シフト管理システムの見積もり前に決める4項目|人数の数え方・打刻の持ち方・契約の単位・導入までの期間

シフト管理システムの見積もり前に決める項目をカードで並べたアイキャッチ。料金の型が4通りあること、「1人」の定義が各社で違うこと、打刻の持ち方が3通りあること、導入期間が即日から3か月まで幅があることを示している

シフト管理システムの比較は、たいてい機能一覧の突き合わせから始まります。ところが実際に見積もりを取る段になると、機能の有無より先に「何人で使うのか」「打刻はどうするのか」「勤怠と給与はどこで受けるのか」が確定していないせいで、各社から返ってくる金額が比較できない形になります。5サービスの公開情報を同じ軸で読み直すと、金額を左右しているのは機能の多さではなく、人数の数え方、打刻の持ち方、契約の単位、導入までの期間の4つでした。見積もりに入る前に、自社側で何を決めておけばよいのかを順に整理します。

先に要点

  • 料金の型は3つに割れます。1人あたりの一本値、プラン別の単価、初期費用+月額下限です。人数によって有利な型が入れ替わります。
  • 人数の数え方は各社で違います。最大連携人数、10名単位、100ユーザーの上限、2人以下の一律料金が、それぞれ公開されています。
  • 打刻は標準・オプション・非搭載の3通り。非搭載でもCSVやAPIで既存の勤怠システムとつなげます。
  • 導入期間は、登録してすぐ使えるものと、通常3か月かかるものが同じ土俵に並んでいます。
  • 厚労省の取組事例は、「シフトは○○日前までに決める」などのルールを作っておきましょうとしています。システムの選定より先に決める話です。

見積もりの前に、自社側で決める4項目

各社に問い合わせると、ほぼ同じ質問が返ってきます。人数、拠点数、打刻の要否、使い始めたい時期です。ここが決まっていないと、見積もりは「標準的な構成で」という条件つきのものになり、他社と並べられません。

問い合わせの前に手元で確定させる順番

  1. 対象人数を数え方ごとに出す。在籍人数、実際にシフトに入る人数、月によって増減する幅の3つを分けて出します。サービスによって課金の母数が違うためです。
  2. 打刻をどうするか決める。スマホ打刻で足りるのか、代理打刻を物理的に防ぐ必要があるのか。ここで候補が絞れます。
  3. 勤怠と給与の受け口を確認する。いま使っている勤怠・給与システムがCSVを取り込めるか、APIがあるかを先に調べます。
  4. 使い始めたい月を決める。最短1か月以内のものから、通常3か月のものまであります。繁忙期から逆算します。
  5. シフトの運用ルールを文章にする。通知の期限、変更の手続、連勤の上限。システムの設定項目はここから埋まります。

料金の型は3つに割れる

5サービスの公開されている料金を並べると、構造が3種類に分かれます。同じ「月額」という言葉でも、意味が違います。

料金の型と、公開されている金額(各公式サイトの記載、2026年10月6日時点)
型サービス公開されている内容
1人あたりの一本値Airシフトスタッフ1人あたり月額330円(税込)。スタッフ数が2人以下の場合は一律月額990円(税込)。初期費用とサポート費用は無料
1人あたり+規模で固定価格シフオプ基本プラン月額300円/ユーザー、初期費用0円。1,000ユーザー以上はIDパックプランで月額200〜270円/ユーザーの固定価格
プラン別の単価oplusスタンダード0円(上限100ユーザーまで)、Pro 100円/ユーザー、Pro+勤怠 200円/ユーザー。オプションに自動シフト作成300円/ユーザー、有給休暇管理50円/ユーザー
初期費用+月額下限ShiftMAX初期設定費用50万円(基本機能・実績集計・帳票出力)、月額費用5万円〜。基本機能300円/人、管理費1万円/月。契約は10名単位
見積もりらくしふ金額の掲載なし。20名までは定額料金という条件のみ公開。支払いは銀行振込、月末請求・翌月末払い

人数の少ない事業者ほど、1人あたりの単価より下限の金額が効きます。逆に数百人規模になると、固定価格のパックや、初期費用を割り戻した1人あたりの金額が効いてきます。各サービスの詳細は、Airシフト、シフオプ、oplus、ShiftMAX、らくしふのページにまとめています。

人数の数え方が各社で違う

「1人あたり300円」と書いてあっても、その「1人」が誰を指すかは各社で違います。公開されている定義を並べると、見積もりの前提がずれる理由がわかります。

公開されている人数の数え方

  • Airシフト。課金の対象はスタッフ用アプリ「シフトボード」と連携して利用しているスタッフ。月の途中で人数が動いた場合、その月はいちばん多かった時点の連携人数が課金の基準になります。
  • シフオプ。利用人数に上限と下限はないと回答。1,000ユーザー以上はIDパック単位で、実利用が想定を10%以内で超えるぶんは継続でき、下回っても請求はパック単位です。月途中の登録・退職は日割り計算ですが、IDパックは対象外です。
  • oplus。スタンダードプランは「※上限100ユーザーまで」。よくある質問は「スタッフ数が100名を越える場合は有料への切り替えが必要」と回答しています。
  • ShiftMAX。「※ご契約は10名様単位となります。」利用できる従業員数に制限はないと回答しています。
  • らくしふ。20名以下でも利用でき、20名までは定額料金。金額はサービス紹介資料での案内です。

退職者のアカウントを残したままにするか、月の途中で入った人をどう数えるか。この2点は、どのサービスでも請求額に直結します。見積もり時に文章で確認しておく価値があります。

打刻をどこで持つか

シフト管理と勤怠管理は隣り合っていますが、1本にまとめるかどうかで費用も運用も変わります。公開情報では、標準で含むもの、オプションのもの、持たないものに分かれていました。

打刻の持ち方と、外部連携(各公式サイトの記載)
サービス打刻追加費用外部連携
Airシフト同じ料金に含まれるなし給与計算ソフトへのデータ送信は現在freee人事労務のみ対応
oplusPro+勤怠プラン200円/ユーザーシフト情報・勤怠情報を一括でExcelダウンロード
らくしふオプション機能非公開APIまたはCSVで既存の勤怠管理システムと連携できると明記
ShiftMAXICカード認証・指静脈認証・スマホ・共有PC打刻機は118,800円/58,300円CSVをインポートできる給与システムであれば連携可能と回答
シフオプ打刻機能は持たない—勤怠とのデータ連携はCSVの出力と取り込み

いま使っている勤怠システムを残すなら、打刻は不要です。その場合はシフトのデータをどう渡すかだけを見ます。逆に紙のタイムカードから乗り換えるなら、打刻まで含めた総額で比べないと、あとから別の契約が増えます。

らくしふの機能一覧ページの公式画面キャプチャ
出典:らくしふ「『らくしふ』の機能一覧」。毎月のシフト管理の効率化、経営指標の可視化、勤怠機能・勤怠連携で予実管理、複雑な条件に対応できるシフト自動作成、事業成長に役立つ便利機能の5区分と、それぞれの関連機能が並んでいる(2026年10月7日取得)

導入までの期間を同じ軸で見る

比較表では見落とされやすいのが、使い始められるまでの時間です。公開情報の差は、金額の差より大きいかもしれません。

使い始めるまでの流れ(各公式サイトの記載)
サービス入口期間についての記載
oplus公式サイトから無料アカウント登録期限のない無料プランがあり、登録して始められる
Airシフト無料体験の申込み無料体験は利用開始月と翌月の2か月。終了後に自動課金はされないが、有料申込みをしないと全機能が使えなくなる
らくしふ無料トライアルの申込み無料トライアル→お試し運用→本申込の3ステップ。トライアル環境から引き継げる。期間の長さは公開ページからは確認できなかった
シフオプ問い合わせ申し込みは3か月または6か月単位。利用開始日は毎月の初日
ShiftMAX資料請求・訪問ヒアリング価格ページは「通常、導入まで3ヶ月ほど」「デフォルト状態であれば最短1ヶ月以内」。よくあるご質問は「約半年くらい」

ShiftMAXの導入期間については、公式サイトの2か所で記載が異なります。価格ページは通常3か月、よくあるご質問は約半年です。カスタマイズの量で変わる部分なので、自社の要件に対する期間を見積もりの段階で確認してください。本記事では、どちらかに寄せず両方をそのまま載せています。

シフトの運用ルールを先に決める

厚生労働省は「『シフト制』の円滑な運用のための取組事例」で、現場の不満と企業の取り組みを対応させた資料を公開しています。2023年3月版で、シフトの決定方法、シフトの通知の仕方、急な欠員等への備えの3章構成です。

厚生労働省「『シフト制』の円滑な運用のための取組事例」の公式画面キャプチャ
出典:厚生労働省「『シフト制』の円滑な運用のための取組事例」(2023年3月版)。シフトの決定方法、シフトの通知の仕方、急な欠員等への備えについて、はたらく人の不満、企業の取組事例、改善されたことが対応づけて掲載されている(2026年10月7日取得)

資料が挙げている「はたらく人の不満」は具体的です。シフトの決まる日が遅れることが多く、遅い時には勤務日の前日になること。予定がある日にシフトが入れられてしまうこと。シフトが紙で張り出されるだけで、会社に行ったり担当者に聞かないとわからないこと。休みが月末になった場合に翌月初めのシフトを確認できずに欠勤になってしまうこと。

これに対する企業の取組事例として、従業員の希望に合わせてシフトを自動で作成・決定するためのアプリを導入する、事前に2か月分のシフトを作成して掲示したうえで1か月前に再度従業員が確認する、シフトを共有できるアプリを導入して従業員個人の端末でシフト表が見られるようにする、といった形が紹介されています。改善されたこととして「シフト表の出来上がる時期も早まった」「間違って欠勤してしまうことがなくなった」が挙げられています。

そして資料は、ツールの話で終わらせていません。「従業員のためにも、可能な限り『シフトは○○日前までに決める』などのルールを作っておきましょう」としています。通知手段についても「SNSやメールで共有する時は、後から書き換えられないよう、写真など加工ができない媒体で行いましょう」という注意が添えられています。

決めたルールを明示する形に落とす

使用者向けのリーフレットには、シフト制労働契約で定めることが考えられる事項が、作成・変更・設定の3区分で表になっています。例まで書かれているので、そのまま契約書の文言の下敷きになります。

厚生労働省「『シフト制』労働者の雇用管理を適切に行うための留意事項」リーフレットの公式画面キャプチャ
出典:厚生労働省「いわゆる『シフト制』により就業する労働者の適切な雇用管理を行うための留意事項(使用者の方等向けリーフレット)」。労働条件の明示、シフト制労働契約で定めることが考えられる事項、就業規則の作成、労働時間・休憩、年次有給休暇、休業手当、解雇・雇止め、募集・待遇・保険関係が1枚にまとめられている(2026年10月7日取得)
リーフレットが挙げる「定めることが考えられる事項」と、例として示されている書き方
区分項目示されている例
作成シフトの作成時に、事前に労働者の意見を聞くこと/シフトの通知期限/シフトの通知方法通知期限は「毎月○日」、通知方法は「電子メール等で通知」
変更シフト期間開始前に変更する場合の期限や手続/シフト期間開始後に、確定していた労働日・労働時間をキャンセル、変更する場合の期限や手続確定した労働日や労働時間の変更は基本的に労働条件の変更に該当し、双方の合意が必要と注記
設定一定の期間中に労働日が設定される最大の日数、時間数、時間帯/目安となる労働日数、労働時間数/最低限労働する日数、時間数「毎週月、水、金曜日から勤務する日をシフトで指定する」「1か月○日程度勤務/1週間当たり平均○時間勤務」「1か月○日以上勤務/少なくとも毎週月曜日はシフトに入る」

労働条件の明示そのものについてはシフト制の労働契約で決めておくことに、年次有給休暇と休業手当についてはシフト制の年次有給休暇と休業手当にまとめています。

欠員が出たときの手順まで決める

取組事例の3章目は、急な欠員への備えです。「急な体調不良等による欠勤が発生した時のために、スムーズに代替要員を決める手順を、事前に定めておきましょう」として、各従業員が出勤できる日・できない日を事前に早めに把握しておき、欠員が発生したときは把握していた出勤できる人に打診する、という形が紹介されています。

この「出勤できる日を事前に把握する」は、年次有給休暇のリーフレットで挙げられていた取り組み例とも重なります。労働する可能性がある最大の日数(例:月曜〜金曜は勤務可能)を労働契約の締結の際に労働者ごとに確認しておく、という内容です。欠員対応と年休の取りやすさが、同じ一手でつながります。

欠員対応で公開されている機能

らくしふ

自店舗内の全スタッフを対象にした「追加募集」と、ポジションやスキルを指定して他店舗にも要請できる「ヘルプ募集」の2つ。ヘルプ募集はオプション機能です。シフトの過不足を自動で可視化する機能も搭載しています。

oplus

出勤要請とメガホン(メッセージ一斉送信)がスタンダードプランに含まれます。コメント機能も同じ範囲です。

Airシフト

希望シフト提出の自動リマインドと、過不足を見ながらのシフト作成が機能として掲載されています。

このページの要点

1. 料金の型は一本値・プラン別・初期費用+月額下限・見積もりに割れる。人数で有利な型が入れ替わる。

2. 「1人」の定義が各社で違う。最大連携人数、10名単位、100ユーザーの上限を確認する。

3. 打刻を持つか、既存の勤怠に渡すかで候補が絞れる。CSVかAPIかも先に調べる。

4. 厚労省の取組事例は「シフトは○○日前までに決める」ルールを先に作ることを勧めている。

4項目を決めたら、同じ条件で5サービスを並べられます。料金と条件はハブページにまとめています。

シフト管理システム比較5選を見る

よくある質問

まず何から決めればよいですか。
対象人数、打刻の要否、勤怠・給与システムの受け口、使い始めたい月の4つです。この4つが決まっていないと、各社の見積もりが同じ前提にならず、金額を並べても比較になりません。
「1人あたり300円」どうしを比べれば同じ金額になりますか。
なりません。課金の母数が各社で違います。Airシフトは同月内の最大連携スタッフ人数、ShiftMAXは10名単位、oplusのスタンダードは上限100ユーザーまで、シフオプは人数の上限・下限なしで1,000ユーザー以上はパック単位です。自社の人数の増減の幅も伝えたうえで見積もりを取ってください。
無料で試せるサービスはありますか。
oplusは期限のないスタンダードプランが0円(上限100ユーザーまで)です。Airシフトは利用開始月と翌月の2か月が無料体験で、終了後に自動課金はされませんが有料申込みをしないと全機能が使えなくなります。らくしふは無料トライアルの申込みが入口です。
いま使っている勤怠システムを残せますか。
らくしふはAPIまたはCSVで既存の勤怠管理システムと連携できると明記しています。シフオプは打刻機能を持たず、勤怠とのデータ連携はCSVの出力と取り込みです。ShiftMAXはCSVをインポートできる給与システムであれば連携可能と回答しています。
シフトは何日前に出せばよいですか。
法令で日数が決まっているわけではありません。厚生労働省の取組事例は「可能な限り『シフトは○○日前までに決める』などのルールを作っておきましょう」としており、使用者向けリーフレットではシフトの通知期限の例として「毎月○日」という書き方が示されています。自社で決めて、契約や就業規則に落とす形になります。
シフト表をLINEやメールで送ってもよいですか。
取組事例は、会社での張り出しだけでなくSNSやメールで共有する事例を挙げたうえで、「SNSやメールで共有する時は、後から書き換えられないよう、写真など加工ができない媒体で行いましょう」と注意しています。

このページで確認した一次情報(2026年10月6日・10月7日)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です