで対応を明記している範囲を整理します。

項目公式に明記している製品確認のしかた
時間外労働の上限規制タッチオンタイム、KING OF TIME(働き方改革関連法の設定)上限に近づいたときのアラートが出せるか
年次有給休暇5日以上の取得義務タッチオンタイム年次有給管理簿を出力できるか
勤務間インターバル制度タッチオンタイムインターバルの不足を検知できるか
月60時間超の割増賃金率引上げタッチオンタイム割増率を分けて集計できるか
アラート・通知KING OF TIME、タッチオンタイム、マネーフォワード クラウド勤怠、freee勤怠管理(勤怠モニターと自動リマインド)メールか画面か、条件を自社で設定できるか

この表は「掲載がない=対応していない」という意味ではありません。公式サイトのどこに何が書かれているかの差でもあります。導入前の確認では、機能名の有無ではなく、自社の就業規則にある条件をそのまま設定できるかを試してください。無料期間中に、実際の勤務データを1か月分入れて集計結果を突き合わせるのが最も確実です。

現在申し込める勤怠管理システム5製品

各製品の提供会社、料金、打刻方法と、他製品と比べたときの強み・弱みをまとめます。

KING OF TIME|打刻手段の多さと、全機能込みの一律料金が特徴

提供会社は株式会社ヒューマンテクノロジーズです。料金は1人あたり月額300円(全機能一律)/初期費用0円。無料で試せる範囲は30日間無料体験です。打刻方法はPCログオン・ログオフ、PCパスワード認証、ICカード、PC接続、指紋、指静脈、顔認証、モバイルが公式サイトに掲載されています。

他製品と比べた強み

  • 打刻手段が多く、指紋・指静脈・顔認証まで公式に用意されている
  • 全機能が一律300円に含まれ、機能ごとの追加課金を考えなくてよい
  • 勤怠だけでなく人事労務・給与計算・データ分析・電子契約までシリーズで揃う

他製品と比べた弱み

  • 1人あたり定額のため、人数が増えると費用が比例して増える
  • 機能が広い分、初期設定で決める項目が多くなりやすい
  • 公式サイトの料金表示に税区分の明記がないため、契約前の確認が要る

向いている企業:打刻のなりすましを防ぎたい企業、拠点が複数ある企業、勤怠から給与まで同じ系列でそろえたい企業

向いていない企業:数名で最小限の打刻だけしたい企業(無料プランのある製品のほうが安く始まる)

KING OF TIME公式サイト。全機能一律300円と初期費用0円が表示されている
出典:KING OF TIME公式サイト(2026年9月3日確認)

料金の内訳、機能の詳細、解約時の扱いはKING OF TIMEの詳細ページで個別に整理しています。

ジョブカン勤怠管理|使う機能の数だけ払う設計。無料プランから始められる

提供会社は株式会社DONUTSです。料金は有料プラン1ユーザ200〜500円/月(税抜)。無料プランは0円/月額最低利用料金2,000円(税抜)/初期費用・サポート費用0円。無料で試せる範囲は無料プラン(1〜4機能・機能制限あり)+30日間無料お試しです。打刻方法は共用PC、各従業員のPC、共有iPhone(NFC)でのICカード打刻、GPS打刻、iPad顔認証(別途機器・ライセンス)が公式サイトに掲載されています。

他製品と比べた強み

  • 出勤管理・シフト管理・休暇/申請管理・工数管理から必要なものだけ選べる
  • 1機能なら1人200円で、追加は1機能ごとに+100円という分かりやすい積み上げ
  • 無料プランがあり、小規模なら費用ゼロで運用を試せる

他製品と比べた弱み

  • 4機能すべてを使うと1人500円になり、定額型より高くなる
  • 工数管理は単独では利用できず、他機能との組み合わせが前提
  • 専用打刻機は別途購入が必要(指静脈55,000円、PitTouch Pro 98,000円など)

向いている企業:シフト制で必要機能がはっきりしている企業、まず無料で試したい企業、段階的に機能を増やしたい企業

向いていない企業:最初から全機能を使う前提の企業(一律定額型のほうが安くなる場合がある)

ジョブカン勤怠管理のプラン・料金ページ。初期費用・サポート費用が0円と表示されている
出典:ジョブカン勤怠管理 プラン・料金(2026年9月3日確認)

料金の内訳、機能の詳細、解約時の扱いはジョブカン勤怠管理の詳細ページで個別に整理しています。

マネーフォワード クラウド勤怠|バックオフィス一式の基本料金に勤怠が含まれる型

提供会社は株式会社マネーフォワードです。料金はひとり法人2,480円/スモールビジネス4,480円/ビジネス6,480円(いずれも年払い時の月額・税抜)。6名以降は1名300円/初期費用0円。無料で試せる範囲は1ヶ月無料トライアル(クレジットカード登録不要)です。打刻方法はWeb打刻、打刻モード(iPadなどの共有端末)、スマートフォン打刻(GPS)が公式サイトに掲載されています。

他製品と比べた強み

  • 会計・給与など他のクラウドサービスと基本料金の中で連携できる
  • 打刻用の機材をそろえずに始められる
  • トライアルで作成したデータをそのまま引き継げる

他製品と比べた弱み

  • 勤怠だけを使う目的では、1人あたりに直すと割高になりやすい
  • プランに含まれるアカウント数を超えると1名300円が上乗せされる
  • 51名以上は個別見積もりで、料金が公開されていない

向いている企業:マネーフォワード クラウドの他サービスも使う企業、少人数で機材投資を避けたい企業

向いていない企業:勤怠だけを大人数で使う企業(1人あたり定額型のほうが総額を抑えやすい)

マネーフォワード クラウド勤怠の料金プランページ。ひとり法人・スモールビジネス・ビジネスの3プランが表示されている
出典:マネーフォワード クラウド勤怠 料金プラン(2026年9月3日確認)

料金の内訳、機能の詳細、解約時の扱いはマネーフォワード クラウド勤怠の詳細ページで個別に整理しています。

タッチオンタイム|勤怠管理に特化し、オプション費用を持たない一本値

提供会社は株式会社デジジャパンです。料金は月額300円/1人(税別)。オプション費用なし/初期費用0円。無料で試せる範囲は30日間無料トライアルです。打刻方法はWEBブラウザ打刻、GPS利用の打刻、みなし勤務、ヘルプ打刻、申請が必要な打刻、専用レコーダーが公式サイトに掲載されています。

他製品と比べた強み

  • オプション設定がなく、300円で全機能を使える料金体系
  • 働き方改革関連法への対応機能を公式に明記している
  • 承認ルートを最大5段階まで設定でき、複雑な決裁に合わせられる

他製品と比べた弱み

  • 勤怠管理に特化しているため、給与計算や人事労務は別製品が必要
  • 1人あたり定額なので、人数が増えると費用も比例する
  • 専用レコーダーを使う場合は機器の手配が別途必要

向いている企業:変形労働制など複雑な勤務体系がある企業、複数拠点やテレワークが混在する企業

向いていない企業:勤怠と給与を1つのサービスにまとめたい企業

タッチオンタイムの導入費用ページ。初期費用0円、月額300円1人と表示されている
出典:タッチオンタイム 導入費用(2026年9月3日確認)

料金の内訳、機能の詳細、解約時の扱いはタッチオンタイムの詳細ページで個別に整理しています。

freee勤怠管理/freee人事労務|勤怠単体は300円、給与まで含めるならプラン契約

提供会社はfreee株式会社です。勤怠だけを使う場合は「freee勤怠管理」が300円/1ID・月、初期費用無料です。給与計算や年末調整まで行う場合は「freee人事労務」の各プランが対象で、ミニマム2,000円/スターター3,000円/スタンダード4,000円/アドバンス5,500円(いずれも5名・年払い時の月額・税抜)、6名以降はプランごとに400〜1,100円です。打刻方法は、スマホ打刻(freee勤怠アプリ、LINE、LINE WORKS、Slackなど)、PC打刻、ICカード打刻、共有端末打刻が公式サイトに掲載されています。

他製品と比べた強み

  • 給与計算・年末調整・入退社手続きと同じ画面で勤怠を扱える
  • プランを上げると人事情報の管理やセキュリティ強化まで広がる
  • 定型業務を委託できるアウトソースプランが用意されている

他製品と比べた弱み

  • 勤怠打刻・勤怠ワークフロー・勤怠アラート・有給自動付与はスタンダード以上でないと使えない
  • 6名以降の加算がプランごとに異なり、人数が増えると差が開く
  • 勤怠専用製品と比べると、打刻手段の選択肢は少ない

向いている企業:給与計算と労務手続きをまとめて効率化したい企業、年末調整まで一気通貫にしたい企業

向いていない企業:勤怠だけを安く導入したい企業、多様な打刻機器が必要な企業

freee人事労務の料金プランページ。ミニマムからアウトソースまでのプランが表示されている
出典:freee人事労務 料金プラン(2026年9月3日確認)

料金の内訳、機能の詳細、解約時の扱いはfreee人事労務の詳細ページで個別に整理しています。

制度の前提を押さえてから機能を見る

勤怠管理システムの機能名は、労働基準法の制度名をそのまま使っています。自社にどの制度が適用されているかが分からないまま製品を比べると、必要な機能を落としたり、使わない機能に払ったりします。厚生労働省の「労働時間・休日」のページで、前提となる制度を確認しておきましょう。

厚生労働省の労働時間・休日のページ。法定の労働時間、休憩、休日、36協定、変形労働時間制などが解説されている
出典:厚生労働省「労働時間・休日」(2026年9月3日確認)
制度厚生労働省の説明勤怠管理システムで見るところ
法定労働時間使用者は、原則として1日8時間、1週間40時間を超えて労働させてはいけない日・週それぞれの超過を自動で判定できるか
休憩労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上休憩の自動控除が実態と合うか。手入力が必要か
休日少なくとも毎週1日、または4週間を通じて4日以上4週4日の変則パターンを設定できるか
36協定労使協定を締結し行政官庁へ届け出た場合に時間外・休日労働が認められる。時間外労働時間には限度がある限度に近づいたときのアラートを条件付きで出せるか
変形労働時間制1か月単位、1年単位、1週間単位の3種類がある自社が使う単位に対応しているか
フレックスタイム制一定期間(3か月以内)を平均し、1週間あたりの労働時間が法定を超えない範囲で始業・終業時刻を労働者が決める清算期間を3か月で設定できるか
みなし労働時間制事業場外みなし、専門業務型裁量労働制、企画業務型裁量労働制の3種類みなし勤務の打刻・集計を分けて扱えるか
年次有給休暇6か月継続勤務し全労働日の8割以上出勤した場合に10日。以降1年ごとに1日ずつ、3年6か月以降は2日ずつ増え、最高20日付与日数の自動計算と年次有給管理簿の出力ができるか

この表の右列が、そのまま製品選定のチェックリストになります。たとえばフレックスタイム制を採用している会社なら、清算期間を3か月で設定できるかが必須条件です。1か月単位にしか対応していない製品を選ぶと、毎月手作業で調整することになります。

変形労働時間制も同様です。厚生労働省は1か月単位、1年単位、1週間単位の3種類があると説明していますが、製品によって対応範囲が違います。1年単位の変形労働時間制を使っているなら、その設定ができるかを無料期間中に必ず確認してください。

年次有給休暇については、付与日数の計算ルールが法律で決まっています。6か月継続勤務と出勤率8割という条件、その後の増加日数、上限20日という枠組みを、システム側が自動で処理できるかどうかで担当者の負担が変わります。入社日がばらばらな会社ほど、この自動計算の価値が大きくなります。

導入でよくある失敗と、その原因

導入後に問題になるパターンは、おおむね次の5つに集約されます。いずれも製品の欠陥ではなく、選定時の確認漏れが原因です。

失敗のかたち起きる原因選定時に防ぐ方法
集計が既存の給与計算と合わない締め日、手当の計算方法、休憩の控除ルールが自社と違う設定になっている無料期間に締めをまたぐ1か月を流し、既存の集計と突き合わせる
打刻漏れと修正申請が大量に出る現場の動線に合わない打刻方法を選んでいる実際の出勤時の動きを見てから打刻方法を決める
想定より費用が膨らむ退職者のアカウントを消していない、機能を追加した、人数が増えた課金の単位(登録ユーザ数か在籍者数か)を契約前に確認する
承認が滞る承認者が不在のときの代行ルートを決めていない承認ルートの段数と代行設定を導入前に決める
給与ソフトへ渡せない連携方法がCSVのみで、項目の対応表を作っていない連携形式と項目の対応を、無料期間中に一度通しで試す

特に1つ目は、稼働直後の月に必ず表面化します。紙のタイムカードや表計算ソフトで集計していた会社ほど、これまで人が判断で吸収していた例外処理が可視化されます。「システムが間違っている」のではなく、これまでのルールが明文化されていなかっただけ、というケースが少なくありません。無料期間は製品の良し悪しを見る時間であると同時に、自社のルールを言語化する時間でもあります。

3つ目の費用については、課金の単位が製品ごとに違う点を改めて確認してください。ジョブカン勤怠管理は毎月の登録ユーザ数、マネーフォワード クラウド勤怠は在籍中の従業員数と、公式サイトに明記されています。退職者の処理を運用フローに入れておかないと、使っていない分の支払いが続きます。

自社に合う製品の選び方

就業ルールの棚卸しから無料期間での実データ検証までの5ステップを示す図
勤怠管理システム導入判断の順番

価格表から入ると、あとで機能不足かコスト超過のどちらかに振れます。次の順番で確認してください。

順番決めることここで絞られる製品
1就業ルールの棚卸し(変形労働、フレックス、裁量労働、複数締日)複雑な勤務体系があるなら勤怠専用製品が有利
2打刻環境(共有端末か個人端末か、生体認証が要るか)生体認証が要るならKING OF TIMEかジョブカン
3連携先(給与ソフトとCSVかAPIか)同一系列でそろえるならMFかfreee
41年後・3年後の人数で年額を試算人数が増える見込みなら1人あたり定額型
5無料期間に実データで検証集計が合わない製品はここで落ちる

特に5番目を省略しないでください。カタログ上は対応していても、自社の締め日や手当の計算方法に合わないことがあります。無料期間は30日前後あるので、繁忙月や締めをまたぐ月のデータを流し込み、既存の集計と一致するかを確認します。ここで差異が出た場合、設定で吸収できるのか、そもそも対応していないのかを販売元に確認してから契約してください。

なお、KING OF TIMEとタッチオンタイムはどちらも公式サイトで「シェアNo.1」と表示しています。集計の基準や対象範囲が異なるため、どちらが上かをこの数字だけで判断することはできません。シェア表示は候補を絞る材料にはせず、自社の条件に合うかで選んでください。

無料期間の30日をどう使うか

5製品はいずれも無料で試せますが、期間の使い方で得られる情報がまったく変わります。画面を眺めるだけで終わると、契約後に「思っていたのと違う」が出ます。締め日をまたぐ形で日程を組み、次の順で進めてください。

時期やることここで判明すること
1週目就業規則をもとに、労働時間・休憩・休日・締め日の設定を入れる自社のルールをそのまま設定できるか。できない項目はどれか
2週目部署ごとに数名を選び、実際の勤務で打刻してもらう現場の動線に打刻方法が合うか。打刻漏れがどこで起きるか
3週目申請・承認を一巡させる。承認者不在のケースも試す承認ルートの段数と代行設定が実態に合うか
4週目締めを実行し、既存の集計方法と数字を突き合わせる差異の有無と、その原因が設定か仕様か

4週目の突き合わせがもっとも重要です。差異が出た場合、まず設定で吸収できるかを販売元に確認してください。仕様上できないと分かれば、その時点で候補から外せます。契約後に判明するより、無料期間中に分かるほうがはるかに安く済みます。

また、この4週間は自社の運用ルールを文書化する機会でもあります。打刻忘れの扱い、直行直帰の申請方法、退職者のアカウント停止のタイミングといった項目は、システムの設定と社内ルールの両方で決める必要があります。無料期間中に決めておけば、稼働初月の問い合わせが大きく減ります。

なお、無料期間の長さは製品によって異なります。KING OF TIME、ジョブカン勤怠管理、タッチオンタイムは30日間、マネーフォワード クラウド勤怠は1か月、freee人事労務は無料お試しと公式サイトに記載があります。締め日との兼ね合いで、開始日を調整してください。月初に始めれば、その月の締めをちょうど期間内に含められます。

導入前に決めておく社内ルール

システムを入れただけでは運用は安定しません。導入前に次を決めておくと、稼働後の問い合わせが減ります。

  • 打刻忘れの扱い:本人が申請するのか、上長が修正するのか。修正履歴を残す運用にするか
  • 承認ルート:誰が一次承認で、不在時に誰が代行するか。タッチオンタイムは最大5段階まで設定できます
  • 締め日と給与計算の受け渡し:締めてから給与ソフトへ渡すまでの手順と担当
  • 直行直帰・テレワークの打刻:GPS打刻を使うか、申請ベースにするか
  • 退職者のアカウント:いつ停止するか。課金対象が「登録ユーザ数」の製品では費用に直結します

最後の項目は見落とされがちです。ジョブカン勤怠管理は毎月の登録ユーザ数が請求対象、マネーフォワード クラウド勤怠は在籍中の従業員数に応じた従量課金と公式サイトに記載があります。退職者の削除が遅れると、使っていない分を払い続けることになります。

勤怠管理システムに関するよくある質問

無料で使い続けられる製品はありますか

ジョブカン勤怠管理には無料プランがあり、1〜4機能を0円で利用できます。ただし機能制限があります。他の4製品は無料期間(30日間または1ヶ月)の後に有料へ移行します。

タイムカードからの移行はどのくらいかかりますか

就業ルールの整理と設定に時間がかかります。無料期間が30日前後あるのは、この設定と検証にあてるためです。締めをまたぐ1か月を流して集計を突き合わせることをおすすめします。

専用の打刻機は必ず必要ですか

必要ありません。5製品ともPCやスマートフォンからのWeb打刻に対応しています。専用機が要るのは、生体認証や共有端末での高速打刻を求める場合です。

給与計算ソフトと連携できますか

できます。KING OF TIMEは各種給与計算ソフトとの連携、タッチオンタイムはAPI連携・CSV連携・給与システム連携を公式に掲載しています。マネーフォワード クラウド勤怠とfreee人事労務は同一系列の給与サービスと連携します。

人数が増えたら料金はどう変わりますか

1人あたり定額型は正比例で増えます。基本料金+従量型は、プランに含まれる人数を超えた分が1名あたりで加算されます。1年後・3年後の人数で試算してから選んでください。

途中で他社へ乗り換えられますか

データの持ち出し方法が製品ごとに異なります。契約前に、退会時のデータ出力形式(CSVなど)と保存期間を確認しておくと、乗り換えの判断がしやすくなります。

クラウド型とオンプレミス型はどちらがよいですか

このページで比較している5製品はいずれもクラウド型です。クラウド型はサーバーを自社で用意せず、法改正への対応も提供側が反映します。オンプレミス型は自社の環境に合わせて作り込める一方、改修と保守の費用が別に発生します。中小企業で、法改正への追随を自社で抱えたくないのであれば、クラウド型が現実的な選択になります。

導入したあとに製品を変えることはできますか

できますが、過去の勤怠データの持ち出し形式と保存期間を先に確認してください。労働基準法では賃金台帳や出勤簿などの記録に保存義務があります。乗り換えの前に、必要な期間のデータをCSVなどで出力し、自社で保管できる状態にしてから解約するのが安全です。

比較方法・更新方針

このページの数値は、各社の公式サイトを2026年9月3日に確認して作成しています。年額の試算は公式表示の価格から単純計算したもので、消費税、専用機器の費用、オプション、キャンペーン価格は含みません。税区分は各社の記載をそのまま使っており、統一していません。

2026年9月3日の公開後、freeeについて「freee勤怠管理(300円/1ID・月)」と「freee人事労務の各プラン」の2つの入口があることを確認したため、同日中に料金表・年額試算・打刻方法の記載を訂正しました。当初は人事労務のプランだけを掲載しており、勤怠単体の費用が実態より高く出ていました。

掲載順は料金の型ごとにまとめており、広告報酬で順番を決めていません。公式サイトで確認できない優位性、実績、満足度は記載していません。「シェアNo.1」などの表示は各社の自社表示として扱い、比較の根拠にしていません。料金と機能は改定されるため、申し込み前に必ず各社の公式サイトで最新の条件をご確認ください。

勤怠管理の実務ガイド

製品選びの次の段階については、以下のページで詳しく整理しています。

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